昨年、「働き方改楽 -なぜ俺たちは楽しいんだろう-」というスローガンと共に「100周年(再始動10周年+ABEDONが加入し現メンバーとなって初のアルバム『服部』リリースから30周年+川西幸一の生誕60周年)」をテーマに掲げ、メモリアルイヤーを駆け抜けたユニコーン。バンド初の展覧会となるこのイベントでは、さまざまな趣向を凝らした展示で彼らの“100周年”が紐解かれる。なお会場入口では来場特典としてオリジナルフェイスシールドが配布されるので、来場者は会場内で必ず着用を。順番待ちが必要な箇所には足元に「ちょっと待」のサインが貼られているので、ソーシャルディスタンスを保って展示を楽しむことができる。
会場に入るとまず目に飛び込むのは、壁一面に展示された写真家・三浦憲治によるバンドの写真の数々。セレクトはアートディレクターの
続いてのゾーンでは、昨年行われたツアー「百が如く」の全種類の衣装をまとったメンバーのマネキンが来場者をお出迎え。さらにツアーのステージセットの一部や、各メンバーがセレクトした所有楽器も展示されている。このゾーンではライブ開演前に流れていたABEDON制作のBGMが流れているので耳をすませてみよう。同ゾーンではこのほか、「チラーRhythm」のライブ映像を自分だけのオリジナルアングルで視聴できるスイッチャー体験と、「でんでん」のスタジオ録音データを自分好みのバランスで聴くことができるミキサー体験ができる。なおミキサー体験は感染症対策としてヘッドホンを持参した人のみ体験可能となっているため、参加希望者は忘れずに持参を。
そして今回の展示の終盤にお目見えするのは「アルバム『服部』30年&秘蔵品プレイバック」のゾーンだ。ここでは1989年発表のアルバム「服部」の仮タイトルが入った貴重なマスターテープや、2009年の再始動に向けてのプロモーション計画書、極秘の中で進められた再始動後初シングル「WAO!」のミュージックビデオ撮影の舞台裏などが初公開されている。中でもMV監督・板屋宏幸による当時の日記では、「この期に及んでまだ俺達をカッコ良い風に見せようとしてない?」という奥田民生のひと言で、MVの方向性が180°ひっくり返ったという当時の貴重なエピソードが明かされている。
このほか各種1点物となるメンバーのサイン入り額装写真ギャラリーやフォトブース、通販グッズの実物展示も用意されている。額装写真10点は会期中毎日入れ替えられるため、気になる人は足を運んでみては。
内覧会後に取材に応じたメンバー5人。奥田は本展の見どころを「楽器とか本物が並んでいることと、写真ですよね」と言い、「パンフレットなんかで使われていない写真も見れるので、自分的にも懐かしかったり、物珍しかったですね」と感慨深そうな表情を見せる。なお写真のほとんどが、当時はNGになった蔵出しのカットとのことだ。ABEDONは「三浦さんがずっとユニコーンを追いかけてくださってるんだけど、再始動後の写真はフィルムじゃなくデジタルなんで、ものすごい量があって、その中から今回、安齋さんが死に物狂いで選んでくださったんです。でも、さっきお会いしたら写真はまだまだあるって言ってたんで、次はこの写真を電話帳くらい厚みのある写真集にしたいな」とそのボリュームをアピールした。
EBIは「映像のスイッチングができたり、音源のミキシングもできて、体感できるユニコーンの展覧会になってると思います」とにこやかに本展の見どころを紹介。手島いさむは「展覧会をやっていただいたのが初めてなので、不思議な気分ですよね。バンドの規模から考えると、この規模の会場でやるってあまりないので『ちょっとお世話になります!』みたいな気持ちになります。申し訳ないというか、大丈夫ですか?みたいな(笑)。とにかく来てもらうに値するものだと思いますので、ぜひ」と来場を呼びかけ、川西は「レコーディングのときの資料とか、僕らが書いたり使ったりしてるものが展示されていて。そういうのは終わったら大体忘れがちなんですが、展示されていることで『こういうのがあったな』『ああいうこともあったな』と。『ハッタリ』のオーケストラの譜面もあって、『すごいみんなが演奏してくれてたな』というのを思い出して。普段表に出ていない部分も観られるのは楽しいと思いますよ」と感想を語った。
ユニコーン100周年展~百が如く~
2020年11月20日(金)~23日(月・祝)東京都 スペース オー
いちみや忠義 @SUNGUTS
会期が短すぎる…
秘蔵品続々のユニコーン初展覧会がスタート、5人がアピール「ちょっとお世話になります!」 https://t.co/uTcSXR4fF5