全国12都市で「ゲルニカ団 漆黒の48時間」「PLC学園 最期の48時間」というコンセプトの異なる公演がそれぞれ行われてきた「TOUR 2018 Doppelganger」。最終日は1日で「ゲルニカ団 漆黒の48時間」と「PLC学園 最期の48時間」の両公演が実施された。
禍々しいナレーションを経て、1公演目「ゲルニカ団 漆黒の48時間」はDAISHI(Vo)の「叫べ!」という声から「Revenger - 暗闇の復讐者 -」でスタート。“ゲルニカ団”の衣装を着たメンバーが激しいパフォーマンスを繰り広げると、フロアの熱気が急上昇していく。続く「ノスフェラトゥ」ではYURAサマ(Dr, Vo, Dance)がダイナミックなドラミングを披露し、「インドラの矢」ではLida(G)とAYA(G, Dance)のパワフルなギタープレイが光る。「one day」ではseek(B)が「この世界を漆黒に染めていこうぜ! ぶち上げていこうぜ! 全員でかかってこいよ―!」と叫び、デスボイスを会場に響かせた。
ほぼMCもないままにストイックなライブが繰り広げられ、「激愛メリーゴーランド」が終わったところでメンバーは一度退場。会場が真っ暗になると「Psycho le Cemuはこの世のものではないものを作っているのでライブに霊が集まってくるんですよ……」とこの日のためだけに用意された稲川淳二の怪談話が流れ始める。「皆さん、狙われているのに気付いていないのでしょうか? 何やら音も聞こえてきましたよ。耳を済ませてご覧……」と稲川の声が消えると、ステージ上部で音玉が弾けた。再びステージにそろった5人は「2020」でライブを再開。seekが「東京! 終わっちまうぜ! お前たちの全部くれよ! お前たちの声を、叫びを全部くれよ!」と攻撃的に煽ると、観客は激しいヘッドバンギングを繰り出した。
Psycho le Cemuは「摩天楼カオス」「聖~excalibur~剣」を畳み掛けたあと、ヘヴィな「Mind Core」を熱演。メタルナンバー「漆黒のゲルニカ」ではseekがフロアにダイブし、最後は「LOVE IS DEAD」で締めくくられた。鳴り止まない拍手を受けて行われたアンコールは「絶望のゲルニカ」でスタート。スピーディに駆け抜ける「LAST EMOTION -Long ver.-」ではそれぞれのソロも決まり、「Murderer・Death・Kill」で1公演目の幕が降ろされた。
2公演目では、DAISHIは“アニマルクラッシャー”、Lidaは“スペースファイアー”、AYAは“ピンクファイター”、seekは“カジキポセイドン”に、YURAサマは“パープルペルセウス”の衣装でライブに臨んだ。オープニングを飾ったのは5人でダンスする「JUNGLE×JUNGLE」。5人は円陣を組んで気合いを入れたあと、パラパラふうの振り付けの「MEGATRON -Upper Ver.-」でフロアを盛り上げていく。観客は、甘酸っぱいギターフレーズが印象的な「妄想グラフィティー」では手を挙げて演奏に応え、ドラマチックなロックチューン「クロノス」ではそろいの振り付けを踊った。
DAISHIは「全国を回ってきました! そして今日ツアーファイナルを迎えることができました! 皆さんありがとう! 今日はまだまだ終わらないぜ! 楽しもうぜ!」と呼びかけ、ポップチューン「STAR TRAIN」を爽快に歌い上げる。続けて「愛の唄」を歌うと、会場はハッピーなムードに包まれた。「LOVE IS DEAD」でAYAはキュートに跳びはねながらギターを弾き、seekはステージ中央まで移動して骨太なベースラインを鳴らす。大盛り上がりの観客を見たDAISHIは「やっぱりお前ら最高だな!」と笑顔を見せた。
Psycho le Cemuのライブではおなじみの寸劇のコーナーでは“ゲルニカ団”のアジトに潜り込んだAYAのとLidaが暗闇の中でぶつかってしまい、中身が入れ替わってしまうというストーリーが展開された。DAISHIが「今日はツアーファイナルということで入れ替わっちゃいますか!」と言うと、バンドはAYAとLidaの中身が入れ替わったまま「You&Me」を披露。AYAになった設定のLidaはポンポンを両手に持って、かわいらしく踊った。
シリアスな雰囲気のSEが流れたあと、5人はいよいよ“ゲルニカ団”との接触を試みる。ここでは“ゲルニカ団”は精神世界にいる存在であり、“闇”の存在である“ゲルニカ団”と“光”の存在である“PLC学園”が1つになれば、世界が救われることが明かされた。そんな中“ゲルニカ団”は「悪も正義もないんだ」と言い放ち、Lidaの心の弱い部分に入り込む。“ゲルニカ団”に支配され悪口を言いまくるLidaを4人は穏やかな心でたしなめようとするが、悪口を言われたYURAサマは反発してしまう。すると、今度はYURAサマに“ゲルニカ団”が乗り移り、AYAの悪口を言い始めた。さらに“ゲルニカ団”がAYAからDAISHIへ乗り移ると、DAISHIはLidaの悪口を饒舌に述べる。すると今度はなぜかseekに“ゲルニカ団”が乗り移り、彼は人懐っこく優しいキャラクターに変貌。「愛してるぜ!」と述べたseekはふと我に返り、普段の辛口キャラクターへと戻ってしまい、会場は大爆笑に包まれた。“ゲルニカ団”が「お前らの悪の根源はわかった。これでPLC学園の奴らもゲルニカ団になるな……」と言って消え、DAISHIが「我々は絶対にダークサイドには落ちないぞ!」と言ったところで寸劇は終了した。
