ジョン・B、トータス、民生らルーツだらけ全23曲を熱唱

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ジョン・B・チョッパーがホストを務めるライブイベント「M-ON! presents MUSIC JOURNEY with JOHN.B's TRAVELLIN' BAND」が7月21日にZepp Tokyoで開催。トータス松本奥田民生スチャダラパー、伊藤ふみお、木村充揮といったゲストボーカルも参加し、自身の音楽的ルーツとなった楽曲を披露した。

アンコール終了後には満員のフロアをバックに記念撮影。

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バンドリーダーとしてTRAVELLIN' BANDを率いたのみならず、ボーカルまで披露したジョン・B・チョッパー。演奏面では渋いベースでバンドの屋台骨を支えた。

バンドリーダーとしてTRAVELLIN' BANDを率いたのみならず、ボーカルまで披露したジョン・B・チョッパー。演奏面では渋いベースでバンドの屋台骨を支えた。

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熱唱するトータス松本。奥田民生とは、アンコールで登場したときかぶっていた帽子をめぐり「だから帽子浮いてるって!」とからかわれるなど、あいかわらず仲が良い様子だった。

熱唱するトータス松本。奥田民生とは、アンコールで登場したときかぶっていた帽子をめぐり「だから帽子浮いてるって!」とからかわれるなど、あいかわらず仲が良い様子だった。

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開演が迫った18時55分、観客がざわめく中、ステージに設置されたスクリーンが点灯。おもむろに「MUSIC ON! TV」の開局10周年記念「ミーハー魂!ステーションID」が流され、客席から驚きの声が上がる。これは、奥田民生とトータス松本が出演し、M-ON!開局10周年コンセプト「ミーハー魂!」にもとづいてフリートークを繰り広げたもの。トータスがサーフィンの魅力を執拗に民生に語る様子に、オーディエンスから忍び笑いが漏れる。映像の最後に、THE BEATLES「Let it be」のメロディに乗せた即興のステーションコールが流れると、大きな拍手が沸いた。その後、トータスがカリフォルニアでサーフィンを極めた「M-ON! 10周年記念番組 MUSIC JOURNEY トータス松本 ~surf trip in California~」、民生がアメリカ南部でヴィンテージカマロを探した「M-ON! 10周年記念番組 MUSIC JOURNEY 奥田民生 ~さすらい 俺の夏休み~」といった、アーティストの「ミーハー魂!」を叶えるべく制作された番組の紹介を挟み、いよいよライブがスタート。

オープニングSEとしてエルヴィス・プレスリーの「Mystery Train」が流れる中、JOHN.B's TRAVELLIN' BANDの面々が登場。まず挨拶代わりの1曲として演奏されたのは、ジミ・ヘンドリックス「Hey Joe」のインストバージョンだ。メンバーは全員お揃いの黄色いスーツに身を包み、ブルースロックの名曲を熱く鳴らしていく。

2曲目からは早くも伊藤ふみおがゲストボーカルとして参加。BOB MARLEY & THE WAILERS「One Love」をKEMURI演奏バージョンで歌い終わると、「自分のルーツミュージックを歌うってことで楽しみにしてきました」と参加動機を口にする。するとホストのジョン・Bが「ふみおさんとは去年(M-ON!の企画で)富士山に登ったときに知り合ったんだけど、あのときは遭難したらふみおさんについていこうと思ってた(笑)」とエピソードを披露。続いて伊藤はTHE SPECIALS「Monkey Man」、BAD MANNERS「Lip Up Fatty」を激しく踊りながら熱唱。曲の合間にはハイジャンプで観客を沸かせ、颯爽とステージを降りていった。

伊藤が去った後は、再びTRAVELLIN' BANDがインスト曲を演奏。ジャズピアノ奏者ラムゼイ・ルイスが1965年にリリースした「The In Crowd」だ。8ビートのファンキーな楽曲に、客席では心地良さそうに体を揺らす人が多く見られる。続いてジョン・Bがマイクをとると「こんばんは。……いやー、あかん!楽しい!」と喜びをかみしめるように語る。「今日はルーツミュージックをやるってことなんですけど、ただ好きな曲をやろうと(笑)」と改めてこの日のコンセプトを語ると、次のゲスト・スチャダラパーのSHINCOを呼び込み、THE METERS「Funky Miracle」をプレイ。グルーヴィーなバンドの音にSHINCOのスクラッチが絡む絶妙な演奏に、フロアからは拍手が上がる。

