このツアーはサイダーガールが昨年11月にリリースした2ndアルバム「SODA POP FANCLUB 2」を携え、2月から全国11カ所で行ってきたもの。全公演にサポートメンバーとして細川千弘(Dr)が帯同し、4人編成でパワフルなライブを展開させた。
ステージ上のスクリーンに投影されたサイダーの映像をバックに、にこやかにステージに登場したメンバーは「アクセル」でライブをスタートさせる。オーディエンスは手拍子などを繰り出しながら、続く「メッセンジャー」「エバーグリーン」といった疾走感あふれる楽曲を全身で楽しんでいた。Yurin(Vo, G)の「ツアーは本当にあっという間で、今日が最後だと思うとすげー寂しいけど、みんなでいい夜にしていけたらと思っています」という挨拶を挟み、バンドは「パレット」「ぜったいぜつめい」「サテライト」「スーパーノヴァ」とアルバム収録曲を披露していく。
ライブの幕間には車移動中のメンバーを撮影したVTRが上映され、ツアータイトルにちなみ宇宙船内という設定で交わされる3人の緩いトークにフロアが笑い声に包まれるひと幕も。映像が終わるとフジムラ(B)の「東京の皆さん、おなか一杯になる曲を持ってきました! 体揺らして行きましょう」という紹介で、バンドはダンサブルな「化物」をパフォーマンスした。Yurinが叫ぶように歌唱した「橙の行方」、切ない歌詞の「最終電車」をエモーショナルに届けた3人は、次曲に差しかかろうとしたところでパソコンの不具合により一時ライブを中断する事態に見舞われる。知(G)が「次の曲もすごく大事な曲なので皆さんにちゃんと聴いてほしくて、直るまで少し時間をください」と説明し、復旧までの間に急きょYurinと2人で「群青」をアコースティックで披露することに。Yurinは「まさかフルサイズで歌うことになるとは……」とトラブルに苦笑いを浮かべたが、その後PCが無事復旧すると、3人は安堵の表情を浮かべて「dialogue」を丁寧に届けた。
ライブが佳境に迫ったところでYurinが「我々サイダーガール、最後まで我々らしく駆け抜けて行きます!」と叫ぶと会場の熱気はさらにヒートアップ。バンドがアッパーな「オーバードライブ」「しょうがないよな」を畳みかけると客席もステージ上も興奮は最高潮に達した。このツアーで声が出なくなった時期があったというYurinは悔しさをにじませながら「本当にみんなに助けてもらったツアーでした」と思いを吐露し、「みんなにも歌ってほしい」と「約束」を熱唱して本編を終えた。
アンコールの声に応えて再びステージに登場したサイダーガールは、アルバム収録曲の中で残り1曲となった「スパイス」を演奏。フジムラはベースを鍵盤ハーモニカに持ち替え、軽妙なサウンドを加えていた。最後に彼らはノリのいい「メランコリー」「リバーシブル」「NO.2」でひとしきりフロアを熱狂させ、ツアーの幕を下ろした。
サイダーガール「サイダーガール TOUR2019 サイダーのゆくえ -SPACESHIP IN MY CIDER- FINAL」2019年3月24日 Zepp DiverCity Tokyo セットリスト
01. アクセル
02. メッセンジャー
03. エバーグリーン
04. パレット
05. ぜったいぜつめい
06. サテライト
07. スーパーノヴァ
08. 化物
09. なまけもの
10. ミスターデイドリーマー
11. ドラマチック
12. 橙の行方
13. 最終電車
14. 群青
15. dialogue
16. オーバードライブ
17. しょうがないよな
18. モラトリアムさん
19. 約束
<アンコール>
20. スパイス
21. メランコリー
22. リバーシブル
23. NO.2
リンク
- サイダーガール オフィシャルサイト
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
音楽ナタリー @natalie_mu
【ライブレポート】サイダーガール、自分たちらしく駆け抜けた初ワンマンツアーZeppファイナル
https://t.co/1U473dzhup
#サイダガ https://t.co/kzNEAQHJhN