奥田民生、盟友やオーケストラと築いた生誕50周年伝説

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奥田民生が50歳を迎えたことを記念し、ライブイベント「奥田民生 生誕50周年伝説 “となりのベートーベン”」が昨日12月22日に東京・東京国際フォーラム ホールAで開催された。

「奥田民生 生誕50周年伝説 “となりのベートーベン”」の様子。(撮影:三浦憲治、山本倫子)

「奥田民生 生誕50周年伝説 “となりのベートーベン”」の様子。(撮影:三浦憲治、山本倫子)

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「奥田民生 生誕50周年伝説 “となりのベートーベン”」オカモトショウ(OKAMOTO'S)出演時の様子。(撮影:三浦憲治、山本倫子)

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奥田のメモリアルイヤーとしてさまざまなイベントが行われた2015年。その締めくくりとなるこの公演は2部制で実施され、1部では奥田と歴代のサポートメンバーによる演奏に乗せて多数のアーティストがボーカリストを担当した。そして2部では奥田がオーケストラを従えた豪華編成でライブを行った。イベントの冒頭では、今回の企画の発案者である斎藤有太(Key)が来場者に挨拶。約20年間ずっと奥田のステージを支えてきた彼は、ファンへ感謝の言葉を述べるとともに、このイベントについて「奥田民生と一緒にメシを食ってきた僕たちミュージシャンやスタッフから彼へのお祝い。そして民生の音楽を長年聴いてきたみんなへのプレゼントです」と話した。

1部

「奥田民生 生誕50周年伝説 “となりのベートーベン”」オカモトショウ(OKAMOTO'S)出演時の様子。(撮影:三浦憲治、山本倫子)

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まずは斎藤が民生のソロ活動初期のサポートメンバーである古田たかし(Dr)、根岸孝旨(B)、長田進(G)を呼び寄せ、続けてOKAMOTO'Sのオカモトショウを招く。マイクを受け取ったショウは「さっそく今夜の主役を紹介しましょう!」と声を上げ、続いて照れくさそうに頭をかきながら現れた奥田はギターを持ち、バンドと「マシマロ」を演奏。ショウは快活にステージを動き回りながら楽曲を歌唱した。

左から奥田民生、吉井和哉。(撮影:三浦憲治、山本倫子)

左から奥田民生、吉井和哉。(撮影:三浦憲治、山本倫子)[拡大]

以後はボーカリストが1曲ずつ代わる代わる歌っていくスタイルに。浜崎貴司が素朴に「野ばら」を歌い上げ、「O」とプリントされたTシャツ姿のLeyonaと「T」のTシャツ姿のうつみようこはソウルフルに「悩んで学んで」を歌唱した。Leyonaから「センパイ、今日はカッコいいっす」と茶化された奥田は「今日すでに酔っ払っててわかんないんだよね(笑)」と場を和ませる。そしてサンフジンズで活動をともにする岸田繁(くるり)が「The STANDARD」を、八熊慎一(SPARKS GO GO)がツインベース編成で「愛のために」を、吉井和哉が「なんでやらないのってすごく周りから言われる曲を」と言って「手紙」を披露したのちにバンドメンバーが交代。近年の奥田のライブを支えるバンド・MTR&Yの斎藤、湊雅史(Dr)、小原礼(B)が演奏を担当した。

左から奥田民生、草野マサムネ(スピッツ)。(撮影:三浦憲治、山本倫子)

左から奥田民生、草野マサムネ(スピッツ)。(撮影:三浦憲治、山本倫子)[拡大]

左から奥田民生、トータス松本(ウルフルズ)。(撮影:三浦憲治、山本倫子)

左から奥田民生、トータス松本(ウルフルズ)。(撮影:三浦憲治、山本倫子)[拡大]

「奥田民生 生誕50周年伝説 “となりのベートーベン”」の様子。(撮影:三浦憲治、山本倫子)

「奥田民生 生誕50周年伝説 “となりのベートーベン”」の様子。(撮影:三浦憲治、山本倫子)[拡大]

MTR&Y編成による1部後半のゲストボーカリストとしてまず和田唱(TRICERATOPS)が登場し、「夕陽ヶ丘のサンセット」を軽やかに歌って奥田のコーラスと声をあわせる。楽屋でほかの出演者らとアンチエイジング話に花を咲かせたという草野マサムネ(スピッツ)は「スカイウォーカー」を歌唱。続いて現れた真心ブラザーズは「半世紀ロックしてくれてありがとう! “Oしゃん”おめでとう!」と奥田と結成したバンド・地球三兄弟のニックネームで呼びながら祝福し「息子」を披露した。そしてトータス松本ウルフルズ)は「おめでとう」の気持ちを込めたという真っ赤なスーツ姿を「一足先に還暦?(笑)」と奥田にからかわれながら、「明日はどうだ」をパフォーマンス。仲井戸麗市は「人間」、Charは「あくまでドライブ」をそれぞれ歌とギターで観客に届けた。最後はこの時点で出演した全ゲストボーカリストとバンドメンバーが集まり、奥田の「それでは皆さんで不朽の名作を……すいません自分で言うんじゃなかった(笑)」という発言とともに「イージュー★ライダー」を合奏した。

