「ずっとやり続けたい」関東2回目の「夏の魔物」で70組以上が熱演

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9月2日に東京・お台場野外特設会場J地区で野外ロックフェス「UDO ARTISTS 50th Anniversary 夏の魔物2018 in TOKYO」が行われた。

左からHISASHI(GLAY)、成田大致(THE 夏の魔物)。(撮影:タイコウクニヨシ)

左からHISASHI(GLAY)、成田大致(THE 夏の魔物)。(撮影:タイコウクニヨシ)

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関東で「夏の魔物」が開催されるのは今回で2度目。当日は70組以上のアーティストが出演し、夏終盤のお台場を1日中盛り上げた。

でんぱ組.inc(撮影:橋本塁)

でんぱ組.inc(撮影:橋本塁)[拡大]

アーバンギャルド(撮影:高田真希子)

アーバンギャルド(撮影:高田真希子)[拡大]

雨が降る中「STRONG STYLE」ステージのトップバッターの飾ったのはでんぱ組.inc。冒頭では「この雨、大丈夫かなー?」「肌寒いしねー……」とメンバー同士で天候を心配する様子を見せつつ、「でんでんぱっしょん」「おつかれサマー!」といったアッパーな楽曲群を次々と披露した。客席ではファンが雨に濡れながらもキレのあるダンスを行い、彼女たちのパフォーマンスを盛り上げていった。一方「バーリトゥード」ステージの1番手を務めたアーバンギャルドは「大破壊交響楽」「ワンピース心中」をはじめとするメロディアスなナンバーで朝のお台場をロマンチックに演出。ライブを終えると松永天馬(Vo)はすぐにステージを降り、「こっち集合ー!」とそのままオーディエンスを物販まで誘導していった。

クリトリック・リス(撮影:橋本塁)

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どついたるねん(撮影:橋本塁)

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プロレスリングを模した「リングの魂」ステージにはクリトリック・リスが最初に出演。スギムは股間に取り付けたテルミンを盛んに操作したり、観客に担がれステージのはるか遠くまで運ばれたりと自由奔放なステージングを展開した。続いて「STRONG STYLE」ステージに現れたどついたるねんは、メンバーのうーちゃん(Vo, G)の所属するグループ・坂本移動どうぶつ園の楽曲「ゲルマン忍者」をSEにして登場。「カズダンス」「精神」といったスピード感に満ちた楽曲を次々演奏し、合間には山ちゃん(Vo, B)がステージ横の鉄骨によじ上り熱唱する一幕もあった。アグレッシブなパフォーマンスのアーティストが続く中、「リングの魂」ステージの2番手を飾ったSPANK HAPPYは「アンニュイ・エレクトリーク」「夏の天才」といったさわやかなナンバーで観客たちを魅了。Boss the NK a.k.a. 菊地成孔とOD a.k.a. 小田朋美はクールな佇まいで息ぴったりのダンスを繰り広げ、心地よいムードを作り上げていった。

ベッド・イン(撮影:橋本塁)

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THERE THERE THERES(撮影:橋本塁)

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今年で5年連続「夏の魔物」出演となったベッド・インは、「STRONG STYLE」ステージでバブルの嵐を巻き起こした。彼女たちは「男はアイツだけじゃない」「♂×♀×ポーカーゲーム」といったナンバーでバブリーな空間を作り、生着替えタイムでは会場に“クンピ色”を補給。真昼のお台場を“アオ姦日和”に仕立て上げた。続いて「リングの魂」ステージのTHERE THERE THERESは「The Edge of Goodbye」「asthma」の2曲をミックスしライブを行った。オーディエンスは「The Edge of Goodbye」の最後のサビ直前のパートが繰り返されると幾度もモッシュを行い、「asthma」のコーラスパートではリングを囲むように巨大な円陣を形成。2015年にTHERE THERE THERESが前名義・BELLRING少女ハートとして出演した際のパフォーマンスを彷彿とさせる、壮大な景色を作り上げた。

ART-SCHOOL(撮影:橋本塁)

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イベント中盤からはバンド勢も続々と登場。「STRONG STYLE」ステージに立ったART-SCHOOLは「BOY MEETS GIRL」「Promised Land」「あと10秒で」など、新旧織り交ぜたセットリストを爆音で披露。戸高賢史(G)によるきらびやかなメロディ、中尾憲太郎(B)と藤田勇(Dr)による力強いリズムが絡み合う中、木下理樹(Vo, G)は落ち着いた様子で繊細な歌声を重ねていった。同タイミングに「赤コーナー」ステージに現れたおとぼけビ~バ~は「ラブ・イズ・ショート」「暴飲暴食過食症」「あなたわたし抱いたあとよめのめし」といった疾走感あふれるナンバーを休みなくプレイ。フロアに飛び込むなどアグレッシブなステージングを繰り広げたよよよしえ(G)は「ここは休憩所じゃない! ART-SCHOOLに愛を伝えるところだー!」と絶叫し、観客たちを盛んに扇動した。その隣「バーリトゥード」ステージを舞台にしたeastern youthは「ソンゲントジユウ」を皮切りに、「夜明けの歌」「街の底」などをエモーショナルに披露。「夏の日の午後」では吉野寿(Vo, G)の感情あふれる歌声が響き渡り、フロアは拳を突き上げる人々で埋め尽くされた。

