ExWHYZが7月30日に1stシングル「iD」をリリースした。
2024年7月発売のEP「Sweet & Sour」から実に1年ぶりのリリース作品となった「iD」は、前進する意志やグループのアイデンティティを改めて示すタイトルナンバー、リリースを前にライブで初披露された「SHOWTIME」を含む全4曲入りのシングルだ。音楽ナタリーでは、充実した活動を続ける4人にインタビュー。以前にも増して洗練された4人はどんな思いを抱いて、歩みを進めてきたのか?
取材・文 / 西澤裕郎撮影 / 大橋祐希
ExWHYZに見る“強そうな主人公”感
──最新のアーティスト写真やミュージックビデオから、これまで以上にスタイリッシュで洗練された印象を受けたんですが、当人としてその意識はありますか?
mayu 今そう言われて思い出したんですけど、今回のアー写は4人で集合して撮ったものじゃなくて、それぞれのソロカットを編集して並べているんですよ。
──集合のアーティスト写真をソロ撮影で構成するのは、初めてだったんですか?
maho 基本はみんなそろって撮影しているから、あんまりないよね?
yu-ki ExWHYZになってからは初めてかも。
──yu-kiさんは、今回のアー写に洗練された感じやスタイリッシュさを感じましたか?
yu-ki ふうー、うえーえ?
mikina 聞いたことない声出てる! アニメみたい(笑)。
yu-ki すみません……(笑)。4人それぞれに“主人公感”があるように感じる部分はありますね。
──“主人公感”で言うと、先日の東京・新代田FEVER公演のMCで、mikinaさんがメンバーそれぞれをマンガのキャラにたとえて話していましたよね。
mikina みんなメインキャラ感があって、とにかく強そうだなって(笑)。それぞれが違う武器を持っている感じがするし、いろんなマンガに当てはめて、「この子はこのキャラだな」って勝手に考えちゃいました。そういう想像をするのが好きなんです。
──あのときは、固有のマンガキャラにたとえていたんですか?
mikina 最近ハマっている「SAKAMOTO DAYS」というマンガのキャラに勝手にたとえていました(笑)。
──そんなmikinaさんは最近、SNSにおいてビジュアル面での反響がすごく大きいですよね。そういう部分は、グループにどう影響していると感じますか?
yu-ki mikinaちゃんがバズったことによって、「そこからExWHYZを知りました」っていう人がけっこういて。リリースイベントにも「mikinaちゃんきっかけで会いに来ました」みたいな方が来てくれたりするんです。
maho mikinaちゃんは自分の見せ方とかあり方に対して、すごくこだわりを持っていて。ちゃんと自分の軸を持っているからこそ、それがライブにも生きているし、SNSでの反響にもつながっている。
mayu これまでやってきたことが結果になって、ちゃんと形になっているのって、すごく自信につながると思うんです。SNSでの発信はmikinaちゃんが一番自信を持ってやれていることでもあるし、それがグループにいい影響を与えているなと思います。
mikina 私は「ExWHYZのエリアに興味・関心を持ってこれちゃえばこっちのもんだ!」と思っているので(笑)。メンバーみんな自分のキャラにもっと自信を持っていいよって常々思っているから、そういうのも目指しつつ、自分の自信にも変えてSNSの発信をしていますね。
今のmikinaから見た今のyu-ki、mayu、maho
──改めて、mikinaさんから見た、ほかの3人の主人公感を改めて聞かせてもらえますか?
mikina まずyu-kiちゃんは、見た目はすごくクールで美しいんですけど、隠し切れない底力というか、内側のパワーみたいなものがあるんですよ。見た目に現れていない筋肉を持っているというか。それがライブでは出ている。あと、実はすごく仲間思いで、しゃべると明るい。最初はちょっと怖い人なのかな?って躊躇するかもしれないけど、どんどん引き寄せられていく力がある。姉さん!みたいな感じで、心を持っていかれるキャラクターです。
──ではmayuさん、mahoさんについては?
