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G-FREAK FACTORY主催「山人音楽祭」3.5年目突入!熱狂の2DAYS

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G-FREAK FACTORYのライブの様子。(Photo by HayachiN)

G-FREAK FACTORYのライブの様子。(Photo by HayachiN)

G-FREAK FACTORY主催のライブイベント「山人音楽祭 2018」が9月22、23日に群馬・ヤマダグリーンドーム前橋で行われた。

初の2DAYS開催となった今年はG-FREAK FACTORYを含め全37組が、屋内の赤城ステージと榛名ステージ、野外の妙義ステージの計3ステージで熱演を繰り広げた。また2日目の妙義ステージでは毎年恒例となっているフリースタイルラップを競うイベント「山人MCバトル」も行われ、会場内は室内、屋外共に終日大盛り上がりとなった。この記事では赤城ステージの模様を中心にレポートする。

9月22日

群馬県のラッパー・NAIKA MCのフリースタイルによる開会宣言のあと、イベントの幕を開けたのは初の赤城ステージ登場となるヤバイTシャツ屋さん。彼らは「あつまれ!パーティーピーポー」「鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック」といった人気曲で場内に一体感を生み出したあと、「朝イチのヤバイTシャツ屋さんは?」「正直キツイ」といった自虐的なコール&レスポンスで観客の笑いを誘う。その後3年連続で「山人音楽祭」に出演したことにちなみ、3年前によくライブでやっていたという「ウェイウェイ大学生」や、G-FREAK FACTORYの原田季征(G)に「サビのコードがいい」と褒められたという「ネコ飼いたい」など「山人音楽祭」にまつわるナンバーをプレイしていった。

G-FREAK FACTORYとは同世代でありながら、対バンは今年が初で、「山人音楽祭」にも今回が初出演となるTHE BACK HORNは「声」「シンフォニア」などで会場を激情的に彩る。「美しい名前」を優しく歌い上げたあと山田将司(Vo)は、前日にG-FREAK FACTORYの茂木洋晃(Vo)と群馬県内をドライブしたエピソードを明かし、「G-FREAK FACTORYがなんであんなに優しいのか、なぜあんな音楽を鳴らすのかが、すべてつながった」と群馬への印象を穏やかに語った。彼らの直後に榛名ステージで行われた四星球のステージでは2日間を通して出演のないMAN WITH A MISSIONのTokyo Tanaka(Vo)がなぜか乱入したかと思えば、茂木もステージに飛び出すなど、奇想天外なパフォーマンスで場内の笑いを誘いつつも、北島康雄(Vo)は「茂木さんみたいにこの国のことを考えたMCはできないけど、僕たちは平和を絵に描いたようなバンドでしょ?」と主催者との共通点を探り、感動的なムードを生み出した。

続いて赤城ステージに登場したキュウソネコカミのライブではBRAHMANのTOSHI-LOW(Vo)が乱入。彼は、「TOSHI-LOWさん」の準備のためヤマサキセイヤ(Vo, G)がTシャツを脱ぎ上裸になった際に自らも上裸でステージへ。そしてヤマサキに自身と細美武士(the HIATUS、MONOEYES、ELLEGARDEN)の描かれたTシャツを手渡し、ヤマサキと筋肉比べをした。その状況に驚きつつもヤマサキはTOSHI-LOWさながらフロアに降り同曲を熱唱した。HEY-SMITHのライブでは猪狩秀平(G, Vo)が「前橋ってこんなに何もないところやったっけ?」と言いつつも「そんなところでこんなデカいパーティがあるなんて!」とG-FREAK FACTORYへのリスペクトの気持ちを贈る。そしてバンドはライブ人気曲「2nd Youth」や最新曲「Not A TV Show」、1stアルバム収録曲「WE ARE...」など新旧のナンバーを次々と届ける。「Dandadan」ではまたもやTokyo Tanakaがステージに登場。バンドは観客はもちろん、Tokyo Tanakaをも暴れさせる迫真のプレイで場内を盛り上げていった。

BRAHMANのステージではコラボアクトが次々と披露される展開に。バンドが1曲目として「今夜」を演奏すると途中から細美が加わり、2曲目には茂木とのコラボで「ナミノウタゲ」が届けられた。さらに「怒涛の彼方」「BEYOND THE MOUNTAIN」ではHEY-SMITHのホーン隊が、ヘビーなサウンドに彩りを添える。終盤「満月の夕」の演奏前には、TOSHI-LOWがG-FREAK FACTORYを毎年「山人音楽祭」の前週に同じ群馬県内で行われているOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDオーガナイズドの野外イベント「New Acoustic Camp」に誘う場面もあった。BRAHMANとMONOEYESという先輩に挟まれた出演順に触れ「誰よりも生意気やりに来ました!」と闘志を燃やしたのはMy Hair is Bad。彼らはアドリブのポエトリーリーディングを織り交ぜながら「アフターアワー」「告白」といったアグレッシブなナンバーを連投していく。椎木知仁(G, Vo)がG-FREAK FACTORYについて「『ローカルヒーロー』その言葉がぴったり。俺らもそうなりたいと思ってます」と憧れの眼差しを向けたあと、バンドは穏やかに「いつか結婚しても」を届けた。

