「BLAZE UP NAGASAKI」は2011年にスタートし、今回で6回目を迎えるライブイベント。ここ数年は長崎市神の島公園特設ステージにて開催されており、今年初めてハウステンボスで行われることとなった。当日はSHANKを含む10組がライブを繰り広げたほか、場内にはちりんちりんあいすやトルコライスといった長崎名物の飲食店、アパレルブースなどが並んだ。
メンバーが出演したユーモアあふれる注意事項を説明する映像が放映されたあと登場したトップバッターは、大分出身
重厚なサウンドで観客を自らの壮大な世界観に誘ったのは
G-FREAK FACTORYは「Unscramble」「日はまだ高く」などのレゲエナンバーで場内の一体感を生み出す。MCでは茂木が自身とSHANKの共通点“ローカルバンド”に焦点を当てる。長崎のオーディエンスに向け「お前らの地元にSHANKがいて本当によかったな!」「もしかしたら東京に出てたら違う景色が見えたかもしれないけど、あいつらはここを守って、ここから攻めてんだよ!」と語り、「ダディ・ダーリン」の演奏後には「あと2カ月で(長崎に原爆が投下された)8月9日を迎えます。8月9日を感じてくれ。音楽は平和であることを確認する意味もある」と平和を願った。ラストナンバー「EVEN」ではステージ袖でライブを見ていた庵原を呼び込み、2人は優しい表情で共にワンフレーズを歌唱した。
SiMのMAHは「小学校を卒業するまで佐世保に住んでて……」と明かしてファンを驚かせたかと思えば「嘘! まったく縁もゆかりもない!」と笑い、「でもSHANKのおかげで忘れられない思い出の場所になりました。これから毎年戻ってくる気がします!」と彼らしい言葉選びでSHANKへの感謝の気持ちを述べる。そして「SHANKを見て『ああいう速いビートの曲が欲しいなと思って作った曲がある」と言い、バンドは「ANTHEM」をプレイ。ダビーな前半を経て、高速のツービートのサビで観客のテンションを引き上げた。その後、彼らはMAHの「ギャーギャー騒いで暴れるだけがロックじゃねえだろ」との言葉に続き、ゆったりとしたレゲエのリズムに乗せたミディアムチューン「The Sound Of Breath」を届けたかと思えば、「ぐちゃぐちゃになってへとへとのお前らを、SHANKがどう持っていくか楽しみにしていようと思います」と前置きしてからキラーチューン「KiLLiNG ME」「f.a.i.t.h」を連投。その言葉通り、観客をへとへとにさせSHANKへとバトンをつないだ。
ライブはいよいよSHANKの出番へ。彼らは「長崎SHANK、始めます!」といつも通りの挨拶を行い、「Surface」でライブを始める。続く「Cigar Store」ではステージからMAHがダイブをする一幕も。タイトな演奏で4曲を駆け抜けたあと庵原はハウステンボスでの開催について感激をあらわにしつつも、「お涙ちょうだいなライブをするつもりはございませんので!」と潔く宣言する。そして池本雄季(Dr, Cho)の繰り出すさまざまなビートに乗せ、ダビーなイントロが印象的な「620」やエッジィな「Hope」などを続けた。「Take Me Back」ではブレイクの入りで3人の息がぴったりそろうと庵原が「今まで一番決まったね」とうれしそうに話し、長崎のわらべうた「でんでらりゅう」のフレーズを使用した「Knockin' on the Door」では、イントロで松崎兵太(G, Cho)が「(気持ちが)入りすぎてわかんなくなった」と笑ってやり直すなど、3人は普段と変わらないフランクなライブ運びを見せる。「Grimy Window」ではHEY-SMITHの満(Sax)、かなす(Tb)、イイカワケン(Tp)がゲストとして登場。高らかなホーンの音色で同曲を彩った。終盤には庵原が「以前『ハジマザ』(HEY-SMITH主催のライブイベント『HAZIKETEMAZARE FESTIVAL』)でピースフルなMCをしていたいがりん(猪狩)に『どうしたの?』とか言ってたんですが、気持ちがわかりました」と感傷的な気分になっていることを明かす。しかし「バンドらしく歌をいっぱい歌って帰ります」と立て直し、言葉の代わりとばかりにラブソング「My sweet universe」やエモーショナルな「Set the fire」を情感たっぷりに届けた。さらに間髪入れずに「Long for the Blue moon」を演奏すると、最後にショートチューン「submarine」を叩き込み、熱狂のうちにステージをあとにした。アンコールを求める声が上がると、すかさず庵原がステージに現れ「時間がないです」と正直に明かす。そして「また来年につなげていきたいと思います」と再会を誓い、初のハウステンボスでの「BLAZE UP NAGASAKI」の幕を下ろした。
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