mikina mayuちゃんは、ExWHYZの柱ですね。最近は特に、自分の存在そのものをちゃんと受け入れて、これが自分です、バン!って出している感じがすごくしていて。それがまたすごく素敵なんですよ。私が言うのはおこがましいんですけど、自分自身を愛して、それをそのまま出せているというか。しかも暴れながらも芯を持ってやってる感じがあって。それがパフォーマンスにも全部表れているし、「この人がExWHYZにいてくれてよかったな」って、きっとファンの誰もが感じていると思います。“生き様系”なのがまたいいんですよね。mahoちゃんは、ずっと秘めてる何かがある人っていうイメージ。だからこそ、どんどん知りたくなるんです。mahoちゃんに対する印象って、たぶんお客さんごとに全然違うと思うんですよね。4人の中で、一番見え方が人によって違うかもしれない。
mayu mahoちゃんって“海の底だけで会える人”みたいだよね。竜宮城に住んでいる人みたいな(笑)。自分の気持ちを言葉にして、あんまり撒き散らさないで、歌詞とかブログとか、ちゃんと形にして落とし込んでる。自分からいかないと、mahoちゃんの心には触れられない。それがまたドキッとするというか。すごく丁寧に世界を作っている人って感じがする。
yu-ki 主人公の隣にいる冷静沈着な人気キャラみたいな。敵に回ったら超怖い、みたいな。
maho 私、敵になるの?(笑)
一同 ははは。
yu-ki それぐらい、内に秘めているものがあるっていうこと(笑)。
mikina 確かに。やるときはちゃんとやるって感じもある。私的には、3人ともそれぞれ頼れる存在なんですよ。だからこそ、みんなメインキャラって感じがする。
ExWHYZの“存在証明”
──1年ぶりの新作にして初のシングル作品「iD」がリリースされました。タイトルトラック「iD」は4人が歌詞を共作していますが、どのようなテーマ、思いを込めて書いたんでしょう?
mayu iD=存在証明で、「これがExWHYZです」と示すような作品にしたいという構想が最初からあったので、そのテーマに沿って、それぞれの感性で書いていきました。
──yu-kiさんは、どんなことを意識しながら歌詞を書かれましたか?
yu-ki 「負けたくないよね」っていう、今の自分の中にある強気な気持ちを歌に乗せたいと思って書きました。私たちはもっともっとできるっていうのを、ちゃんと歌で伝えたくて。
──負けたくないというのは、何に対してですか?
yu-ki 自分自身にもなんですけど、もし「あのグループもうダメでしょ」って周りに思われていたら腹が立つじゃないですか? 自分の中の燃えたぎるものというか、いい意味で裏切ってやりたいというか、まだまだいけるぞっていうのを見せたいと強く思いながら書きました。
──mikinaさんはどうですか?
mikina 今思い出したんですけど、歌詞を書きながらちょっとキレていたかもしれない(笑)。今まであえて言わなかった気持ちとか、ずっと燃えていたけど表に出してこなかった感情をためらわずに出そうと思って。このタイミングで出さなかったらいつ出すの?って思ったんですよね。そんな気持ちをバーッと書きました。私たちのことをちゃんと知ろうともしてないのに、強い言葉で語る人たちに対して、「私たちは自信を持って、こういう自分たちを出してます」っていうメッセージを伝えたかったんです。
──mahoさんは「iD」の作詞にあたって、どんなことを考えていたんですか?
maho 私の場合は、「ExWHYZは今こういう感じです」と状況を示すよりも、「これからどうなっていきたいか」という意気込みを伝えたい気持ちが強かったですね。ここから自分たちの「iD」を作って、形にして示して、生きていくっていうリアルな温度感を描きたかった。なので、変に背伸びしたり、強い言葉だけに寄せたりしないようにしようって、自分の中ですごく意識していました。
──今のExWHYZとしてのリアルな温度感を描いていると。
maho 作詞しているときは、ずっとそれを表現したいと思ってました。
──mayuさんも頷いていましたけど、ほかのメンバーの話を聞いて、どう感じましたか?
mayu ホントにその通りだなって。私も「これからマジでやってやる!」っていう気持ちで書いていて。その結果、強い歌詞や楽曲になったっていうだけで、今の自分たちにとってすごくよい作品になったなと思っています。今回制作に携わってくださったクリエイターの方々って、今までずっと一緒にやってきた人たちなんですよね。それも心強かったし、そういうメンバーやスタッフの皆さんと一緒に思いっ切りやったうえで、これから先の未来を作っていく。そんな気持ちを落とし込めたのが、すごくよかったと思います。
次のページ »
4人4色の個性が詰まった“フリースタイル”なMV