笑いあり地獄ありゾンビあり「SATANIC CARNIVAL」で21組が熱演

5

517

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 161 323
  • 33 シェア

PIZZA OF DEATH RECORDS主催のライブイベント「SATANIC CARNIVAL'16」が6月4日に千葉・幕張メッセ 国際展示場9-11ホールにて開催された。

「SATANIC CARNIVAL'16」の様子。(Photo by Yosuke Kamiyama)

「SATANIC CARNIVAL'16」の様子。(Photo by Yosuke Kamiyama)

大きなサイズで見る(全40件)

イベントには計21組のアーティストが出演。SATAN STAGE、EVIL STAGEの2ステージにわかれ熱演を繰り広げた。またイベントの中盤には華純連による高円寺阿波おどりのパフォーマンスが行われ、さらにイラストレーターによるライブペインティングやフォトグラファーの写真展示、復興支援団体やアパレルブランドブースなどの出展などもあり、来場者は終日さまざまな催しを楽しんでいた。

SATAN STAGE STAGE 前半

WANIMA(撮影:瀧本”JON…”行秀)

WANIMA(撮影:瀧本”JON…”行秀)[拡大]

イベントの開会を宣言したWANIMAはアッパーチューン「いいから」、ヒップホップ調の「Japanese Pride」をハイテンションで連投。FUJI(Dr, Cho)は長渕剛のモノマネをしながらフリースタイルラップを披露して観客を盛り上げた。Crossfaithは「トップバッターのWANIMAがここを天国みたいに盛り上げてくれました。でも俺らはここを地獄にするのが役目だと思ってます。いけるのかー!?」というKoie(Vo)の叫びから「Countdown To Hell」でヘビーなサウンドを轟かせた。

dustboxはMC控えめに「Riot」「Carry On」といったライブアンセムを次々と披露。SUGA(Vo, G)が情感たっぷりな歌声を届けた「Shine Bright」を経て、「Here Comes A Miracle」では観客のシンガロングが場内に広がった。MONOEYESはスコット・マーフィー(B, Cho)がハツラツと歌ったAllisterの「Somewhere On Fullerton」や、細美武士(Vo, G)の伸びやかなボーカルを聴かせた「明日公園で」を連投しオーディエンスのテンションを引き上げる。さらに細美の「最高の休日だね。梅雨が来る前にパーっといっとこう!」という言葉から、バンドは「Run Run」「グラニート」を熱演した。

HEY-SMITH(Photo by Yosuke Kamiyama)

HEY-SMITH(Photo by Yosuke Kamiyama)[拡大]

HEY-SMITHはアグレッシブなスカチューン「Endless Sorrow」「Download Me If You Can」で、フロアをスカダンスだらけに。「やりたいことやってるかーい!!」とオーディエンスに尋ねた猪狩秀平(G, Vo)は「みんなで頭おかしくなりましょう! 俺らに任せとけ!」と自身満々で宣言する。「Come back my dog」ではイイカワケン(Tp)と満(Sax)もステージ上を走りまくり、6人は全身全霊のパフォーマンスで観客を楽しませた。スリリングなナンバー「Survivor」でフロアの雰囲気を引き締めたのはMAN WITH A MISSION。「database」では10-FEETのTAKUMAがゲストとして登場し、Jean-Ken Johnny(G, Vo)と共に息ぴったりの掛け合いを披露していく。ファンと共におなじみの振り付けで踊った「FLY AGAIN」ではDJ Santa Monica(DJ)が客席に乗り込んでいき、もみくちゃになりながらアジテートする一幕も見られた。

EVIL STAGE

TOTALFAT(Photo by Teppei Kishida)

TOTALFAT(Photo by Teppei Kishida)[拡大]

EVIL STAGEはオープニングアクト・bachoの熱くエモーショルなライブで幕開け。続くTOTALFATは「イベントの火付け役を任されたわけだけど、トドメを刺しに来たんだ」というJose(Vo, G)の言葉通り、パーティチューンを繰り出し、早速フロアに大きなサークルを発生させる。ジャパハリネットは「この日唯一のカタカナ表記のバンド」と笑いを誘いながらも、デビュー曲「哀愁交差点」から再結成後初めての新曲「リフェ」まで新旧の楽曲を届けていった。あやぺた(Vo, G)が「1990年、平成生まれ、ハイスタ育ち、Dizzy Sunfist始めます!」と宣言してから始まったDizzy Sunfistは疾走感あふれるメロディックパンクサウンドに女性ツインボーカルを乗せて駆け抜けていく。あやぺたはさらに「PIZZA OF DEATHにずっと夢を見させてもらいました。でも今回は夢を叶えさせてもらいました!」と「SATANIC CARNIVAL」初出演の喜びを爆発させた。

AA=は打ち込みと歪んだバンドサウンドを融合させ、ヘビーな空気を漂わせていった。続くATATAは最初に「Star Soldier」をPIZZA OF DEATHに贈り、変則的なビートに乗せた「1 Nite Wonder」やBlurのカバー「Song 2」などでオーディエンスを踊らせていく。「Song Of Joy」では盛大なシンガロングを響かせ場内を感動的なムードで包んだ。The BONEZはJESSE(G, Vo)がステージに姿を現すなりオーディエンスを煽り、会場を一気にヒートアップさせる。JESSEはステージの端から端まで走り回っても飽き足らず、「Louder」ではフロアに下りファンに支えられるように歌唱してオーディエンスを熱狂させた。

