2010年の加入以降、太陽のような明るいキャラクターででんぱ組.incを照らし続けてきた“えいたそ”こと成瀬瑛美。彼女は昨年11月に行われた配信ライブの中でグループから卒業することを発表し、今後はソロでアニメソングを歌う夢に向かって活動していくことをファンに報告した。でんぱ組.incにとってひさびさの有観客ライブとなった卒業公演では新型コロナウイルスの感染拡大防止策を徹底した中で、“パジャマパーティ”をコンセプトにしたにぎやかなステージが繰り広げられた。この記事では有料生配信も実施された2日目公演の模様をレポートする。
えいたそが描いたマンガにメンバーが声を当てたオープニングムービーの上映後、でんぱ組.incはファンシーなパジャマ衣装を着てステージへ。「アイノカタチ」「愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ」をにぎやかにパフォーマンスし、昨年リモートワークで制作された楽曲「なんと!世界公認 引きこもり!」ではえいたその部屋をイメージしたセットのこたつやベッドでくつろぎながら歌声を届けた。ライブ序盤のブロックが終わると、6人はファンと再会できた喜びをあらわにし、「皆さんおひさしぶりです!」「会いたかったぞー!」と会場を見渡しながら思い切り手を振る。成瀬はラストライブ本番を迎えた心境を聞かれ、「楽しくてしかたないな今!」とテンション高く持ち前の笑顔を弾けさせた。
続く「でんぱーりーナイト」の曲中にはえいたそが描いた下書きをもとに、ファンが仕上げたマンガをTwitterで募集する“えいたそ卒業マンガ企画”で集まった作品がスクリーンに映し出される。また「でんぱれーどJAPAN」では、メンバーが「君と繋がる電波のパワーで」という歌詞を「君と繋がるえいたそのパワーで」とアレンジして歌唱。ファンの気持ちを高ぶらせたのち、「檸檬色」を優しく歌い上げた。中盤のMCでは鹿目凛の「でんぱ組.incでの一番の思い出を教えてください」という言葉に、えいたそが「どれも素敵すぎて決められないよ! でんぱ組.incに入ったこと自体が一番の思い出かなって思うよ」と晴れやかな表情で返す。さらに相沢梨紗から「死ぬまで続けていたいことってあるの?」と質問された彼女は、「ずっとステージで歌ってたいなー」と回答。その言葉をきっかけに、メランコリックでメロディアスなナンバー「あした地球がこなごなになっても」がしっとりと響きわたった。
その後、でんぱ組.incはえいたそのラップで始まった「強い気持ち・強い愛」を皮切りに、「サクラあっぱれーしょん」「Future Diver」などの人気曲を連発。根本凪に「やり残したこと、本当にないですか?」と聞かれたえいたそは「みんなにありがとうの感謝の気持ちを伝えたいかな」と切り出し、「アイドルグループに入ることってこんなに幸せなことなんだなって実感することができて、人生がキラキラしてました! 10年8カ月、本当に楽しいことばかりだった!」と少し目を潤ませながらも笑顔で言い切った。そして、5人はでんぱ組.incへの置き土産としてえいたそがヒャダインこと前山田健一と歌詞を共作したナンバー「ポジティブ☆ストーリー」を歌唱。感極まって涙するメンバーもいる中、えいたそによる「人生この先いろいろあると思うけど、私たちなら大丈夫! 笑顔を、忘れないでね! みんな本当にありがとう。もっともっと輝こう!」というポジティブさ全開の言葉が響き、ライブ本編の最後にグループの代表曲「でんでんぱっしょん」がパフォーマンスされた。
アンコール前には、えいたそを送り出したメンバーが楽屋で談笑する音声が流れ始め、その楽屋内に5つの大きな箱があることが明かされる。そして箱を開けた5人が「まさか……新メンバー!?」と驚きの声を挙げると、場内にどよめきが起こった。でんぱ組.incはその新メンバーである愛川こずえ、天沢璃人(RITO、meme tokyo.)、小鳩りあ、空野青空(
ダブルアンコールでは、えいたそを含むこれまでの6人体制のでんぱ組.incが再登場。えいたそが「めちゃくちゃすごくて、面白くて、笑っちゃった!」と10人体制の新生でんぱ組.incの感想を興奮気味に話すと、相沢は「えいたそはでんぱ組.incにずっとずっと続いてほしいと言ってくれていたから、喜んでくれてひと安心しました」と安堵の表情を浮かべた。その後、6人は「ORANGE RIUM」でライブを再開し、オレンジ色のペンライトを振るファンとともに会場に一体感を作り上げる。次のMCではメンバーが藤咲彩音の父親製作によるえいたその銅像、メンバーやスタッフからの寄せ書き、卒業証書を卒業の記念にプレゼント。えいたそは以前より欲しがっていた銅像を前に笑いながらおおはしゃぎし、今度はそのお返しとしてメンバー1人ひとりに宛てた手紙を読み上げた。
アイドルの卒業ライブとしては異例とも言える、ただただ底抜けに明るいメッセージに会場全体が和む中、6人は“えいたその部屋”でまったりとじゃれ合いながら正統派のアイドルソング「キラキラチューン」を歌唱。間奏ではいつもファンが叫んでいる口上がメンバーの口から発せられるという、エモーショナルな演出が展開された。そして、えいたそのでんぱ組.inc人生を締めくくるラストナンバーとして最後に歌われたのは、前向きな春のナンバー「STAR☆ットしちゃうぜ春だしね」。曲の終盤、メンバーはえいたその頭上に紙吹雪を舞わせ、彼女の卒業を笑顔で祝福した。
でんぱ組.inc「ウルトラ☆マキシマム☆ポジティブ☆ストーリー!! ~バビュッといくよ未来にね☆~」2021年2月16日 チームスマイル・豊洲PIT セットリスト
01. アイノカタチ
02. 愛が地球救うんさ!だって
03. なんと!世界公認 引きこもり!
04. でんぱーりーナイト
05. バリ3共和国
06. でんぱれーどJAPAN
07. 檸檬色
08. あした地球がこなごなになっても
09. 強い気持ち・強い愛
10. ギラメタスでんぱスターズ
11. サクラあっぱれーしょん
12. Future Diver
13. ポジティブ☆ストーリー
14. でんでんぱっしょん
<アンコール>
15. プリンセスでんぱパワー!シャインオン!
16. Future Diver
<ダブルアンコール>
17. ORANGE RIUM
18. キラキラチューン
19. STAR☆ットしちゃうぜ春だしね
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成瀬瑛美でんぱ組.incに「ポジティブ☆ストーリー」の置き土産、メンバーは10人体制で未来へ https://t.co/gBuvDaFvgj