最新アルバム「ゅ 13-14」を携えて9月3日にスタートしたツアーも、いよいよ終盤戦。メンバーは約3カ月にわたるライブ三昧の日々を経て磨き上げたバンドサウンドと、脱力気味のMCやゆるい演出のギャップで集まった観客を楽しませた。
開演時刻を迎え、サンバのSEをバックに踊りながら登場した5人は、SEの流れを汲む形で「ゅ 13-14」より「サンバ de トゥナイト」をオープニングナンバーとして披露。さらに「すばやくなりたい」や、ロカビリーテイストの「頼みたいぜ」など陽気なナンバーで、自分たちの世界に会場を染め上げていく。盤石のアンサンブルを奏でながらも、奥田民生は冒頭で「サンプラザ公演のときは真面目にやりましたが、追加公演ですから!」とアピール。さらに「ツアーは残りわずかですけど、1人も欠けることなくやってきたね。何が起こるかわからないから。体と相談しながらがんばりますんで」とマイペースにライブを進行していく旨を明かした。
ライブの中盤以降は、メンバーそれぞれがリードボーカルを務めるナンバーが続く流れに。「オーレオーレパラダイス」で手島いさむがハンドマイクでステージを練り歩きながら歌い上げれば、川西幸一はフォークシンガーのような出で立ちでギターを抱えたまま「僕等の旅路」を熱唱。さらにEBIは「CRY」と「道」の2曲を連続でパフォーマンスし、堂々としたステージングを繰り広げる。ソロコーナーがひとしきり終わると、奥田が「ここらでユニコーンの曲を……気を取り直して!」と冗談めかしながら「マイホーム」を歌い、まったりとした空気を醸し出す場面も。かと思えば5人はハードロックチューン「オレンジジュース」を叩き込んだり、ABEDONがギブソン・フライングVをかき鳴らし「TEPPAN KING」を熱唱したり、アグレッシブなナンバーも届けた。
本編がつつがなく終わりアンコールに突入するも、「WAO!」の間奏でABEDONが大暴走。彼はおなじみの変声機で声を変えながら、メンバーに次々とムチャ振りをする。「ダンスがうまい」と言われた手島、川西、EBIの3人はそれぞれパラパラを踊ったり、傘を使ってダンスをしたり、「ランニングマン」を披露したりと大忙し。また奥田は「モノマネが上手なんですよね?」と大友康平、矢沢永吉、松田聖子などのモノマネを強要され必死の形相に。最後の武田鉄矢のモノマネをする頃には思わず失笑してしまうほどだった。当のABEDONはLEDソールの光るスニーカーを履き、白いジャケットを着用して華麗なステップを踏んだかと思えば、メンバーを巻き込みつつサンプラーで遊んだり、「おどるたい焼きくんのタタキ」を観客と一緒にカタカタと鳴らしたりとやりたい放題の演出で観客を笑わせる。しかしシュールな空気は、ダブルアンコールで演奏された「Feel So Moon」で一変。骨太なバンドサウンドと奥田の力強い歌声が、ホール中に響きこの日のライブは終了した。
なお「ユニコーンツアー2016『第三パラダイス』」は、12月17、18日の沖縄・沖縄コンベンションセンター公演をもって終幕する。
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