「Unscramble」でフロアを揺らしたのはG-FREAK FACTORY。茂木洋晃(Vo)は「(タイムテーブルがかぶってる)マンウィズ観なくていいのか!?」と観客に確認し、歓声を浴びると「馬鹿野郎! 大好きだ!」と笑顔を見せた。ラストナンバー「EVEN」で彼はライオンのかぶりものをして温かな歌声を響かせた。続くアクトは「SATANIC CARNIVAL」常連であるSHANK。庵原将平(Vo, B)は「『SATANIC CARNIVAL』に愛を込めて」と「Set the fire」をハツラツと歌唱した。また松崎兵太(G, Cho)はライブ中に突如「俺キンタマ1個しかないやん?」とつぶやき、パンツを下ろして場内を沸かせていた。

NAMBA69(Photo by Yuji Honda)

NAMBA69(Photo by Yuji Honda)[拡大]

NAMBA69はko-hey(G, Cho)加入発表後初のライブ。さまざまな年齢層のフロアを見渡し難波章浩(Vo, B)は「世代とか関係ないよね。俺も仲間に入れてよ!」とフレンドリーに話しかけ、終始演奏を楽しむ様子を見せていた。一方Crystal Lakeはハードチューン「Prometheus」「Matrix」を冒頭からドロップしていく。メロディアスなギターフレーズが印象的な「Beloved」では、CrossfaithのKoieもステージに乱入。メンバー全員で絶え間なくヘッドバンキングしつつ煽った「Rollin’」で出番を終え、同ステージのトリである04 Limited Sazabysへとバトンをつないだ。

04 Limited Sazabys(Photo by Yosuke Kamiyama)

04 Limited Sazabys(Photo by Yosuke Kamiyama)[拡大]

EVIL STAGEのトリを務めたのは2014年に行われた初年度の「SATANIC CARNIVAL」ではEVIL STAGEのトップバッターとして登場した04 Limited Sazabys。ステージに姿を現したGEN(B, Vo)が「トリまで来ました!」と声を弾ませ、バンドは「Remember」「monolith」というインディーズ時代の楽曲で勢いを付けていった。GENが「かつてない重たいバトンを受け取った」とこの日の出番を改めて噛み締め、ほかのメンバーも感情を爆発させるように迫真の演奏を見せる。そしてバンドは最後に「Terminal」「swim」でさわやかにEVIL STAGEを締めくくった。

SATAN STAGE 後半

SiM(Photo by Yosuke Kamiyama)

SiM(Photo by Yosuke Kamiyama)[拡大]

ものものしい空気が漂う中始まったのは、ヘッドライナーの1組目・SiMのアクト。ステージにはメイクを施してゾンビと化したSiMメンバーが順番に登場する。ふらつきながらもおのおのの定位置までたどり着いた4人は、力を振り絞るようにして「MAKE ME DEAD!」を投下。続く「THE KiNG」ではステージに炎が上がるなど、バンドは大胆な演出でもオーディエンスを魅了していく。2曲を終えるとMAH(Vo)がゾンビの演技を終えることを宣言し、4人は見た目こそゾンビのままであるものの、エネルギッシュに動き回り「Blah Blah Blah」「GUNSHOTS」でさらにファンを踊らせていく。MAHが「悪魔的な声を聞かせて」と煽ってから始まった「CROWS」ではオーディエンスの“悪魔的な声”によるシンガロングが広がり、「f.a.i.t.h」ではウォールオブデスが発生した。

Ken Yokoyama(Photo by Teppei Kishida)

Ken Yokoyama(Photo by Teppei Kishida)[拡大]

Ken Yokoyamaは横山健(Vo, G)の「みんな長丁場で疲れてるんでしょう? でもきっと次やる曲は表で寝てるやつも這い上がってきてくれると思う」という言葉から「I Won't Turn Off My Radio」を演奏し観客を大合唱させる。また横山は観客に向けて「いいバンドがいたらCDを買ったり単独公演に行ったりしてな。そうすると人生が豊かになるんだってさ」「今日来てくれてる10代の子たちが生まれる前からシーンを作って、今もこんなに大きいところでイベントをやってるって素晴らしくないか!? でも今日からこのシーンの一員になってもいいんだからな! 10年経てば君らも10年選手だからな!」と熱いメッセージを送っていた。「Let The Beat Carry On」を前に横山は客席にマイクを投げ、キャッチしたファンによる歌声を合図に演奏を開始。客席にはクラウドサーファーが続出し、場内には熱気が充満していた。

10-FEET(Photo by Yuji Honda)

10-FEET(Photo by Yuji Honda)[拡大]

この日の大トリを務めたのは10-FEET。冒頭からTAKUMA(Vo, G)は「頭振れ!!」と煽り「hammer ska」「VIBES BY VIBES」などのナンバーを投下していった。MCでは昨年の「SATANIC CARNIVAL」出演時と同じく、KOUICHI(Dr, Cho)が特殊効果の使用を試みる。しかしテープとキャノンの量が予想外に少なく呆然。慌てたKOUICHIが何度も起動ボタンを押すと、今度はステージ横で爆発音が鳴り、メンバー全員の度肝を抜くというシーンもあった。新曲「アンテナラスト」の1フレーズを披露するサプライズを挟みつつ、アンコールの「super stomper」ではMAN WITH A MISSIONのJean-Ken JohnnyとTokyo Tanakaも参戦する。最後は「CHERRY BLOSSOM」。改めてド派手な特殊効果が使用され、大団円のうちに「SATANIC CARNIVAL」の幕は下ろされた。

※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

関連する特集・インタビュー

この記事の画像(全40件)

読者の反応

  • 5

クロノ|デザイナー @kurock9

笑いあり地獄ありゾンビあり「SATANIC CARNIVAL」で21組が熱演 - 音楽ナタリー https://t.co/iCf3fL5UHs

コメントを読む(5件)

リンク

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 WANIMA / Crossfaith / dustbox / MONOEYES / HEY-SMITH / MAN WITH A MISSION / SiM / Ken Yokoyama / 10-FEET / TOTALFAT の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。