「山人音楽祭」初出演ながら、個人的にはG-FREAK FACTORYとの出会いは15年ほど前だというMONOEYESの細美。彼はこの巡り合わせについて「いろいろやり直せるんだなって思いました」と感慨深く語った。その後バンドが「Two Little Fishes」を演奏すると、ダルマを持ったTOSHI-LOWが突然現れ、コーラスを担当するひと幕も。細美は「『こんな危険なことやってるのにケガ人出ないの?』っていうの、俺たちの得意技じゃん? よろしくお願いします」とパンクシーンへのリスペクトとファンへのメッセージを語り、バンドは「When I Was A King」を届けた。

榛名ステージではteto、妙義ステージではYellow Studsと、群馬県出身のフロントマンが所属するバンドが各ステージを締めくくったのち、赤城ステージにG-FREAK FACTORYが登場。彼らは吉橋伸之(B)による印象的なリフから「Too oLD To KNoW」でライブの幕を開ける。さっそく茂木はフロアへ進みながら「山人音楽祭、大成功までもう少しだ!」と声を上げ、その声に応えるように観客が盛大なシンガロングを響かせると、「おい! 最高か!」と破顔した。茂木が「始まったら終わっちゃうんだよ」とさみしそうな表情を見せながらも、バンドは高速ビートに乗せた「FOUNDATION」や壮大な「カモメトサカナ」などを次々と届けていく。TOSHI-LOWが歌唱に参加した「ダディ・ダーリン」のあと、茂木は「群馬には意地を張ってやってるフェスやバンド、マイク持ちなどがいます。G-FREAK FACTORYはそのお山の大将をやってるつもり。その“山”が日本一じゃないと!」と決意を語り、観客から大きな拍手が贈られた。アンコールではファンがスマートフォンのライトを点灯してメンバーを呼び込む。その景色に感激した茂木は照明スタッフに「照明つけないで、このままやろうや」と声をかけ、バンドは幻想的なムードの中、「EVEN」を届けて初日を締めくくった。

9月23日

2日目の赤城ステージのトップバッターはHAWAIIAN6。彼らはHATANO(Dr)の「楽しい1日の始まりだぞー!」との雄叫びを合図に「THE LIGHTNING」「Haze」といった性急なナンバーでオーディエンスのテンションを一気に引き上げる。「GUNMA ROCK FESTIVAL」の前身イベントがライブハウスで行われていた頃から出演している彼ら。HATANOはMCで当時を振り返り「まさかこんな規模になるとは」と感激した様子を見せ「このフェスはここ(ステージ)に立ってるやつらが作るんじゃねえんだ、群馬が一緒に作るんだ」と語ると「LIGHT AND SHADOW」でラストスパートをかけていった。

3年連続赤城ステージの2番手となるROTTENGRAFFTYは、「山人音楽祭」の盛り上げ方はお手の物といった様子で1曲目「THIS WORLD」であっという間に場内を熱狂の渦に。NOBUYA(Vo)が「ひとつになろう」と言ってから始まった「夏休み」ではイントロやサビでファンが両手を揺らしながら歌唱し、カラフルな照明が差し込んだ「D.A.N.C.E.」では観客が一斉にジャンプするなど、場内は一体感で包まれた。自身も京都で主催イベント「ポルノ超特急」を開催していることから、N∀OKI(Vo)は「山人音楽祭」初の2DAYS開催を「自分のことのように誇りに思う」と讃え、自分たちが群馬に来ると「京都と群馬がまるで姉妹都市かのように、温かく迎えてもらえる」と顔をほころばせた。榛名ステージに出演したアルカラは昨年の「山人音楽祭」のステージ上で約束した、「来年も『山人音楽祭』に出られたらダルマの右目を入れる」という儀式を無事に完遂させ、ファンから祝福を受けていた。

