ZOC、Zepp Tokyoで愛と実力と気持ちのすべてぶち込めた活動1周年記念ワンマン

大森靖子率いるアイドルグループ・ZOCが昨日9月9日（ゾックゾックの日）に東京・Zepp Tokyoで初のワンマンライブ「We are ZOC」を行った。

これはグループの活動1周年を記念して開催されたもの。ライブ当日は台風15号の影響も心配されたが、ZOCメンバーのファッションを取り入れた女性客を中心に数多くのファンが集結し、会場は熱気で満たされた。開演時刻の19:30を迎え客電が落ちると、メンバーカラーのサイリウムが彩る会場に香椎かてぃ、兎凪さやか、西井万理那、戦慄かなの、藍染カレン、大森が順に現れる。赤く大きなカーテンとシャンデリアが装飾されたステージにそろった6人はZOCの始まりの曲「ZOC実験室」でライブを開始。キレのあるダンスを見せながら観客と一体となって「ゾックゾック」と叫び、ライブ冒頭から熱狂的な盛り上がりを巻き起こした。

MCでは大森が「ZOCというグループは、ご覧の通り個性が豊かどころではないメンバーを集めて、魅力が削られない、常識にとらわれない面白い世界を作っていこうということで結成し、1年間活動してまいりました。今日はその愛や実力や気持ちのすべてをステージにぶち込めてまいりますので目に焼き付けてください」と挨拶。香椎が「声出せるかー？」と観客を煽ると6人は「IDOL SONG」「イミテーションガール」「チュープリ」を立て続けに披露し、会場をどんどんヒートアップさせていった。「エロ天下一武道会」をイメージして香椎が原宿でコーディネートしたという新衣装やZOCメンバーの炎上についての笑いあふれるトークからZOCはEDM調の新曲「断捨離彼氏」を初披露。ステージ後方の画面にはミュージックビデオが流れ、妖艶な雰囲気でパンツを手で回す戦慄が写ると黄色い歓声が沸き起こった。

ライブ中盤には、メンバーそれぞれが大森の書き下ろしたソロ曲を披露。戦慄はキュートでかわいらしい「moreきゅん奴隷」をメリハリのあるダンスと共に披露し、戦慄がZOCのエースと語った藍染はアダルトで昭和歌謡的なダンスポップ曲「紅のクオリア」を表現力豊かにパフォーマンスする。西井は大森が鬱になりながら作り上げたというソロ曲「それな！人生PARTY」を明るく歌いながらカラーボールを客席へ投げ込み、兎凪はエレクトロ調のポップな「愛モード」で観客を沸かせた。そして香椎が大森の楽曲を彷彿とさせる「仮定少女」を力強く歌い上げると、最後は大森が「非国民的ヒーロー」で観客を圧倒した。

衣装を変えて再びステージに集結した6人は「ピンクメトセラ」「draw（A）drow」を続けてパフォーマンス。MCでは戦慄の遅刻癖についてメンバーが和気あいあいと語り、戦慄が初めて遅刻について謝ると拍手で会場が包まれた。その後1stシングル曲「family name」でこの日一番の盛り上がりを生み出したZOCは、新曲「A INNOCENCE」を観客にじっくりと聴かせてステージをあとにした。

アンコールでは、Tシャツに着替えて再び登場した6人がそれぞれ思いを語った。藍染は「こんなこと言ったら笑われちゃうかもしれないんですけど、『family name』を歌っているとき、私たちも、この会場も、ここにあるすべてがひとつになった気がして、本当に世界一幸せだなって思いました。今日は本当にありがとうございました」と観客に感謝。続く兎凪は「一時期、こんな最強なメンバーの中に私がいて大丈夫かなと、ステージに立つのもすごく怖くなっちゃうこともあって。いつも支えてくれるスタッフさんや運営さん、寄り添ってくれる友達や、さやかはZOCに必要だよって言ってくれるメンバー、今ここにいてくれるファンの皆さん、来れなかった皆さんも全員のおかげです。さやかをZOCでいさせてくれて本当にありがとうございます」と思いを打ち明けた。

西井は「またこんなに大きなステージでワンマンライブができるって本当に思っていなかったし、前のグループでやっていることと全然種類が違うけど、ついてきてくれる人がいることや、お金ももらえるし、本当にいい環境にいれて幸せだと思っています。靖子ちゃんがZOCに誘ってくれて人生が楽しいし、潤っています。ありがとうございます」と涙ながらにコメント。香椎は「ZOCになって夢を実現する１年になりました。中学校2年生の頃からアイドルになりたくて、今その景色が見れているのがすごくうれしいです。カレンが家から出てきてくれたのも、かなのが少年院から出てきてくれたのも、にっちゃんが生ハムをやめてくれたのも、さやぴが女子大生でなんとなくいるのも、YouTubeで『ゆめかわいい』って検索して靖子ちゃんの曲に会ったのもなんかの運命で」と話して笑いを起こしつつ、「ZOCというアイドルグループをやれているのが今人生で一番幸せです。これからも皆さんと一緒に大きいステージでいろんなことを見ていきたいです。付いてきてください」とファンに呼びかけた。

戦慄は「いろいろ勘違いされることも多くて、みんなの前ではしれっとしていたんですけど、ライブに出るのがすごく怖くて。ZOCのみんなががんばっている姿や、応援してくれる人の顔を見たら楽しくて脳みそトロトロになって、今が一番幸せと思えるようになりました。これまで、そんなこと一度たりともなくて、もう就職もできないしどうしよう、人生終わったと何回も思って。そんなとき靖子ちゃんが声をかけてくれて。私にとってのアイドルはZOCだし、私は今ZOCで精一杯必死でがんばっています。これからもZOCをよろしくお願いします」と力強く語った。

最後に大森は「ZOCのメンバーの名前には、ステージに立つときの特別な苗字があって、新しい苗字を背負って歌っていることは重いと思っています。『family name』という曲は私が作りましたが、私の曲では数少ない神様がくださった曲です。みんな新しい苗字を名乗れとまでは言わないけど、新しい居場所は自分でつかめるものだし、誰に理解されなくても自分だけの幸せです。30歳になって（アイドルを）始めるのは普通じゃないし、自分ではカッコいいと思っていても言われちゃったりするけど、自分の幸せは自分にしかわからないし、自分の人生をこれからも歌っていくための曲を1曲1曲大切に作っていってステージで見せていくことによって、あなたもあなたの人生を美しく生きられるようにと本当に願って、これからも6人での活動をがんばっていこうと思います」と熱弁。最後に6人は横並びとなって「family name」をアカペラで歌唱して観客の心を揺さぶると、客席に深く頭を下げてグループ初のワンマンライブに幕を下ろした。