全国4カ所で6公演が行われ、約1万5000人を動員したこのツアーは、企画コーナーやライブ構成、演出をメンバーそれぞれが1公演ずつプロデュースするという形で実施された。ツアーファイナルのプロデュースを担当したのは4号車のタクヤ。開演が近付くと彼が担当する影アナが会場に響き、言い慣れない注意事項を「はあ……」と息継ぎしながら懸命に伝える声に、場内のムードも自然と高まっていく。
開演時刻ぴったりにイベントがスタートすると、リョウガがプロデュースしたピンク色のジャージのセットアップを着た6人が8号車(超特急ファンの呼称)の前に姿を見せた。最初の企画コーナーでタクヤが用意したのは「FC限定グッズ考案会」。これはタクヤいわく「メンバーが普段こんな感じでグッズを考えているんだ、という風景を8号車に公開するもの」で、ここで考案されたグッズは、後日実際にFC会員限定で販売される。タクヤ司会のもと、残る5人は8号車からのアンケートで集めたアイデアをベースにグッズのデザインを考えていった。
メンバーはまず「2WAYトートバッグ」のデザインに取りかかることに。「2WAYって何……?」と困惑するユーキ、サラサラとデッサンを始めるカイ、とスケッチブックに向かう姿にも個性が滲み、中でも黙り込むリョウガの姿にはタクヤが「いつもこんな感じなの! 隅のほうで居残りしてる」と笑いながらファンに説明。作業中には8号車が飽きないようにとQ&Aコーナーも同時進行で行われ、「犬と猫、どっち派ですか?」という質問にカイが「俺ハムスター!」と答えるなどステージ上には終始自由な空気が充満していた。
「無人島にメンバーを1人だけ連れていけるなら?」という問いがタクヤから投げかけられると、カイは「絶対にリョウガ! (食が細いから)食糧少なくて済むし、『このキノコはヤバい』みたいな知識もありそう」と即答。ユースケはタクヤを指名して「本気になったとき、タクヤは俊敏な武井壮さんみたいになると思う」と期待を寄せ、これにタクヤは「じゃあ、カメラ1台持って2人で行こうか」とうれしそうに応じた。そしてアイデア披露の時間になり、リョウガが「今って、プライバシーを取っ払ったような透明なバッグが流行ってるんでしょ? これは革命ですよ」と見せたのは、ライブ中に水分補給ができるという大きな瓶型のリュックのデザイン画。続いてユーキは、自身が考案した「男祭り」のキャラ・押忍雄男くんの“進化形”だという「押忍雄男レボリューション」のぬいぐるみが付いたリュックのアイデアを披露する。常識を超越したグッズ案の数々に、タクヤは「短時間で個性がめちゃくちゃ出てる(笑)」と声を弾ませた。
次に6人が考えたのは「爪切り」のグッズデザインで、ここではイラストが得意なカイが「ユースケは食いしん坊だから」と説明しながら、まるで爪を“食べる”ようにユースケの顔のイラストを配した「つめをきりスケ」を考案する。ユースケは「こんなコールがあったらいいなと思っているんです。『神秘、ガリガリ、筋肉、ドジっ子、元気、末っ子、8号車』」と6人の担当のフレーズを並べた新しいコールのアイデアを明かしながら、各担当をアイコン化して爪切りの表面に落とし込んだ絵を披露した。
そして最後にメンバーがチャレンジした「ティッシュケース」のデザインでは、これまでにキャッチーなデザインを連発しタクヤの絶賛を受けていたタカシが、メンバーの顔のアップ写真を側面に使う“鼻セレブ風”ケースを考案し、タクヤのみならず8号車からも大きな喝采を集めた。そしてユースケは「イモムシ大好き!」とかわいらしいタッチのイモムシ型ケース、リョウガは切符を入れるとティッシュが出てくるという高性能な改札型のケース、カイは超特急のロゴを立体化させたケース、ユーキは「ユースケのアイデアとつながった」とチョウチョ型ケースのアイデアをそれぞれ披露する。5人が最後までにぎやかに個性を爆発させた「グッズ考案会」を終えると、タクヤは「僕も後日ちゃんと考えるので。FCツアーを無事に終えられたという感謝の気持ちを込めてお届けできたらと思います」と企画コーナーを結んだ。
イベント後半のライブパートも、タクヤが決めたセットリストで進行した。彼がセンターを張るオリエンタルなダンスナンバー「PUMP ME UP」でライブがスタートすると、6色のカラフルなレーザーが会場に飛び交う中、6人はキレのあるパラパラを踊る。タクヤを筆頭とするダンサーの5人は終始静かな表情をキープしつつ、キメのタイミングでは思い切り破顔して大きなインパクトを与え、ボーカルのタカシは「平成最後の“爆発や”!」と、ツアータイトルに絡めた替え歌でフロアを盛り上げた。続く「Booster」では攻撃的なラップを叩き付ける6人のクールな姿が次々とビジョンに抜かれ、8号車の歓声も一層熱を帯びていく。ここで3曲目に届けられたのは、ひさびさの披露となる「DJ Dominator」。イントロの時点で8号車から大きな声が上がったこの曲で、リョウガは「最後まで楽しんでいこう!」と呼びかける。グルーヴィなサウンドに身をゆだねる6人は、腰を落としたマニッシュなダンスでファンを魅了。タクヤは衣装のフードが顔を覆ってしまったのもそのままに、楽曲に没頭するように身体を揺らしていた。
