「BULLET TRAIN SPRING / SUMMER TOUR 2019 EUPHORIA ~Breakthrough, The Six Brave Stars~」は4月に開幕した、超特急にとって過去最大規模となった全国ツアー。各地で合わせて33公演が行われ、約10万人を動員した。
開演前には囲み取材が行われ、カイ、リョウガ、タクヤ、ユーキ、タカシの5人はツアーファイナルを目前に控えた今の心境をそれぞれに語った。この日のライブは、台風10号によるフェリー欠航の影響で舞台セットなどの機材が搬入できず、演出や舞台構成が変更となることが事前にアナウンスされていた。これについて「全国開通を達成するファイナルなので、内容は少し変わってしまうかもしれないけれど、今まで以上により良いライブを見せようとみんなで考えました。逆にワクワクしています」と語ったのはカイ。ステージはシンプルながら、カラフルな浮き輪がスタッフの手によって無数に飾り付けられ、これを見たユーキは「最初はセットも山台もない素舞台だっていう話だったんで、今日来てみたら『まさかこんなに作ってくださるなんて!』と、スタッフさんの愛を感じました。もう、やってやろう!っていう気持ちしかない」と感謝の思いと気合いを言葉ににじませる。
またユースケがツアー期間中に休養に入ったことから、5人で全国開通のステージに立つことについては、ユーキが「最初は不安だったけれど、メンバー全員で助け合って、何よりも8号車という最高の味方がいたから、だんだん楽しくなっていって。ステージに立って存在を証明し続けたいなという気持ちが強くなって、それがだんだん自信にもなっていった」と語った。公演に際し、ユースケからは「がんばって」というメッセージが届いたという。カイは「いざ5人でライブをしてみたらユースケ推しの黄色いペンライトやTシャツもすごくたくさん見えて、すごく幸せだなと思った。ユースケが8号車の皆さんにたくさん愛を叫んで与えていたぶん、ユースケ推しの8号車の方が今、5人の僕たちに対して愛を還元してくれているんだなって、すごく愛を感じるツアー後半になっています」と思いを明かす。タカシは「この会場の外まで飛ばしていくような気持ちで臨んで、全国の8号車やユースケにも僕の歌声を、愛をまんべんなく届けていきたい」と、ボーカリストとしての強い意気込みを言葉にしていた。
期待と気合いのみなぎる約1700人の8号車(超特急ファンの呼称)が待つ会場に、5人は南国ムード満点のアロハシャツ姿で登場した。タクヤが「ここ沖縄がファイナルだ! 今までもたくさんのことを俺たちは乗り越えてきた! だから今日ここでも、お前らと一緒に乗り越えていきたい! 最高の日にしようぜ! 行くぜ、沖縄!」と叫び、ライブは「超えてアバンチュール」でスタート。5人は初っ端から振り切れたテンションで8号車を煽り、カラフルなペンライトを手にした8号車も負けずに応戦して場内は一瞬にして熱狂の様相に。キャッチーなダンスが特長のアッパーチューン「SAY NO」ではユースケが担当している“鬼教官”の役をタクヤが務め上げ、メンバーに向かってワイルドなキックやパンチを“お見舞い”していた。
MCでは、スタッフの思いがこもったステージデコレーションを指したタクヤが「この浮き輪が沖縄感を前面に出してる!」と語った。また、リーダーのリョウガは普段は設置されている大型ビジョンがないことを気遣い「そこらへんは僕たちの気持ちで補って『あれ? 目の前にいるんじゃん?』ってくらい最高のライブにしていこうと思ってるから」と後方の座席の8号車にも約束する。
カイが「今日はいろんな意味で熱くなる日だと思うんで、僕たちと一緒に楽しむ準備できてますか!」と呼びかけると、夏の定番曲「Summer love」へ。するとここでステージ奥と客席側面のカーテンが開き、8号車の眼前には海と空の広がる南国の光景が飛び込んできた。ロケーションを最大限に生かした粋な演出に会場は大いに盛り上がり、麦わら帽子に虫取り網、シュノーケル、水鉄砲といったアイテムを身に付けたメンバーも楽しそうにステージ、さらには客席を駆け、サイン入りのビーチボールを次々に8号車へと届けていく。持っていた浮き輪を置いて「Make it hot!」からメドレーになだれ込むと、「OVER DRIVE」では曲を高らかに歌い上げるタカシの姿をまぶしい太陽の光が照らし出した。
メドレーのあとには、ツアーファイナルの沖縄公演ならではのシーンも8号車を笑顔にした。リョウガが「沖縄といえば思い出すんだよね。『GOLDEN BATTLE』ですよ!」と、2018年11月リリースの3rdアルバム「GOLDEN EPOCH」でメンバーが2つのユニットに分かれてオリジナル曲を発表した企画「GOLDEN BATTLE」を振り返る。そして、このバトルに勝利したカイ、リョウガ、ユーキによる「シーサー☆ボーイズ」が、沖縄民謡を取り入れたユニット曲「インオキナワ」を披露することに。別ユニットの座・武士道メンバーであるタクヤとタカシは山台の左右でシーサー役を務めつつ、こっそりとサビを踊ってみせる。カイ、リョウガ、ユーキは太鼓を手にエイサーを踊りながらこの曲を歌い届け、シーサー☆ボーイズの“凱旋ライブ”を楽しんでいた。
