初のホールワンマンライブということで、ライブハウス公演とは異なる演出も設けられたこの日。開演を知らせるブザーが鳴ると観客は一斉に立ち上がり、ステージを見つめる。緞帳が降ろされたまま、MARCY(Dr)の豪快なドラムが聞こえ始めるとオーディエンスは大興奮。ゆっくりと緞帳が上がる中で4人は、「Shake! Shout! & Soul!」とシャウトし続ける新曲でライブの幕開けを飾った。
挨拶代わりに1曲を届け終えたROY(Vo, B)は、「お待たせしました! 我々の準備はできております。皆さんはどうですか?」と叫ぶ。威勢のいい歓声を受けた4人は満面の笑みを浮かべると、ライブの定番曲「JUST BE COOL」「ROCK ME BABY」「Shake Your Hips」などを投下しオーディエンスを踊らせる。TAXMAN(G)とJIM(G)は何度も客席近くまで足を伸ばし、豪快でエネルギッシュなプレイを展開。一方、縦横無尽なフロントマンのプレイを支えるように、MARCYはタイトなリズムを刻んだ。
MCではROYの各メンバーへの愛情あふれるツッコミがさく裂する。中盤で餌食になったのはMARCYで、ROYは寡黙なイメージのある彼が周囲に人がいないとよくしゃべり、鼻歌を歌っていることを暴露。MARCYは「ホント、いろいろ思い付くよね……」と笑いながら「本当にありがとうございます。楽しんで帰ってください」と観客に呼びかけた。
この日の公演のハイライトとなったのは、中盤のアコースティックコーナー。ROYは「せっかくホールですから、普段なかなかやれないことをやりたいな」と口にすると、観客に着席するように促す。自らもイスに座ったメンバーは、シャンデリアの光が灯りムーディな雰囲気の中でまずは「GOOD MORNING」をパフォーマンス。この曲で特に観客を魅了したのはJIMが弾くスチールギターの音色。独特の切なさをたたえた音と、ROYの情熱的な歌声が満員のホールを魅了する。さらに4人は、サム・クックの「Bring it on home to me」、ベン・E・キング「Stand by Me」とバンドのルーツとも言えるナンバーをリスペクトを込めて丁寧にプレイ。その後、優しい雰囲気を一転させるように、キラーチューン「HOT DOG」から後半戦がスタートした。「LOVER BOY」「I'm In Love With You」「LEMONADE」というラブソング3連発を経て、ROYが「最後は飛ばしますよ! ついてきてくれますか? 遅れないように」とシャウトすると観客は気合いたっぷりの大歓声で応える。「IT'S TOO LATE」を皮切りにアップテンポなロックンロールチューンが客席に叩き込まれ、会場が激しく揺れるほどの盛り上がりに。そして本編はROYの高らかなシャウトで締めくくられた。
アンコールでは、TAXMANが「NHKのど自慢」の予選で中野サンプラザホールに来たことを明かして観客を驚かせ、「(予選落ちしたから)ホールにはイヤな思い出があったけど、いいですね」とホール会場のよさを実感したことを明かす。ROYは「またホールやりたくないですか?」と観客に問いかけ、JIMは「今回は東京と大阪だけだったから、全国回りたいですよ」と次のホール公演に向けて意欲満々。その後4人は「TWISTIN' ANNIE」と「KEEP ON ROCKIN'」の2曲を爆音で届け、ロックンロールパーティをクライマックスに導く。締めはTAXMANが音頭をとる恒例の“ワッショイ”。総立ちのオーディエンスと一緒に盛大に「ワッショイ!」と叫んだ4人は、さわやかな笑顔とともにステージをあとにした。
THE BAWDIES「Shake! Shout! & Soul!」
2015年6月14日 中野サンプラザ セットリスト
01. 新曲
02. JUST BE COOL
03. A NEW DAY IS COMIN'
04. ROCK ME BABY
05. ANNE
06. NICE AND SLOW
07. Shake Your Hips
08. My Little Joe
09. CHERRY MASH
10. SAD SONG
11. EMOTION POTION
12. KEEP YOU HAPPY
13. GOOD MORNING
14. BRING IT ON HOME TO ME
15. STAND BY ME
16. HOT DOG
17. KICKS!
18. LOVER BOY
19. I'm In Love With You
20. LEMONADE
21. IT'S TOO LATE
22. SING YOUR SONG
23. NO WAY
<アンコール>
24. TWISTIN' ANNIE
25. KEEP ON ROCKIN’
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