「また来てね」syrup16g、再会誓った全国ホールツアー千秋楽

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syrup16gのホールツアー「syrup16g tour 2015『Kranke』」が、昨日7月9日に東京・NHKホールでファイナルを迎えた。

syrup16g「syrup16g tour 2015『Kranke』」東京・NHKホール公演の様子。(撮影:河本悠貴)

syrup16g「syrup16g tour 2015『Kranke』」東京・NHKホール公演の様子。(撮影:河本悠貴)

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五十嵐隆(Vo, G)(撮影:河本悠貴)

五十嵐隆(Vo, G)(撮影:河本悠貴)[拡大]

今回のツアーでは、最新作「Kranke」を携えて全国5都市を巡ったsyrup16g。定刻を迎えるとステージを覆っていた幕がゆっくりと開き、メンバーがスタンバイしている姿を認めるや否や待ち焦がれていたオーディエンスは大歓声をあげた。オープニングナンバーは「Kranke」の1曲目を飾る「冷たい掌」。ステージうしろのスクリーンには「Kranke」のジャケットに描かれている毒々しい色合いのビジュアルが投影され、その前で五十嵐隆(Vo, G)は骨太なバンドサウンドに気だるそうな歌声を絡ませる。1曲目が終わったところで彼は「ありがとう。こんばんはsyrup16gです」と落ち着いた声で挨拶し、「生きているよりマシさ」へとつなげた。その後も五十嵐が奏でるギターにキタダマキ(B)と中畑大樹(Dr)が丁寧に音を重ねた「To be honor」、万華鏡の中を映し出したような映像をバックにパフォーマンスされた「HELPLESS」と新旧の楽曲が続いた。

前回のツアーに比べ3人のアンサンブルは盤石なものになり、時間の経過とともに強度を増していく。また前回はどこか懐かしいムードも漂っていたが、今回のツアーでは新曲を中心としたセットリストが組まれ、映像演出も加わり“最新のsyrup16g”を多角的に伝える内容となった。3人はそれぞれの定位置からほぼ動くことなくパフォーマンスを披露していたが、オーディエンスはその姿を真剣に見つめ、1曲が終わるごとに大きな拍手を送る。ライブが苦手であることを公言し、序盤のMCで「(ツアーの最終日を迎えて)正直終わってよかった……」とうそぶいていた五十嵐だが、曲が終わるたびに「ありがとう」と観客に向かって感謝の思いを伝え、この場を楽しんでいる様子を伺わせた。

キタダマキ(B)(撮影:河本悠貴)

キタダマキ(B)(撮影:河本悠貴)[拡大]

中盤戦は五十嵐がアコースティックギターを弾きながら優しく歌い上げた「明日を落としても」、叙情的なサウンドを映像演出が引き立てた「正常」とミディアムテンポのナンバーが続き、オーディエンスは体を揺らしながらそのサウンドに身を委ねる。退廃的な空気を全開にした「負け犬」では、五十嵐のリバーブのかかった歌声と、極彩色のオイルアートの映像がオーディエンスを幻惑的な世界へと誘った。

中畑が気合いを入れるように立ち上がってから始まった「吐く血」で、バンドのモードは一変。中畑が吠えるように叫び、鬼気迫るようなドラミングを披露した「Share the light」、五十嵐が感情を爆発させるように歌い上げた「天才」がホール内の緊張感を煽る。そして「真空」になだれ込むと、真っ赤に染まったステージの上で3人がそれぞれの楽器を豪快に鳴らし、爆音を客席に叩きつけて会場の熱狂をピークへと導いた。「パープルムカデ」「神のカルマ」と懐かしいナンバーを経て、届けられたのは「Kranke」の収録曲「Thank you」。3人は黄色い照明に包まれながら、観客へのお礼を伝えるように軽やかなアンサンブルを奏でた。

中畑大樹(Dr)(撮影:河本悠貴)

中畑大樹(Dr)(撮影:河本悠貴)[拡大]

アンコールではステージに手術室内を思わせる丸く巨大な照明機材が登場。さらに五十嵐と中畑は「患者」と書かれたTシャツを、キタダは「医者」と書かれたTシャツを着用して姿を見せる。再び定位置に就いた3人は「vampire's store」と「落堕」の2曲を連続でプレイ。さらにダブルアンコールに突入すると、アンコールのモードを引き継ぐように攻撃性をあらわにした「coup d'Etat~空をなくす」を投下した。

場内の熱気が再びピークに達し、興奮した空気がホール内に充満する。そんな中で五十嵐はMCを行い、「ツアー楽しくないって言ってましたけど、楽しいですね」と照れくさそうに笑う。さらに「昨日帰って寝たら明晰夢を見て。きらびやかでなんかカワイイ小動物とかいて。パラダイスが繰り広げられてて、『ずっとここにいてやる』って思ったんだけど、怖くなって無理やり起きて。起きてここにいるほうが、10倍も100倍も楽しい。起きてよかった!」と破顔させた。

「またきてね」という言葉から続いた「Reborn」で、ライブはクライマックスへ。3人が奏でる優しい音がオーディエンスを包み込み、穏やかな空気を残して「syrup16g tour 2015『Kranke』」は終幕した。

syrup16g「syrup16g tour 2015『Kranke』」
2015年7月9日 NHKホール セットリスト

01. 冷たい掌
02. 生きているよりマシさ
03. To be honor
04. HELPLESS
05. Stop brain
06. My Song
07. 明日を落としても
08. 正常
09. 負け犬
10. 吐く血
11. Share the light
12. 天才
13. 真空
14. パープルムカデ
15. 神のカルマ
16. Thank you
<アンコール>
17. vampire's store
18. 落堕
<ダブルアンコール>
19. coup d'Etat~空をなくす
20. Reborn

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読者の反応

KoDAMA(6/30 札幌昼酔宴) @KoDAMALOO9

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すげーな、行きたかったな。

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