6人のクールな側面を全面に打ち出した3曲を終えるとMCへ。前半の企画コーナーについてリーダーのリョウガから感想を求められると、タクヤは「なかなかない機会だったと思います」と充実感をにじませる。またリョウガはここで、タクヤがQ&Aコーナーで回答を拒否した「最近タクヤくんの“ツン”が減って、“デレ”が増えた気がします」という8号車からの意見をぶり返し、タクヤは「自分では“ツン”も“デレ”もよくわかんないから!(笑)」と照れ笑い。するとユーキが「反抗期だったんだよね。今は弟のNAOYA(EBiSSH、ONE N' ONLY)が反抗期なんでしょ?」と笑いながら問いかけ、タクヤから「もう(NAOYAも)20歳超えてるから!(笑)」とツッコミを受けていた。
カイが「僕たちと1つになる準備できてますか?」と8号車に問いかけると、ライブパートも折り返し。続いて披露された「Synchronism」ではタカシの叙情的なボーカルに乗せ、ダンサーが豊かに表情を付けたダンスで楽曲のドラマティックな世界観を立体的に描き出した。大サビでは8号車もメンバーと手振りを“シンクロ”させ、場内は大きな一体感に包まれる。温かなムードの中で「fanfare」が続くと、ここではタカシが「ありふれた日常が……今、ここにいる皆さんがずっと幸せでいられますように!」と曲中に思いをぶつける。晴れやかなサウンドに乗り、タクヤが「一緒にやって、声も出して!」と叫ぶと、8号車はメンバーと一緒にコーラスを歌いながら楽しそうにペンライトを振った。
男らしくロマンティックなタクヤのパーソナリティがにじむ5曲を終え、彼がラストナンバーに選んだのは、ユースケが作詞作曲を手がけた超アッパーな「超特急です!!!!!!!!」。ステージのセンターに立ったユースケが「平成最後の大爆発、楽しんでますか!? 最後だぞ!!」と呼びかけると、8号車は大きな歓声でこれに応えた。するとユースケは「その声が力になってきた、ギラギラ燃えてきた……!」と拳を握る。この言葉を合図に、6人は「速攻魔法発動! バーサーカーソウル!!」(カイ)、「さらに速攻魔法発動、バーサーカーソウル!!」(リョウガ)、「結局言いたいのは、お前らが好きってことだ!」(タクヤ)、「赤い炎はお前を愛する印……!」(ユーキ)、「Peace of LOVE、カレーライス!」(ユースケ)、「純白な心で8号車を守るで!」(タカシ)と、順にヒーロー風に名乗りを上げ「ギラギラ戦隊、超トッキュウジャー!!」と声を合わせた。“無敵のヒーロー”と化した彼らは叫び声を上げながら舞台上を縦横無尽に巡り、持ちうる力をすべて出し切るようなパフォーマンスでこの曲を駆け抜けてみせた。
ツアータイトルに違わぬ“大爆発”でパフォーマンスを終えた6人は「ハア……ハア……ありがとうございます……」と、息も絶え絶えに最後の挨拶に立つ。リョウガは「皆さん悔いのないように楽しむことができましたか? 僕らも悔いなく終わることができました!」と言い、タカシは「自分のやってみたいこと、好きなことを、このツアーを通してやることができて。こうやって考えを共有できるっていいなって思いました」とツアーを振り返った。そしてタクヤは「実は、公演を1人ずつプロデュースしようって言い出したのは僕なんです。じゃんけんでツアーファイナルの担当になっちゃってプレッシャーもあったんですけど(笑)、ファンクラブの8号車と超特急、こうして思い出が1つできたのですごくよかったなと思います」と思いを明かした。たくさんの8号車と超特急がスペシャルな思い出を作ったツアーは、タクヤの「引き続き、超特急の応援よろしくお願いします!」という言葉で終幕。6人は最後まで晴れやかな笑顔を8号車に向けながら、会場をあとにした。
超特急「FUN!FUN!ふぁんみーてぃんぐ2019 平成最後の大爆発!!!!!!!」3月28日 Zepp DiverCity TOKYO セットリスト
01. PUMP ME UP
02. Booster
03. DJ Dominator
04. Synchronism
05. fanfare
06. 超特急です!!!!!!!!
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あと2019年FCツアーでのリョウガくん考案のグッズ最高にトラウマなのでまたグッズプロデュースして欲しい
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