音楽ナタリー - 最新音楽ニュース

トイス!DISCO!ギタリスト4人が彩ったベボベ決意の日比谷野音公演

1610

Base Ball Bear「日比谷ノンフィクションV~LIVE BY THE C2~」の様子。(撮影:緒車寿一)

Base Ball Bear「日比谷ノンフィクションV~LIVE BY THE C2~」の様子。(撮影:緒車寿一)

Base Ball Bearが4月30日に東京・日比谷野外大音楽堂にて全国ツアー「Base Ball Bear Tour『LIVE BY THE C2』」のファイナル公演を開催した。

ツアー前に湯浅将平(G)がバンドを脱退したことに伴い、Base Ball Bearはフルカワユタカをサポートギターに迎えてツアーを敢行。最終公演ではフルカワ、石毛輝(lovefilm、the telephones)、田渕ひさ子(bloodthirsty butcherstoddleLAMA)、ハヤシ(POLYSICS)という4人がゲストギタリストとして登場した。

「HIBIYA NONFICTION V」と書かれた大きなバックドロップを背にしたBase Ball Bearはまずフルカワと共に「『それって、for 誰?』part.1」でライブの口火を切り、「不思議な夜」「曖してる」とファンキーなナンバーを続けて夕暮れどきの日比谷野音を彩っていった。小出祐介(G, Vo)は最初のMCで「東京の皆さんには直接報告するのが遅くなってしまったんですが」と湯浅の脱退を改めて報告。「Base Ball Bearは3人のバンドとしてやっていくことを決めましたので、これからもよろしくお願いします」とオーディエンスに呼びかけた。そして「この方なしではこのツアーはやり遂げられなかった」とフルカワを紹介すると、フルカワは「ロックスターです!」と挨拶し歓声を浴びた。彼は「今日は解散、活動休止、メンバー脱退とかいろんなことを経験したメンバーがサポートしているので、毒をいっぱいドロップして大人のBase Ball Bearをお見せしたい」とユーモアたっぷりに意気込んだ。

フルカワとバトンタッチしたのは田渕ひさ子。小出は田渕が日比谷野音のステージに立つのはNUMBER GIRL以来だということを説明し、「僕らはNUMBER GIRLを聴いてなかったらこういうバンドになってないですからね。『夕方ジェネレーション』(インディーズ時代の2003年にリリースされたミニアルバム)を出したのがNUMBER GIRLの解散後すぐなんですけど、『NUMBER GIRLのまがいものだ!』って叩かれましたから。その人たちに『10年後同じステージで演奏してんだぞ! 本物いるんだぞ!』と言いたい」と話して観客の笑いを誘う。そして「田渕さんのギターの音色を頭に浮かべながらレコーディングした曲を」という紹介からバンドは「こぼさないでShadow」を披露。「PERFECT BLUE」では田渕の突き抜けるようなギターリフが観客の熱狂を煽った。

続いてのギタリスト・ハヤシはオレンジ色のつなぎにサングラスというおなじみの出で立ちで駆け足でステージに登場。小出は彼に向け「その格好してもらってて言うのはアレですけど、今日はギタリストとして来てもらってるんで『トイス!』って言わないでくださいね」と忠告する。その言葉を快諾したハヤシが「盛り上がっていこうぜー!」とハイテンションに叫ぶと、バンドはレインボーの光に包まれて「ぼくらのfrai awei」をアグレッシブにプレイ。さらにハヤシは「UNDER THE STAR LIGHT」で歯ギターを披露しオーディエンスを盛り上げた。小出が「次の曲はPOLYSICSではやらなそうだなと思ってお願いした曲です」と前置きした「どうしよう」ではハヤシが絶妙なギターソロで観客を魅了。彼は最後に「トイス!」と渾身の叫びをお見舞いしてステージを去った。

3人目のギタリスト・石毛輝はステージに登場するなり「トイス!」と咆哮。彼もまた小出から「今日はギタリストとして来てもらってるし、新しいバンドを始めたわけだし、絶対『DISCO』って言わないでくださいね」と忠告を受け「言うわけないじゃん。デリケートな問題だからね」と承諾する。堀之内大介(Dr, Cho)の力強いカウントから4人はハツラツと「17才」を投下。「十字架You and I」で石毛はギターを置いて飛び跳ねたり、ヒゲダンスをしたりと観客を盛り上げる。再度ギターを手にした彼はステージ前方でブリッジしながらギターソロを弾いて喝采を浴び、「DISCO!!!」と叫んだのちステージを降りた。ここでフルカワが再度演奏に加わり、バンドは小出と関根史織(B, Cho)がエモーショナルなハーモニーを響かせた「ホーリーロンリーマウンテン」を演奏。「真夏の条件」では小出とフルカワが至近距離で向かい合い、テクニカルなギタープレイを繰り出す。小出が「日比谷ー!」と声を上げた「LOVE MATHEMATICS」で会場はダンサブルなサウンドに包まれた。

本編最後の楽曲を前に小出は、ツアーを共にしたフルカワに改めて感謝を表す。フルカワは「好きになっちゃったよ」とBase Ball Bearへの愛を示したあと、「……微妙に好きになっちゃったよ!」と言い直して観客の笑いを誘った。小出はBase Ball Bearについて「若干キツい言い方かもしれないけど、今のBase Ball Bearは側から見ると、片腕を失ったバンドだと思うんです」と言及したのち「メンバーが両手両足だとしたら、Base Ball Bearというものは頭なんです。『片腕失って本体のBase Ball Bearどうする?』っていうときに、『作りたいこともやりたいこともあるし、ここでやめるわけにはいかないな』っていうのが3人の共通の意識で。今までは絶対に4人だけで!っていう強い気持ちがあったんですけど、これからはカメレオンのようにやっていきたい。でも僕らの上に乗っている頭は、あくまでもロックバンドですので! これからもよろしくお願いします」とファンに呼びかける。そしてバンドは「HUMAN」を丁寧に演奏し本編を締めくくった。

アンコールでは小出、関根、堀之内が3人で登場。小出は「今回湯浅の脱退があったけど、ミュージシャンの皆さんやお客さんがこんなにもBase Ball Bearを心配してくれるんだ。考えてくれる人がいっぱいいるんだっていうことに、本当に救われました」と思いを述べる。今後については「楽曲制作に入って、アルバムを年内に出します。またツアーもやります。どういう編成でやるかは作品次第なので、これからもチェックしてください」と呼びかけて観客を喜ばせた。3人は「『それって、for 誰?』part.2」を時折向き合ってグルーヴィに演奏。ライブの最後には「終わりはそう、終わりじゃない」という歌詞が印象的な「The End」を届けてツアーを締めくくった。

Base Ball Bear「日比谷ノンフィクションV~LIVE BY THE C2~」
2016年4月30日 日比谷野外大音楽堂 セットリスト

01. 「それって、for 誰?」part.1
02. 不思議な夜
03. 曖してる
04. こぼさないでShadow
05. short hair
06. PERFECT BLUE
07. ぼくらのfrai awei
08. UNDER THE STAR LIGHT
09. どうしよう
10. 17才
11. changes
12. 十字架You and I
13. ホーリーロンリーマウンテン
14. カシカ
15. 真夏の条件
16. LOVE MATHEMATICS
17. HUMAN
<アンコール>
18. 「それって、for 誰?」part.2
19. The End

音楽ナタリーをフォロー