Suchmos、6人で迎えた万感アリーナツアー千秋楽で新たな旅への出帆誓う

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Suchmos初のアリーナツアー「Suchmos ARENA TOUR 2019」が昨日7月15日に福岡・福岡国際センターにてファイナルを迎えた。

Suchmos(Photo by Shohei Maekawa)

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Suchmos「Suchmos ARENA TOUR 2019」福岡国際センター公演の様子。(Photo by Shohei Maekawa)

Suchmos「Suchmos ARENA TOUR 2019」福岡国際センター公演の様子。(Photo by Shohei Maekawa)[拡大]

当初、今回のツアーは5月に兵庫・ワールド記念ホールで千秋楽を迎える予定だったが、HSU(B)の入院を受け一部公演が中止に。その後、HSUの腫瘍摘出手術および復帰を経て、約2カ月遅れで福岡公演が行われた。メンバーそろってのツアーファイナルの模様はLINE LIVEでも生配信され、全国のファンがその模様を見届けた。

スピーカーからさまざまな動物の鳴き声が流れる中、ライブはステージにメンバー全員のシルエットが浮かぶ演出でスタート。YONCE(Vo)がバンドを代表するように恭しく一礼をしたのに続き、TAIHEI(Key)の弾くきらびやかな音色を合図に「In The Zoo」が届けられた。YONCEは、HSUとOK(Dr)の作り出す重厚なグルーヴに身を委ねるように、ギターをつま弾きながら歌い上げ、幽玄な楽曲の世界に観客を誘った。曲のクライマックスでは6人が奏でる音が渾然一体となって客席を飲み込んだ。

Suchmos「Suchmos ARENA TOUR 2019」福岡国際センター公演の様子。(Photo by Shohei Maekawa)

Suchmos「Suchmos ARENA TOUR 2019」福岡国際センター公演の様子。(Photo by Shohei Maekawa)[拡大]

オープニングナンバーの余韻を引き継ぐように、OKが刻むトライバルなリズムから「ROLL CALL」へ。YONCEは「福岡、ただいま!」と喜びをにじませた声で挨拶し、TAIKING(G)とKCEE(DJ)が奏でるエッジの効いたギターサウンドに歌声を絡ませた。続いてサイレンのようなひりついたギターサウンドが鳴り「VOLT-AGE」がスタート。するとステージ後ろを覆っていた幕が上がり、巨大なLEDにメンバーの姿が大きく映し出された。HSUが鼓動にも似たビートを奏でると、YONCEは左手を胸に当てながらその歌声を会場いっぱいに響かせた。

「いろいろ心配かけましたが、戻ってこれてよかったです」と安堵したようなYONCEの言葉に続いたのは清涼感あふれる「MINT」。さらにヒートアップした会場をクールダウンさせるように、メンバーはAOR的なアプローチを聴かせるミディアムチューン「WHY」を届けた。しかし、YONCEの「新曲です!」というユーモアを交えた紹介に続き、KCEEの軽妙なスクラッチから「STAY TUNE」が始まると場内の空気は再び熱気を帯びていく。スクリーンには息を合わせるように真剣な表情で音を重ねていく6人の姿が交互に映し出され、オーディエンスの視線を奪った。なお今回のツアーでは、特効や派手な演出を控え、曲の世界やバンドの演奏を引き立てるような構成でオーディエンスを魅せたSuchmos。例えばOKの叩くスパイラルスタッカーやTAIKINGが弾くオリエンタルなフレーズ、TAIHEIの奏でるドリーミーな音色が溶け合った「You Blue I」では無数の電飾を灯らせて星空のような景色を作り出し、「Burn」では真っ赤なスクリーンに映像を投影して刺激的なサウンドを彩った。

TAIKING(G)(Photo by Shohei Maekawa)

TAIKING(G)(Photo by Shohei Maekawa)[拡大]

後半はYONCEの歌とTAIKINGが弾くスパニッシュギターの掛け合いが繰り広げられる「ROMA」や、ソウルフルな「Hit Me, Thunder」といったディープな楽曲が続く展開に。中でも観客を圧倒したのは組曲的な「Indigo Blues」だった。フィルムで撮影したようなザラついた映像をバックに、まずはYONCEがつぶやくように歌い始め、そこに鋭いカッティングギターやグルーヴィなベースが徐々に重なりサイケデリックな音像が描き出される。ラストでは6人それぞれの歌声が重なり、高揚した空気が会場を満たした。ライブの定番曲「A.G.I.T」を経て、「YMM」で本編は佳境へ。この曲の途中ではHSUがステージの前方に躍り出る場面があり、彼はYONCEと一緒に軽やかなリズムに合わせてステップを踏み復活を印象付けた。

Suchmos「Suchmos ARENA TOUR 2019」福岡国際センター公演の様子。(Photo by Shohei Maekawa)

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鳴り止まないアンコールに呼ばれて戻ってきた6人は、海辺に佇む会場にぴったりな「WATER」をパフォーマンス。曲が終わると余韻に浸るようにYONCEは一瞬天井を仰ぎ、「アンコールありがとう」とつぶやく。そして「9月のハマスタが終わったら次の旅への準備です」と述べ、自分たちを支えてくれたスタッフへの感謝の思いを口にした。彼の「堅苦しいのは似合わないから……やろう。いつもありがとう。あなたのおかげでこのステージに立ててます。またどこかで会いましょう。明日から皆さんが悠々自適に生きていけますように」という言葉に続いて始まったのは「Life Easy」。リラックスしたバンドのアンサンブルと伸びやかなボーカルが溶け合いながら全方位に広がった。2時間半におよぶライブを終えたあと、6人は花道へ。肩を組みながら満面の笑みを浮かべ、一礼をしてライブに終わりを告げた。

なおApple MusicおよびSpotifyでは、昨日の公演のセットリストをもとにしたプレイリストを公開中。

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Suchmos「Suchmos ARENA TOUR 2019」2019年7月15日 福岡国際センター セットリスト

01. In The Zoo
02. ROLL CALL
03. VOLT-AGE
04. MINT
05. WHY
06. STAY TUNE
07. You Blue I
08. Burn
09. ROMA
10. Hit Me, Thunder
11. OVERSTAND
12. Indigo Blues
13. A.G.I.T
14. YMM
<アンコール>
15. WATER
16. Life Easy

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もげたん。 @MickeySoCool

【ライブレポート】Suchmos、6人で迎えた万感アリーナツアー千秋楽で新たな旅への出帆誓う 音楽ナタリー https://t.co/8m93e9wkMB
やっぱり新潟とセトリ一緒だったからネタバレしなくて良かった(自分で言うな https://t.co/SkRND38JNM

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