ライブも後半に差し掛かったところで今回のツアーのテーマ曲「Hey Hey Hey」がドロップされると、タカシは「まさにここが“ラスフォリア”!」と歌詞を歌い替え。「ラスト」と「EUPHORIA」を合わせた8号車発信のワードでツアーファイナルを祝う楽しいアドリブで、オーディエンスを一層盛り上げる。重低音のダンスビートに乗り、5人がエネルギッシュに体を弾ませる「コーシエンノイ」(タイ語が正式表記)からラストスパートに突入すると、「My Buddy」ではタカシとユーキが投げキッスで客席に思いを届けた。さらに「浮つきWAVES」で2階席と3階席に飛び出したメンバーは、客席をくまなく回りながらサインボールを8号車にプレゼント。続く「Burn!」で1階席に降り、両手を大きくクロスさせるダンスを通路で踊って大きな一体感を作り上げていた。そして本編の最後に披露されたのは「You know, I know」。「一言にするなら 君がいる それだけで毎日がキセキ」と未来への希望を優しく歌い上げるこの曲を8号車に送り、ユーキは「ファイナルをここ沖縄で迎えられることを本当に感謝しています。これからも一緒に笑顔になっていこうね!」と思い切り叫んだ。
アンコールはカイの「全国制覇達成しました。これからも一緒に旅を続けていきましょう」という言葉から「gr8est journey」でスタートした。この曲を終えると、5人はそれぞれの思いを8号車に伝えていく。「この沖縄公演、一時はどうなってしまうんだろうな?って思ってしまうときもあったんですけど、ここでしかできないスペシャルライブができて、本当に思い出に残るライブになったなと思います」と口にしたタカシは「次、ユースケが戻ってきたときはもっと最高な、もっと完璧な、もっと幸せがあふれるようなライブにしたい。今回は完璧になるのはまだ早いんちゃうんか?って神様が言ってるような気がするんで、また6人で沖縄に戻ってきます」と約束。そしてユーキは「いろんなことがあったよ! でも、無事こうして沖縄でライブができて、ちょっと複雑な気持ちの人もいるかもしれないけど、みんなと目と目を合わせてライブができたことに、ホントに感謝しかない。このラストスパート、ユースケにも届けて、笑顔あふれる未来に向かって突き進んでいきましょう!」と、長く決して平坦ではなかった全国開通までの道のりを振り返りながら、あふれる思いを言葉に変えた。
「超特急です!!!!!!!!」で8号車は一丸となって大きなコールを飛ばし、ユーキが「ファイナルにしてここで灰になる、そんな感じでした!」と言って緞帳が降りても場内の熱気は冷めやらず。「超特急!」という声に応えて、超特急はダブルアンコールのステージに上がった。ユースケの顔が大きくプリントされた黄色いTシャツ姿の5人は「Party Maker」を投下。タカシは「今、このときしかない。行くぞ!」と叫び、ダンサーの先陣を切って暴れ回る。思い思いのパフォーマンスで持ちうるエネルギーをすべて放出し、ツアー完走のゴールテープを切った5人。タカシは最後に「マジでみんな愛してるぞ!」と8号車に伝え、ステージをあとにした。
超特急「BULLET TRAIN SPRING / SUMMER TOUR 2019 EUPHORIA ~Breakthrough, The Six Brave Stars~」2019年8月17日 沖縄コンベンションセンター セットリスト
01. 超えてアバンチュール
02. SAY NO
03. Booster
04. Kiss Me Baby
05. Pretty Girl
06. Summer love
07. Make it hot!~up to you~超越マイウェイ~OVER DRIVE~Shake body~Drive on week~Secret Express~Fashion
08. インオキナワ / シーサー☆ボーイズ
09. We Can Do It!
10. Billion Beats
11. No.1
12. Hey Hey Hey
13. コーシエンノイ(タイ語が正式表記)
14. My Buddy
15. Believe×Believe
16. 浮つきWAVES
17. Burn!
18. You know, I know
<アンコール>
19. gr8est journey
20. fanfare
21. 超特急です!!!!!!!!
<ダブルアンコール>
22. Party Maker
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超特急、逆境越えてかなえた“全国開通”南国の光差すステージの上「また6人で沖縄に」 - 音楽ナタリー
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