真心ブラザーズ30周年ツアー開幕、最初期の楽器で最初期の歌も披露

今年デビュー30周年を迎えた真心ブラザーズが、9月4日に発表したセルフカバーアルバム「トランタン」のリリースツアーを、9月27日と28日の東京・日本青年館2DAYS公演でスタートさせた。

このツアーは公演ごとに、Low Down Roulettes Z、EMOTIONAL ROCKERS、CRAZY BUFFALOES、MB'sという4つのバンドのいずれかがサポートを務める趣向。日本青年館では1日目にLow Down Roulettes Z、2日目にMB'sがYO-KINGや桜井秀俊と共にステージに上がった。

1日目に登場したLow Down Roulettes Zは、ここ数年間メインで真心のバックを務めている伊藤大地（Dr）と岡部晴彦（B）のLow Down Roulettesに、野村卓史（Key）とうつみようこ（Cho）を加えた編成。YO-KINGがイントロや間奏でハープを聴かせる「空にまいあがれ」でライブはスタートし、バンドのコンディションや会場の空気のよさを感じたYO-KINGは、最初のMCで「ありがとう、今日も俺を気分よくしてくれて！ ああー、気持ちいい！」と叫んだ。

この日は「トランタン」の収録曲を中心にしつつ、「トランタン」には入っていないがライブでおなじみの代表曲の数々や、普段なかなか演奏されないレア曲も歌唱。「ラジオで共演したサンボマスターの近藤洋一がこの曲を激賞したのがきっかけでYO-KINGがライブでやりたがるようになった」と桜井が説明して、初期の隠れた名曲も披露された。

最初期のアコースティックな楽曲が並んだ中盤のブロックでは、彼らが出会った早稲田大学の軽音サークル・GECの部室にあったという、弦が5本しかない“部室ギター”を桜井が演奏。、結成のきっかけとなったフジテレビ「パラダイスGoGo!!」の「勝ち抜きフォーク合戦」のコーナーにもこのギターで出たが、誰もそのことを気付かなかったと明かした。またYO-KINGは、事前にInstagramで予告した通り、デビュー時に愛用していたテレキャスターをアンコールで弾いた。

2日目は、ホーン隊を含む10人編成のMB'sを従えてライブを実施。最近は年に1度、MB'sと共に東京・中野サンプラザホールでワンマンライブを行うのが恒例になっているが、それ以外でこの編成でのライブが行われるのは稀だ。1曲目「拝啓、ジョン・レノン」からフルメンバーでのパフォーマンスを繰り広げた彼らだが、8曲目「素晴らしきこの世界」から1人ずつ減っていき、「うみ」「待ち合わせ」はYO-KINGと桜井の2人だけでの弾き語りで披露。14曲目の「突風」で再び10人がステージに戻った。

ライブ前半のMCでは、4種類のバンドで全国を回る前代未聞のツアーであると説明した桜井に対し、奥野真哉（Key）が「ぶっちゃけ、4つのうちでどれがいちばん楽しいですか？」と質問。これにYO-KINGが「ぶっちゃけ俺は、桜井と2人が一番楽しいです」と答え、日本青年館は爆笑に包まれた。

アンコールでは桜井が、地元・神奈川への恩返しとして2020年1月18日に横浜関内ホールでライブイベント「Welcome back, KANAGAWAN! 2020」を行うことを発表。このイベントは神奈川にゆかりのあるアーティストを迎えて行うもので、第1回はゲストとして菅原卓郎（9mm Parabellum Bullet）と関取花が登場する。

なお、この2日間のライブでは真心史上初である“曲の間に撮影してアップしてもOK”コーナーが用意され、1日目は「サティスファクション」、2日目は「どか～ん」で撮影が許可された。さらにアンコールを終えた去り際にも撮影コーナーが設けられ、全員でポーズを取るメンバーに向けられたスマホのシャッター音が日本青年館に響き渡った。