さらにBOSEとANIがステージに登場。まずはBOSEが「みなさんが知らない曲ばっかりやってるのは知ってますよ」と観客を笑わせ、彼らにとってのルーツミュージックであるDE LA SOULについて「ニュースクールの人たちなんだけど、そのころラップっていうとみんなマッチョでゴールドチェーンで。俺もラップ好きだけれどいつかは体鍛えなきゃいけないのかなぁって思ってたころに出てきた彼らがもうくにゃくにゃで!『あ、これでいいんだ』って思った」とその思い入れを明かした。

そして宣言どおりDE LA SOUL「Me, Myself And I」を披露した後、今度は日本語ラップの元祖・いとうせいこう&Tinnie Punx「東京ブロンクス」を披露。両手を上げて盛り上がるオーディエンスを前に、ゆるいパフォーマンスでその魅力を見せつけた。

ジョン・Bの「生まれて初めてラップ演奏したわ(笑)。なんや自分がシャレた人間になったみたいや」というMCを挟み、今度はTRAVELLIN' BANDがBOOKER T. & THE MG'S「Melting Pot」をディープに演奏。そして次のゲストボーカリスト・木村充揮をステージに招く。

ニコニコと笑顔を浮かべて登場した木村は、マディ・ウォーターズ「Hoochie Coochie Man」をハスキーボイスでブルージーに熱唱。客席から飛ぶ「木村ー!」という声に「誰がアホじゃ!」と返すひょうきんな面も木村の持ち味だ。続く「Shake Your Money Maker」(エルモア・ジェームス)ではトータス松本がスライドギターで参加し、楽曲に彩りを添える。ジョン・Bが「うれしい、2人が一緒に演ってる姿を一目見たかった」と瞳をうるませるほどのレアなコラボレーションの後は、マディ・ウォーターズ「Got My Mojo Workin' (Part 2)」を歌い上げ、ブルース一辺倒の木村のコーナーは幕を閉じた。

ジョン・Bがバンドメンバーの伊東ミキオ(Key)とともに、「Crying in the Rain」(EVERLY BROTHERS)&「Choo-Choo ガタゴト」(細野晴臣)でボーカルを披露するというサプライズを経て、ミドルバラードの「Sleep Walk」(SANTO & JOHNNY)をインストで演奏。

続いて呼び込まれたゲストボーカリストは奥田民生。缶ビールを片手に登場した民生は「お願いしまーす!」と元気良く挨拶し、フロアに笑いが起きる。「はぁ、今日はこういうお客さんでしたか。んじゃやりますよ」というかけ声で始まったのは、リトル・リチャード「Tutti Frutti」。ソウルフルな民生のボーカルがZeppの天井を震わせる。かと思えば「次はロックンロールを作った人の曲をやります。知ってました?(ロックンロールを作ったのは)僕じゃないんですよ?」とゆるいトークで場をなごませる。そしてチャック・ベリー「Sweet Little Rock And Roller」を熱唱し、あっという間にステージを去っていった。

続いてTRAVELLIN' BANDが「Soul Finger」(THE BAR-KAYS)をインストで演奏。ハモンドオルガンの音が小気味良いブルース進行の楽曲に、観客もゆらゆらと気持ち良さそうに体を揺らす。

そして最後のゲストボーカリスト、トータス松本が舞台に登場。先ほどとは衣装を着替え、まだ目新しい坊主頭にスリムなジャケットを羽織ったスマートな出で立ちだ。まずは1曲、ソロシングルのカップリングにも収められた「Mustang Sally」(ボニー・ライス)を、たっぷりのシャウトを織り交ぜて披露。さらにサム・クック「Sugar Dumpling」を歌うと、トータスがよくカバーしている楽曲とありフロアから歓声が沸く。

