sleepyhead、断髪も見せた熱狂のライブ「ステージで生きていく覚悟を決めました」

昨日7月29日に東京・WWW Xにて、武瑠（ex. SuG）のソロプロジェクト・sleepyhead初のツアー「DRIPPING」の最終公演が開催された。

会場が暗転し、バックバンドのメンバーを従えて武瑠がステージに表れると、会場内には彼の名前を叫ぶファンの声がこだまする。武瑠がsleepyheadの初アルバム「DRIPPING」の1曲目に収録された「MY FORTUNE FADED」でライブの口火を切ると、オーディエンスは待ってましたと言わんばかりにジャンプを繰り返して会場を揺らした。「ぶっ壊れていけるか東京！」と武瑠が声をかけ、披露された楽曲は「闇雲」。曲中にはレーザーを使って「闇雲」の2文字がステージ後方に映し出されるなど、曲ごとに異なる演出で来場者を楽しませていた。

最初のMCで「こんばんは、sleepyheadです」と自己紹介をした武瑠は「ツアーを回っていく中で何より強く思ったのは、みんなの熱量、力が想像以上だったことです」と話し、満員の来場者に感謝の言葉を述べた。ステージ袖から仮面を被った2人のダンサーが登場するとメロウなナンバー「酩酊」のパフォーマンスへ。ダンサーの動きに合わせて武瑠自身も体をくねらせて踊りながら歌い、ファンを魅了した。その後はSuG時代に展開していた武瑠のソロプロジェクト・浮気者として発表した「I 狂 U」、SuGの楽曲「HELLYEAH」を立て続けにパフォーマンス。「HELLYEAH」のイントロではフロアから歓喜の声が上がり、盛大なコールが上がった。

武瑠はアルバム「DRIPPING」について「自分との対話でただ曲を作っていた」と語り、「過去と今をつなぐ大切な曲です。聴いてください」というひと言から「HOPELESS」を歌唱。オーディエンスはじっと耳を傾けて彼の澄んだ歌声に聴き入っていた。ライブ中盤、ステージ中央に置かれた椅子に武瑠が腰かけると、ステージ袖からスタイリストが登場。SEとして「退行的進化」が流れる中、スタイリストは武瑠の髪にエクステを付けて彼の髪型を変えていく。オーディエンスの視線を集めながらも、1曲終わる頃にはスタイリングを終え、武瑠はライブを再開。ギターを手にした彼は「熱帯夜」を熱唱し、曲名の通りに会場内をヒートアップさせた。

ライブ終盤「全部出しきれ！」と叫んでファンを煽った武瑠は「狂宴騒々」で振り絞るように力強い歌声を響かせ、オーディエンスを熱狂の渦へと誘い込む。本編最後の楽曲「ALIVE」歌唱の際には、10年にわたる自身の音楽活動を振り返りつつ「一緒に新しい歴史の一部になってくれて本当にありがとう」と、集まったファンに向けて心情を吐露するワンシーンもあった。計14曲を歌い終えた彼は「また音楽を好きにさせてくれてありがとうございました」と挨拶し、ライブ本編の幕を閉じた。

熱烈なアンコールが会場内に響く中、武瑠はスタイリストと共にステージに登場。スタイリストの手にはハサミが握られており、彼らはステージ上でヘアカットをするという前代未聞の演出でオーディエンスの土肝を抜いた。ヘアワックスを付けて武瑠の髪型が整うと、彼はすぐさま「結局」でライブを再開。1曲歌い終えると武瑠は「歌っているときに髪の毛が口に入った経験のあるアーティストはそういない」と笑いながら話し、「思い付いたことをやってドキドキしたい。俺がドキドキして、みんながドキドキすることだけで、道を切り開いていきたい。ステージの上で生きていく覚悟を決めました」と自身の思いを明かした。まだ歌詞の付いていない楽曲「花鳥風月」ではスキャットで歌う武瑠に合わせてフロアからも歌声が上がり、会場内は一体感のある空気感に包まれた。「最後何やる？」とリクエストを募った彼は、フロアから声の上がった「狂宴騒々」を再び熱唱。大盛り上がりの中、武瑠はバンドメンバーと共にステージをあとにした。

アンコールが終わってもフロアの熱は冷めず、ダブルアンコールを求める声が上がると武瑠は再びステージに姿を現す。彼は「楽屋まで声が届いてきました。最高だよ東京！」と声をかけ、この日2度目の「酩酊」をパフォーマンス。オーディエンスはもみくちゃになりながらもジャンプを繰り返して会場を揺らし、「DRIPPING」ツアーは大盛況の中、フィナーレを迎えた。