向井秀徳アコースティック&エレクトリック(撮影:橋本塁)

向井秀徳アコースティック&エレクトリック(撮影:橋本塁)[拡大]

DMBQ(撮影:タイコウクニヨシ)

DMBQ(撮影:タイコウクニヨシ)[拡大]

夕方の「リングの魂」ステージに登場の向井秀徳アコースティック&エレクトリックは「TATTOOあり」「はあとぶれいく」「約束」などソロのほかNUMBER GIRL、ZAZEN BOYSの楽曲も披露。さらに「福岡の後輩の歌を歌います」という紹介でYUIの「CHE.R.RY」をこぶしをたっぷりと効かせてカバーしたりと、バラエティに富んだセットリストでオーディエンスを楽しませた。「青コーナー」ステージのDMBQは、ほかのステージの音をものともしない轟音で「Blue Bird」「Thou, Winter Song」などをプレイ。「She Walks」終盤では増子真二(Vo, G)がドラムセットをどんどんと積み重ねたのち、和田晋侍(Dr)と一緒にMaki(B)を担ぎ、そのままドラムセットに突っ込むという破壊的なパフォーマンスで出番を終えた。

筋肉少女帯(撮影:橋本塁)

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バニラビーンズ(撮影:橋本塁)

バニラビーンズ(撮影:橋本塁)[拡大]

今回の「夏の魔物」のヘッドライナー、筋肉少女帯は「STRONG STYLE」ステージにて「サンフランシスコ」「日本印度化計画」といった重厚なサウンドの楽曲群でオーディエンスを圧倒。大槻ケンヂ(Vo)は「うるさくてごめんねー!」「我々50歳越えてますからね! あなたたちのコラーゲンをくれー!」と観客たちを鼓舞した。恒例の“ダメジャンプ”を行う人たちで客席が埋め尽くされた「踊るダメ人間」、橘高文彦(G)と三柴理(Piano)による白熱したセッションが繰り広げられた「釈迦」で一気に「STRONG STYLE」一帯を温めた。筋少と同じくヘッドライナーを務めたバニラビーンズは、「リングの魂」ステージにてまずは「Say Goodbye」で夜のお台場をさわやかに演出。初めてリングに立ったというレナとリサは「360°、人がいるー!」「めっちゃボヨボヨするー!」と特殊な構造のステージでのパフォーマンスを満喫していた。そんな中「ニコラ」では、長年彼女たちを応援してきた掟ポルシェが客席から声援を送り、レナとリサを温かく見守っていた。

THE 夏の魔物(撮影:橋本塁)

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アントーニオ本多(THE 夏の魔物)(撮影:橋本塁)

アントーニオ本多(THE 夏の魔物)(撮影:橋本塁)[拡大]

この日の大トリを務めたTHE 夏の魔物は、成田大致(Vo)の咆哮を合図に「音楽の魔物」でライブを開始。彼らは「魔物BOM-BA-YE ~魂ノ覚醒編~」「SUNSET HEART ATTACK」といったアッパーな楽曲を次々と届け、観客たちのテンションを一気に高めていった。MCでは成田が来場者たちにお礼を言いつつ「毎回『もうやめたい』って思うし、来年もできるかわからないんです。でも素敵な光景がたくさんあって……。それを見たら、やっぱりずっとやり続けたいなって思いました」とこのフェスに向けての思い入れを熱く語った。

「UDO ARTISTS 50th Anniversary 夏の魔物2018 in TOKYO」フィナーレの様子。(撮影:橋本塁)

「UDO ARTISTS 50th Anniversary 夏の魔物2018 in TOKYO」フィナーレの様子。(撮影:橋本塁)[拡大]

現在制作中だというアルバムの楽曲「若者たち」を挟み、「さよならメモリー」「恋愛至上主義サマーエブリデイ」の演奏にはVery Special “G”uestのHISASHI(G / GLAY)が登場。越川和磨(G)と共に息ぴったりのギターセッションを繰り広げ、THE 夏の魔物のパフォーマンスをさらにヒートアップさせた。そしてフィナーレでは曽我部恵一(サニーデイ・サービス)をはじめとするフェス出演者をステージに迎え、「東京妄想フォーエバーヤング」を集まった全員で披露。およそ12時間にわたって行われた「夏の魔物」は大団円で幕を閉じた。

なお12月25日には青森・リンクモア平安閣市民ホールにて「夏の魔物2018 in AOMORI」が開催されることが決定。出演者は追ってアナウンスされるので、続報をお楽しみに。

夏の魔物2018 in AOMORI

2018年12月25日(火)青森県 リンクモア平安閣市民ホール
<出演者>
THE 夏の魔物 / and more

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HISASHI @HISASHI_

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