「小説の授業」の講師を担当したのは小説家の宮木あや子。テレビドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」のもととなった「校閲ガール」シリーズの作者である彼女は著書「憧憬☆カトマンズ」に「さくら学院」の名前を登場させている。なお本イベントに岡崎百々子は課外授業のため不参加となった。
1時限目には山出愛子、藤平華乃、田中美空、八木美樹が出席。さくら学院担任の森ハヤシのコスプレをした宮木が登場すると4人と来場者は驚きの声をあげた。宮木は「さくら学院の先生と言えば森先生。見慣れたものだったら緊張させないであろうという気遣い」で森ハヤシのコスプレをそろえたという。1時限目は「シンガーソングライターを目指すが語彙力が壊滅的にない」という山出のリクエストで「素敵な言葉の見つけ方」をテーマにした授業に。まずは単語や写真などのお題から想像する言葉や文を次々と挙げていくブレインストーミングという方法で、彼女たちの言葉を引き出していく。
「空」という単語から想像するものとして生徒たちは「嵐」「水色」「虹」「太陽」などを挙げる。その後はさまざまな空の写真を見ながら思い付いた言葉を口にしていく。海辺のロケーションで、うろこ雲が浮かぶ空の写真を見た八木は「海の上に雲の粒」と発言し、宮木は「純文学の先生が『既存の形容詞は使うな』と言っていました。なので『粒』という表現はいいですね」と彼女を褒めた。
続いては海の写真を見て4人がそれぞれ感想を口にする。ゴツゴツとした岩が立ち並ぶ海岸の写真について藤平は「岩が大きいのも小さいのもあってどれも成長し続けている」とコメント。宮木は「実際は海の岩は削れていくものだから成長はしないけれど、ファンタジー小説だったらアリ」と、藤平の発想を評価した。最後に4人はそれぞれ「私と空」「私と海」の関係を100文字程度で書くことに挑戦。全員「私と海」をテーマに選び、藤平は海で魚と泳ぐ自分のこと、田中は夏の海を泳ぐ自分のこと、八木は岩の上で波しぶきを浴びる自分のこと、山出は中等部3年の3人で夏の海に訪れる様子を想像し、それぞれ朗読。山出のドラマティックな文章を宮木が「言うべきことはない」と褒め、1時限目は幕引きとなった。
麻生真彩、吉田爽葉香、有友緒心、森萌々穂が出席した2時限目は“人”を描写する内容に。まずは担任の森ハヤシのポーズや表情から、今彼が何を考えているのか、どういう状況なのかを第3者に伝えるべく言葉にしていく。宮木から「年齢はいくつぐらい?」という質問が飛ぶと、有友は「これって低めに言ったほうがいい感じですか?」と発言し、父兄(さくら学院のファン)を爆笑させた。その後4人は人物が写ったさまざまなシチュエーションの写真を見ながら、登場人物たちの関係性や取り巻く状況を説明。ハート型の風船を手にした3人の少女が海に裸足で浸かる写真やヒマワリの花を2輪手にした幼女の写真などが題材に挙げられ、生徒たちは次々にそれらの写真を自分の言葉で表現していく。森萌々穂は無人駅に1人の女の子が佇む写真を見て「彼氏と2人で彼氏の実家に挨拶に来た。写真を撮ったのは彼氏」と、写真に写っていない人物やこの写真がどのようにして撮られたのかを想像し、宮木らを感嘆させた。
最後に4人は「自分がもしほかのさくら学院のメンバーだったら」というお題で文を執筆し、自ら朗読。有友はどんな状況でもキャラを突き通す森萌々穂への尊敬の念を文章に込め、森萌々穂は「ミュージカル『黒執事』-Tango on the Campania-」に出演中の岡崎の気持ちになりきって、初めてのミュージカルのステージへと向かう様子を丁寧に描写した。麻生は尊敬する岡田のようになりたいという思いを熱心につづり、それを読み上げる。吉田は同期であり同学年の藤平と自分との違いを簡潔にまとめ、藤平のようなポジティブな人間になりたいとアピールした。全員の文章にアドバイスをし終えた宮木は「ちゃんと起承転結のついた文章を書いてもらえるとは思わなかったのでうれしかったです」とコメント。2時限目はこれにて終了となった。
3時限目には山出、岡田愛、日高麻鈴、新谷ゆづみが出席。彼女たちは2時限目と同じように人物写真を使って登場人物の置かれている状況やバックボーンなどを説明したあと、事前に執筆してきたオリジナル小説を披露した。各メンバーの小説をその場で宮木は添削。小説を“磨く”行程を来場者に見せた。新谷が書いてきたのは、思うようにダンスのレッスンについていけず仲間の足を引っ張ってしまう主人公の夢と現実を描いた物語。彼女に宮木は時系列を整理するとよりいい作品になるとアドバイスした。未完のまま披露されたのは日高の小説。日高は寂れた書店の一角で起こる不思議な出来事をつづり、ファンタジーな世界に観客を引き込んだ。日高の小説の内容に岡田は「続きを早く読みたいです! ファン1号です!」と大興奮。宮木は具体性に欠ける部分を指摘しながらも「とりあえず早く仕上げて!」と完成を待ち望んだ。
続いて披露されたのは岡田の小説。岡田は1粒食べるごとに1つ願いが叶うという魅惑的なチョコレートを手にしたアイドルグループの少女が、欲望の赴くままにそのチョコレートを食べ、変わり果てた姿になってしまう様を描いた。宮木はこの小説のストーリーを絶賛。「気になるところを直して児童文学賞に応募してほしい」と岡田に提案した。最後に発表をすることとなった山出はかつて心の声が“聞こえた”少女が、カメラのファインダーを通じて心の声が“見える”ようになるが、見たくなかった心の声を見てしまい、その能力を封印するという物語を執筆。森ハヤシの実話エピソードを盛り込み、来場者を笑わせた。山出が3度も推敲し、完成させたという小説を宮木は「とてもよくなった」と褒め、「書いてて楽しいと思えることが大切です。そうじゃないと読み手も楽しくない。みんなびっくりするくらいよく書けているので趣味でいいから物語を書くことを続けてほしい。本当にありがとうございました」と授業を締めくくった。
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