5人は「BLADE DANCE」を踊ってライブ再開し、明るく開けた「道の空」、リズミカルな「Liberty, babies」、切ないメロディのロックチューン「摩天楼カオス」などでフロアの盛り上がりをピークへと導いていく。「Murderer・Death・Kill -Long ver.-」ではメンバー全員がそれぞれ歌い、YURAサマは「ありがとねありがとね! みんな大好き!」と笑顔を振りまいた。そのままの勢いで「あきらめないDAYS」へと突入すると、ライブはこの日一番の盛り上がりに。そして本編最後には最新アルバム「Light and Shadow」のラストを飾る「大空を目指すあの花のように」が届けられ、DAISHIは「最高の1日でした! ありがとう!」と来場者にメッセージを送った。
ライブ本編は終わったが、会場では“光”と“影”はまだ1つになっておらず、これらを1つにし平和を守るためにはアンコールが必要だというアナウンスが流れる。熱いアンコールによって再びステージに明かりが灯ると、ステージには“ゲルニカ団”との戦いを終えた制服姿のメンバーが登場。彼らは“ゲルニカ団”の姿は見えなくなったが悪しき魂がこの世に存在するのかどうかを不安に思っており、それを確かめるために“ドッペルの剣”を使うことにしたという。悪しき魂がなければ刺しても大丈夫だという“ドッペルの剣”をDAISHIがYURAサマの胸に突き刺すとステージが暗転。明るくなるとそこにはYURAサマの姿はなかった。DAISHIは「世界は救えたけど、やっぱりあのときの僕の行動は間違いだったんだ。僕がしっかりしていたら生徒会長は……」と肩を落とし、仲間たちはそんな彼を励ます。Lidaは「今は4人で前を向いていかんとあかんのや。それが生徒会長の思いや!」と言うとギターを弾き始め、DAISHIはそれに乗せて「BLUE AGAIN」をワンコーラス歌唱。するとDAISHIの歌によってYURAサマが蘇り、5人はそのまま「BLUE AGAIN」を披露した。
「これからの僕たちとみんなの夢と人生にこの曲を贈りたいと思います」というDAISHIの言葉に続いて5人は「REMEMBRANCE」を最後にプレイ。銀テープが舞う中、力強い演奏を繰り広げた。すべての演目を終えた彼らは1人ずつ挨拶をし、DAISHIが「みんなの人生はみんなが主役です。僕たち5人はステージに絶対立ってるんで、つらいときは僕たちに会いに来てください。今日はありがとうございました」とコメントを締める。最後は会場にいる全員で輝かしい未来を願って、おなじみの“ロケットジャンプ”をしてツアーを終えた。
関連する特集・インタビュー
Psycho le Cemu「TOUR 2018 Doppelganger」2018年5月12日 チームスマイル・豊洲PIT セットリスト
第1部 ~ゲルニカ団 漆黒の48時間~
01. Revenger - 暗闇の復讐者 -
02. ノスフェラトゥ
03. インドラの矢
04. [feel on the dark]
05. one day
06. クロノス
07. 哀しき獣
08. 蒼い星
09. LOVE IS ALIVE
10. 凛 ~愛する者のために~
11. 魅惑のスィング!
12. 激愛メリーゴーランド
13. 2020
14. 摩天楼カオス
15. 聖~excalibur~剣
16. Mind Core
17. Liberty, babies
18. 漆黒のゲルニカ
19. LOVE IS DEAD
<アンコール>
20. 絶望のゲルニカ
21. 銀狼
22. LAST EMOTION -Long ver.-
23. Murderer・Death・Kill
第2部 ~PLC学園 最期の48時間~
01. JUNGLE×JUNGLE
02. MEGATRON -Upper Ver.-
03. 妄想グラフィティー
04. クロノス
05. 絶望のゲルニカ
06. one day
07. STAR TRAIN
08. 愛の唄
09. LOVE IS DEAD
10. You&Me
11. 未来少年×未来少女
12. 想い出歩記
13. BLADE DANCE
14. 大江戸旅ガラス
15. Revenger - 暗闇の復讐者 -
16. 2020
17. 道の空
18. Liberty, babies
19. 摩天楼カオス
20. Murderer・Death・Kill -Long ver.-
21. あきらめないDAYS
22. 大空を目指すあの花のように
<アンコール>
23. BLUE AGAIN
24. REMEMBRANCE
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