KEMURI「F」ツアーファイナルでMV曲連投、20年をたどる

KEMURIが1月30日に東京・Zepp Tokyoにて全国ツアー「KEMURI 20th Anniversary Tour 2015『F』」の最終公演を開催した。

このツアーは昨年結成20周年を迎えた彼らが最新オリジナルアルバム「F」を携えて行ったもの。最終公演となったこの日はゲストとしてRIZEが登場し、2組による貫禄のパフォーマンスが繰り広げられた。

RIZEはステージに登場するなり、デジタルサウンドに乗せたノイジーなナンバー「PARTY HOUSE」「NOTORIOUS」を連投。一気に観客のボルテージを引き上げる。メンバーはヘッドバンギングしたり、ステージ上を走り回ったりと、ダイナミックなプレイでラウドなサウンドを叩き込んでいった。中盤にはJESSE（Vo, G）がライブDVD「"PARTY HOUSE" in OSAKA」を2月24日にリリースすることを告知。続けて「今年RIZEは結成20周年なのでアホなことから素晴らしいことまでやらせてもらうので改めてよろしくお願いします」と語った。そしてバンドは「KEMURI、リスペクト！」と叫ぶとライブを再開。ラストナンバー「カミナリ」ではJESSEが、この日18歳の誕生日を迎えたというファンをステージに上げてマイクを託す。ファンは感激しながらシャウトし、場内は熱狂に包まれた。

KEMURIは伊藤ふみお（Vo）による「皆さんこんばんは。KEMURIです」という挨拶に続き、平谷庄至（Dr）のカウントから「O-zora」でライブをスタートさせた。この日のKEMURIは、最新アルバム「F」の収録曲の合間に、ミュージックビデオを作った楽曲を新しいものから古いものへと遡る形で織り交ぜたセットリストを展開。ステージ後方のスクリーンには、MVやライブ写真などが映し出され、ファンは楽曲とともに懐かしの映像や写真なども堪能した。また「SUNNY SIDE UP!」では伊藤が手にしたカメラが撮影した映像をそのままスクリーンに投影。伊藤はフロアにカメラを向け、興奮するオーディエンスの様子を映し出していった。

今回のツアーから河村光博（Tp）と須賀裕之（Tb）を正式メンバーとして招き、7人体制になったKEMURI。彼らは息の合った演奏で軽快なスカパンクナンバーを繰り出し、場内をハッピーな空間にしていく。また「Mr. SMILING」ではファンがタオルを回し、「WIND MILL」ではフロアにいくつもサークルモッシュが発生するなど、オーディエンスも思い思いの反応でライブを盛り上げていった。

「白いばら」の演奏前にはスクリーンに、2003年に事故で亡くなった元メンバー・森村亮介の写真が浮かび上がる。伊藤がその写真をじっと見つめてから、バンドは同曲を丁寧に届けた。キラーチューン「PMA (Positive Mental Attitude) 」ではフロアの照明もつき、明るくなった会場内で多くのファンがモッシュやクラウドサーフ、シンガロングを繰り返して盛り上がりは最高潮に。そしてバンドはKEMURIが最初にMVを作った曲だという「Workin' Dayz」で本編を締めくくった。

アンコールで再びステージに登場すると、伊藤は晴れ晴れとした表情で「本当にすっきりして次に向かえます！」と語る。そしてKEMURIのシングル（タイトル未定）を初夏に、自身のソロアルバム（タイトル未定）を春にリリースすることを発表した。さらに「最後、ぶっ壊れて帰って！」と言い放ち、バンドは田中‘T’幸彦（G）のカッティングから「Ato-Ichinen」を投下する。KenKen（B, Vo / RIZE）もヘッドバンギングをしながら登場するなど、フロアもステージも大熱狂。大団円のうちに、バンドは「KEMURI 20th Anniversary Tour 2015『F』」の幕を下ろした。