TWEEDEES、3度目のプレミアムショウで新作「DELICIOUS.」を産地直送

TWEEDEESによる自主企画ライブ「TWEEDEES Premium Show vol.3」が、9月16日に神奈川・MOTION BLUE YOKOHAMAで行われた。

「TWEEDEES Premium Show」はTWEEDEESがアルバム発売前に新曲を披露する恒例のライブシリーズ。3度目の開催となる今回は昼夜2公演が行われ、10月31日にリリースされる3rdフルアルバム「DELICIOUS.」からの楽曲がひと足早く届けられた。ここでは昼公演の模様をレポートする。

TWEEDEESは清浦夏実（Vo）と沖井礼二（B）の2人にサポートメンバーを加える形で活動しているが、今回のライブではデビュー時から参加している原“GEN”秀樹（Dr / NORTHERN BRIGHT）のほかは、井上薫（Key / ブルー・ペパーズ）、qurosawa（G / POLLYANNA）と新世代のバンドメンバーが加わった。49歳の沖井は「ついにバンドの半分以上が二十代になりました」と報告し、「ポップスは若い人のための音楽なんですよ。十代が面白いと思って聴いてる音楽は四十代、五十代も楽しめるけど、もうすぐ50歳の人間が40、50のための音楽を作っても十代は楽しめないんですよ。若い人のための音楽を作るなら、若い人を呼ぼうよと」とTWEEDEESとしての音楽への向き合い方を語った。ニューアルバム「DELICIOUS.」にはそんな沖井の意図を反映し、今回のサポートメンバーのほか伶菜（POLLYANNA）、やぎぬまかな（ex. カラスは真っ白）、RYUTistらがゲスト参加している。彼らはレコーディングを終えてこのライブに挑む予定だったが、もうひと仕上げ、ウインドチャイムの録音が残っているという。ライブ前日にようやく全曲のボーカルレコーディングを終えたばかりだという清浦は「こんなに産地直送になるなんて……」と苦笑した。

ライブ本編はニューアルバム「DELICIOUS.」からの楽曲のみで構成され、沖井と清浦は細かくMCを挟みながら各曲の制作意図やレコーディング時のエピソードを明かしていく。1曲目に演奏されたアルバム表題曲「DELICIOUS.」はqurosawaのノイジーなギターが印象的な8ビートのロックで、2曲目の「花束と磁力」は沖井曰く「アルバムの印象を決定付けた曲」。井上のエレピから始まり大きく展開していく「少年の見た夢は」、清浦が指揮をとりながら歌う穏やかなパートとハードなジャズワルツの落差が激しい「昼夜逆転の歌」、高速8ビートで各楽器のアンサンブルが複雑に絡み合う「不機嫌なカプチーノ」と次々届く新たなTWEEDEESサウンドに、観客はじっくりと耳を傾けていた。ワルツ調のバラード「間違いだらけの神様」では沖井、GEN、qurosawaが演奏を止め、井上のピアノとレコーディング音源のストリングスをバックに清浦が熱唱。椅子に腰掛けじっくり聴き入っていた沖井は「この曲を作っているとき俺、泣いちゃって（笑）。俺って自分が聴きたいもんばっか作ってんだな」と笑いつつ、この曲ではメロディと歌詞を同時に少しずつ書き進めるという、これまでとは異なる手法の楽曲制作に取り組んだことを明かした。

そして本編ラストの曲として披露されたのは、ピチカート・ファイヴのカバー「東京は夜の七時」とオリジナルの新曲「21世紀の子供達」を織り交ぜたメドレー。ひりついたサウンドと大胆な構成、印象に残る歌詞で観客を驚かせ、TWEEDEESはステージをあとにした。アンコールでは1stアルバム「The Sound Sounds.」から「Boop Boop Bee Doop!」、2ndアルバム「The Second Time Around」から「ムーンライト・フラッパー」と、過去作から1曲ずつがセレクトされた。

全容の一部が明かされた3rdアルバム「DELICIOUS.」だが、その詳細は近日発表予定。アルバム発売に先駆け、10月19日には東京・LOFT9 ShibuyaでTWEEDEESの2人が新作について語るトークイベント「おしゃべりTWEEDEES vol.2」が開催される。さらにTWEEDEESは11月に予定しているアルバムリリースイベントと並行し、福岡、大阪、愛知の3カ所で「おしゃべりTWEEDEESツアー」を行う。