MCでは「風呂場でバーンとやったんですよ。酒飲んでテンション上がってバーンとやったった」と新しい髪型になった経緯を説明。さらに「せっかく坊主にしてきたんやし、もう1曲ぐらい歌わしてください。さっき終わって帰ってきた民生君見たら汗ひとつかいてなかったからね(笑)、ちょっと体温がもわっとしてるくらいで」と語り、マーヴィン・ゲイ「Stubborn Kind Of Fellow」を熱唱。CMソングとしてお馴染みのナンバーのため、一緒に口ずさむ観客が多く見られた。

いよいよラストとなり、ジョン・Bが「今日は本当にありがとうございました。どうなることかと思ってたけど、好きな曲たくさん弾けてよかったです」と口にし、メンバーを紹介。伊東ミキオ(key)、上原ユカリ裕(Dr)、藤井一彦(G / THE GROOVERS)、京子&ソルティーン(cho)、武島聡(SAX / EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX)、川崎太一朗(Tr / EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX)を順に紹介していく口調には、それぞれのメンバーへの感謝と愛情がこもっている。そしてTHE CRUSADERSの代表曲「Way Back Home」をゆったりと鳴らし、充実の本編は終わりを迎えた。

バンドメンバーが袖に下がった後、フロアからはすぐさまアンコールを求める拍手が鳴り響く。それに応えて姿を見せたTRAVELLIN' BANDのメンバーは、これまたお揃いのTシャツに着替えて登場。ジョン・Bが開口一番「このイベント、どうかなぁ?」とライブの感想を問いかけると、この日一番の拍手が沸き起こる。安心したように笑顔を浮かべると「ではもう一度ゲストボーカルを呼びたいと思います」とこの日ステージをにぎわせたゲスト全員をステージに招く。そして最後にTHE BAND「The Weight」の日本語カバーを全員で熱唱し、圧巻のステージは幕を閉じた。

なお、この日の模様はMUSIC ON! TVで9月29日(火)19時より放送決定。2時間にわたる番組で当日の模様をつぶさに伝えるほか、ドキュメント映像も織り交ぜてオンエアされる。またイベントオフィシャルサイトでは、それぞれのアーティストが演奏したセットリストの選曲理由を公開中。彼らのルーツミュージックをコメントとともに振り返ることができるので、気になる人はあわせてチェックしておこう。

2009年7月21日「M-ON! presents MUSIC JOURNEY with JOHN B's TRAVELLIN' BAND」
@Zepp-Tokyoセットリスト(カッコ内は原曲アーティスト)

01. Hey Joe(ジミ・ヘンドリックス)
02. One Love(BOB MARLEY & THE WAILERS)
03. Monkey Man(THE SPECIALS)
04. Lip Up Fatty(BAD MANNERS)
05. The In Crowd(ラムゼイ・ルイス)
06. Funky Miracle(THE METERS)
07. Me, Myself And I(DE LA SOUL)
08. 東京ブロンクス(いとうせいこう&Tinnie Punx)
09. Melting Pot(BOOKER T. & THE MG'S)
10. Hoochie Coochie Man(マディ・ウォーターズ)
11. Shake Your Money Maker(エルモア・ジェームス)
12. Got My Mojo Workin' (Part 2)(マディ・ウォーターズ)
13. Crying in the Rain(EVERLY BROTHERS)
14. Choo-Choo ガタゴト(細野晴臣)
15. Sleep Walk(SANTO & JOHNNY)
16. Tutti Frutti(リトル・リチャード)
17. Sweet Little Rock And Roller(チャック・ベリー)
18. Soul Finger(THE BAR-KAYS)
19. Mustang Sally(ボニー・ライス)
20. Sugar Dumpling(サム・クック)
21. Stubborn Kind Of Fellow(マーヴィン・ゲイ)
22. Way Back Home(THE CRUSADDERS)

EN01. The Weight(THE BAND)※日本語詞カバー

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絵空事はブルー#Groovism @GR6969

ジョン・B、トータス、民生らルーツだらけ全23曲を熱唱 - 音楽ナタリー

2009年7月のライブ。 https://t.co/wlZOMFNDxg

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