チケット前売券は378(サナバ)円、当日券は前売券の10倍の価格である3780円と、まさにジョークのような価格設定で開催前からファンを驚かせていた今回のライブ。超満員の中、8人のメンバーがステージに登場すると、フロントに立つ高岩遼(Vo)と岩間俊樹(MC)が「俺らがレペゼンゆとり教育」「平成生まれのヒップホップチーム」「これが……サナバガンだ味わえ!」というお決まりのフレーズを吐いてパフォーマンスを始めた。冒頭のパートは「カネー」「Hsu What」「M.S」と妖しくジャジーな楽曲が続き、場内には緊張感も漂う。
5曲目の「J・S・P」でその雰囲気が解かれ、フロントマン2人が自由に動き出すと、岩間がわざとらしく笑顔を振りまきながら「みんな! 見てくれよ! 俺たちのためにこんなにたくさんの人が集まってくれたよ! うれしいなあ!? それじゃあ聴いてくれ、『人間』ー!!」とバンドのアンセムをコールする。場内が一体となって「人間」で踊り出した瞬間、警察官に扮した男性2人が警笛を鳴らしながらステージに乱入し、演奏を止めさせて高岩と岩間を連行するという寸劇が突如展開された。SANABAGUN.の路上ライブでよく見られた風景を再現するという一幕に観客は爆笑。その直後、楽器隊のみが残されたステージで、今年胆石症の治療で活動を一時離脱していた谷本大河(Sax)がボーカルとなって自虐ソング「胆石処刑」を披露すると、さらなる笑いが巻き起こった。
その後、高岩と岩間が戻って元通りライブを再開し、「デパ地下」「在日日本人」「まさに今、この瞬間。」と曲を重ねていく。すると岩間が「みんな! 見てくれよ!」と、先ほどと同じセリフを言い、同じように「人間」をコールして始めた途端、警官役が入ってくるという“天丼”が。今度は高岩だけがステージ裏に連行され、岩間がリードする「大渋滞」のパフォーマンスタイムとなった。この曲では隅垣元佐(G)と小杉隼太(B)もステージ前方に出てスキルフルなプレイを観客に見せつける。
そして、谷本と高橋紘一(Tp)の管楽器隊が活躍する「居酒屋JAZZ」から終盤へ。「次の曲は、俺らが路上からここにのし上がるまでのストーリー」と高岩が紹介した「HIS MASTERS VOICE」に続いて、岩間がまた「みんな! 見てくれよ! 俺たちのためにこんなにたくさんの人が集まってくれたよ!」と呼びかける。3度目の正直と言わんばかりに「人間」をフルで演奏し、興奮したメンバーとオーディエンスによるコール&レスポンスが場内に響き渡った。
アンコール前には、メジャー2ndアルバム(タイトル未定)を4月にリリースすることをスクリーンで発表しファンを歓喜させる。フォーマルなスーツから一変してカジュアルなグレーパーカーに着替えて登場したSANABAGUN.は、ラップチューン「もう実家帰りなよ」でメンバー全員のマイクリレーを展開。さらに次作に収録予定の新曲「板ガム―ヴメント」と、インディーズ時代の代表曲「WARNING」を送った。演奏後、1分半にもおよぶ長いお辞儀のあと、鳴り止まない拍手に応えてダブルアンコールに突入し、インディーズ時代のアルバム「SON OF A GUN」より「まずは『墓』。』を披露。バンドを代表して、高岩は「自分たちの生活を一変するような作品を来年春にリリースするので、期待してください」と宣言。記念すべきワンマンライブはメンバー8人の充実した表情で幕を閉じた。
SANABAGUN.「『メジャー』リリースパーティー【渋谷ジョーク】」
2015年12月16日 渋谷CLUB QUATTRO セットリスト
01.
02. カネー
03. Hsu What
04. M.S
05. J・S・P
06. 胆菅処刑
07. デパ地下
08. 在日日本人
09. まさに今、この瞬間。
10. 大渋滞
11. 居酒屋JAZZ
12. HIS MASTERS VOICE
13. 人間
<アンコール>
14. もう実家帰りなよ
15. 板ガム―ヴメント
16. WARNING
<ダブルアンコール>
17. まずは「墓」。
リンク
- SANABAGUNオフィシャルサイト
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SANABAGUN._Official @sanabagun
【ライブレポート】
音楽ナタリーにて、ワンマンライブ「渋谷ジョーク」のライブレポート記事が公開されました!
https://t.co/PUa4I2vY3E