グリーンドームにレゲエの風を運んだのはFIRE BALL with Home Grown。彼らは「レゲエにはダンスホール、スカ、いろんなジャンルがあるので今日はいろんな表情を見せていければと思うんですが………根底にあるのは愛です。みんなの愛を見せてください!」と言い、コール&レスポンスを挟みながら「Reggae Bus」「Call This Love」といったナンバーで観客の体を揺らしていく。ラストナンバー「Wonderful Days」ではメンバー同士が肩を組んでパフォーマンスし、場内をハッピーなムードで満たした。「群馬でやってる最高のバンドと一緒にミラクル起こしに来た」と言うサンボマスターは「ミラクルをキミとおこしたいんです」「ロックンロール イズ ノットデッド」といった熱いロックナンバーを続けていく。山口隆(Vo, G)は「全員優勝」をテーマに掲げ、「山人ってこんなもんじゃねえだろ?」「俺の知ってる山人は1人ひとりが優勝できるくらいなんですけど」と煽り続け、観客を巻き込むパフォーマンスを見せていった。最後には「自分殺してえとか、手首切るとかじやなくて、ニコニコ笑うこの居場所選んでくれよ! 間違えるなよ!」と言葉を重ね、優しく「輝きだして走ってく」を歌って観客の心を打った。

東京スカパラダイスオーケストラは谷中敦(Baritone Sax)が「今日は“楽園”の扉を開けっぱなしにしてるので、みんななだれ込んで来て」とバンド名にちなんだ意気込みを語り、「SKA ME CRAZY」「Paradise Has NO BORDER」などのスカチューンで観客を踊らせる。マイナー調の「Samurai Dreamers <サビレルナ和ヨ>」のイントロが始まるとスーツに身を包んだ10-FEETのTAKUMA(Vo, G)がステージに登場。彼は谷中と殺陣のパントマイムを見せたあと、バンドのエッジの効いた演奏に乗せて、谷中と共にスリリングな掛け合いを聞かせた。さらに「もう1曲歌っていけよ!」という谷中の言葉に続き「閃光」もコラボで届け、観客を喜ばせた。「ほかのアーティストを観に来たのにどうしてもUVERworldのライブを思い出してしまう。そんなライブをしなきゃ意味がない」と前のめりな意志を見せたUVERworldはTAKUYA∞(Vo)いわく「自分たちの信じる一番いいセットリスト」でライブに挑む。メンバーが太鼓を叩いて骨太なリズムを生み出した「WE ARE GO」や、「暫定一番おしゃれな曲」だと言う「ODD FUTURE」などをダイナミックなステージングで届けていった。

10-FEETは序盤から自らを鼓舞するようながむしゃらなライブを展開。1曲目に定番曲「RIVER」を投下し、3曲目「goes on」ではボーカルラインのない箇所でもTAKUMAがシャウトを繰り返していた。「蜃気楼」が届けられ、場内に感傷的なムードが漂う中、TAKUMAは「G-FREAKは俺らが次の目標をなくしたときにいっつも次の目標を教えてくれた」「意地でもいろいろこじつけてやってる。その理由の1つが『山人音楽祭』。いつも理由と目標をありがとう」とあふれ出る思いを述べた。2日間の榛名ステージを締めくくったのは「GUNMA ROCK FESTIVAL」時代から遊びに来ていたと話す群馬出身のFOMARE。彼らは「純粋にヤベー」と出演の喜びを語りつつも、闘志に満ちたライブで榛名ステージを熱気で包んだ。

G-FREAK FACTORYのステージはバラードから始まった前日から一転、ハードな「Unscramble」でスタート。群馬をモチーフにしたドラマおよび映画「お前はまだグンマを知らない」の主題歌「風林花山」では、茂木が冒頭を歌い始めるとフロアから大合唱が発生した。「Too oLD To KNoW」「ダディ・ダーリン」でフロアを進みながら歌唱した茂木は、その後フロアの中央まで進むと「山人音楽祭」になる前のイベント「GUNMA ROCK FESTIVAL」が3年で終わったことに言及し、「誰もこのフェスの4年目を見てねえんだ。だから今年3.5年目に挑戦した」と今年の2DAYS開催に踏み切った経緯を説明し、大盛り上がりの場内を見渡して「2DAYS大成功、ありがとう」と笑顔を見せた。また「来年やる約束はできないけど、もし来年も会えることになったなら、またここで安全安心を確かめ合おうや」と観客に語りかけた。

アンコールの「日はまだ高く」では原田、吉橋、渡部“PxOxN”寛之(Dr)が向かい合ってグルーヴィな演奏を聞かせる中、フリースタイルラップをしながらN∀OKI(ROTTENGRAFFTY)が登場。彼はフロアに進む茂木に向かって「群馬最高やなー!」と声をかけ、さらにほかの出演者も続々とステージに現れ、場内はピースフルなムードに包まれた。最後に茂木が改めて「『山人音楽祭』、大成功!」と宣言して、2日間におよんだ「山人音楽祭 2018」の幕を下ろした。

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