このツアーは彼らが6月に発売した最新アルバム「心臓文庫」を携えて7月にスタートさせたもの。最終日のこの日は、バンドにとって最大キャパシティの会場でのワンマンライブとなった。
ライブはアルバム同様「罪之罰」で幕開け。真一ジェット(Key)の奏でる流麗なイントロに乗せて、松川ケイスケ(Vo)が「お待たせしました、LACCO TOWERです。どうぞよろしく!」と挨拶すると、バンドはエモーショルかつタイトな演奏を繰り出した。
その後も彼らは松川が色気たっぷりに歌い上げた「蜂蜜」、フロアでクラウドサーフやモッシュが巻き起こった「柘榴」など、アップチューンを畳み掛けていく。「傷年傷女」ではツアー中に右足を骨折した真一がショルダーキーボードを手に、ステージ上を動き回ったり、ステップを踏んだりと、回復ぶりをアピールした。
細川大介(G)による物憂げなフレーズから始まった「蛍」では松川がマイクスタンドを握りしめて丁寧に歌唱。さらに「珈琲」「世界分之一人」としっとりしたナンバーが続き、場内には切ないムードが広がった。そのムードを一変させたのは、疾走感あふれる「未来前夜」。演奏前には松川が「どうしても強い人になれなくて。『夢はいつか絶対叶うよ』『明日は絶対いい日になる』なんて絶対言えないんです。でも1つだけ……『明日はたぶんいい日になる』ってみんなと一緒に思うことはできる。明日はきっと素晴らしいと、一緒に思いましょう!」とメッセージを送り、ファンはじっと彼の言葉に聞き入った。
真一のケガの全快を願って手拍子が発生した「鼓動」からライブは後半戦へ。重田雅俊(Dr)のドラミングはより勇ましくなり、真一はキーボードの椅子に立ち上がってプレイ。塩崎啓示(B)と細川はジャンプしたり、ステージ上を走り回ったりと、ダイナミックなパフォーマンスで場内をヒートアップさせる。最後に松川が「笑顔で帰れよー!」と叫び、バンドは明るくなった会場で「薄紅」を届けた。
アンコールではメンバー全員が今回のツアーの感想を述べる。真一は全会場でアンコールの際に“ラッココール”が発生したツアーは初めてだと目を輝かせ、塩崎は「15年目もいつまでもチャレンジャーでありたい。まだまだ若いヤツには負けたくねえ!」と今後の展望を口にする。松川は何度も「ありがとう」と言葉を重ねてから「何かあったらいつでもここに帰ってきてください。スーパーヒーローにはなれませんが、あなたたち1人ひとりのヒーローがつらいときにヒーローになれますように」と語り、バンドはサビで「『ありがとう』」という歌詞が登場する「相思相逢」を、優しい表情で届けた。
再びの“ラッココール”を受けて行われたダブルアンコールで4人は「一夜」をドロップする。最後には松川がフロアの最前列へ進み、ファンの大合唱を受ける。大盛り上がりのうちにバンドは全国ツアー「心造旅行」を締めくくった。
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LACCO TOWER「『心臓文庫』リリースツアー“心造旅行”ファイナル」
2016年11月12日 ステラボール セットリスト
01. 罪之罰
02. 奇妙奇天烈摩訶不思議
03. 楽団奇譚
04. 蜂蜜
05. 柘榴
06. 傷年傷女
07. 蛍
08. 珈琲
09. 世界分之一人
10. 未来前夜
11. 鼓動
12. 共鳴
13. 非幸福論
14. 秘密
15. 林檎
16. 薄紅
<アンコール>
17. 相思相逢
18. 灯源
<ダブルアンコール>
19. 一夜
※塩崎啓示の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。
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