2部

クリス・ペプラーが聞き手を務める奥田のインタビュー映像ののちにステージの幕が上がると、会場には驚きの声が響く。ステージには金原千恵子率いる22名のストリングス隊をはじめ総数30名以上のオーケストラがステージ後方にずらりと並び、前方のバンドも斎藤、伊藤大地(Dr / グッドラックヘイワ)、ハマ・オカモト(B / OKAMOTO'S)、松浦善博(G)、三沢またろう(Per)、そしてコーラスにはトライセラの和田、うつみ、Leyonaが立つという豪華な布陣に。中央に立つ奥田は、まずホーンとストリングスのサウンドを主体とした荘厳なアレンジの演奏の中で「ライオンはトラより美しい」を歌い上げた。

奥田民生(撮影:三浦憲治、山本倫子)

奥田民生(撮影:三浦憲治、山本倫子)[拡大]

斎藤の「この曲は一番オーケストレーションに力を入れた曲です」という説明から始まったコミカルなナンバー「股旅(ジョンと)」、ギターの弾き語りから徐々に何十という楽器の音を重ねた「手引のようなもの」、ソウルフルなコーラス隊の声が冴えわたる「MILLEN BOX」など大人数ならではのゴージャスなサウンドが次々と客席に届けられた2部。後半の「さすらい」では真心ブラザーズ・桜井が今度はバイオリニストとしてステージに現れ、再び演奏で奥田を祝福する。数々の楽曲を届け、喝采を浴びた奥田は笑みを浮かべながら「疲れましたねえ。来年からは普通にやります!(笑)」と話し、斎藤のピアノ演奏とコーラス隊の歌から始まる「風は西から」を披露して本編を終了させた。

アンコールでは奥田がPUFFYの2人に引っ張られながら登場。奥田は中央後方に設置されたシンセサイザーの前に移動し、2人から「先生おめでとうございます」という言葉にボコーダーを通した声で「アリガトウゴザイマス」と返事をする。そして再び大人数によるダイナミックな合奏で披露された「アジアの純真」では、PUFFYがはつらつとパフォーマンスする後ろで奥田がエフェクトをかけた特殊音声のコーラスを繰り広げる。3時間を超えるイベントの終盤は、サポートオーケストラによるシンフォニックなユニコーン「すばらしい日々」のインスト演奏を経てから始まった「CUSTOM」。奥田は盟友たちが見守る中、バンドとともに力強く熱唱してメモリアルイヤーのフィナーレを飾った。

なおこの日のライブの模様は1月30日(土)18:00よりWOWOWプライムにてオンエア。そして1月6日(水)22:00にはWOWOWライブで地元広島・マツダスタジアムで行われた弾き語りライブ「ひとり股旅スペシャル」のリピート放送も行われる。

※記事初出時、本文の一部曲名の表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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奥田民生 生誕50周年伝説 “となりのベートーベン”
2015年12月22日 東京国際フォーラム ホールA セットリスト

1部

01. マシマロ / オカモトショウ(OKAMOTO'S
02. 野ばら / 浜崎貴司
03. 悩んで学んで / Leyonaうつみようこ
04. The STANDARD / 岸田繁(くるり
05. 愛のために / 八熊慎一(SPARKS GO GO
06. 手紙 / 吉井和哉
07. 夕陽ヶ丘のサンセット / 和田唱(TRICERATOPS
08. スカイウォーカー / 草野マサムネ(スピッツ
09. 息子 / 真心ブラザーズ
10. 明日はどうだ / トータス松本ウルフルズ
11. 人間 / 仲井戸麗市
12. あくまでドライブ / Char
13. イージュー★ライダー / 全員

2部

01. ライオンはトラより美しい
02. コーヒー
03. 股旅(ジョンと)
04. 手引のようなもの
05. ヘヘヘイ
06. MILLEN BOX
07. さすらい
08. 風は西から
<アンコール>
09. アジアの純真 / PUFFY
10. すばらしい日々(Inst)
11. CUSTOM

WOWOWライブ「奥田民生 ひとり股旅スペシャル@マツダスタジアム」

2016年1月6日(水)22:00~

WOWOWプライム「奥田民生 生誕50周年伝説 “となりのベートーベン”」

2016年1月30日(土)18:00~

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ばく @sanbaku

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