“北上”し続けたネクライトーキー、最終地点・札幌は涼しくなくてアツかった

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ネクライトーキーが7月6日に全国ツアー「ゴーゴートーキーズ!2025 北上」のファイナルとなる北海道・SPiCE公演を開催した。

ネクライトーキーとは?

2017年に朝日(G)が中心となり、もっさ(Vo, G)、カズマ・タケイ(Dr)、藤田(B)により結成されたバンド。初ライブよりすべてのライブサポートを行っていた中村郁香(Key)が2019年3月に正式加入し、5人編成となる。邦楽、洋楽、ゲームミュージックなどを取り込んだ遊び心のあるポップなメロディや、コミカル、ネガティブ、毒気、切なさを内包した歌詞、もっさのあどけなさの残る歌声が特徴の楽曲で人気を集める。全国ツアーや各地の音楽フェスなどで精力的なライブ活動を行っている。2022年8月に1st EP「踊れ!ランバダ」をリリース。2024年2月にNetflixアニメ「スコット・ピルグリム テイクス・オフ」のオープニングテーマ「bloom」などを収めたニューアルバム「TORCH」を発表した。5月から7月にかけて全国21カ所を回るワンマンツアーを開催。7月にNo Big Deal Records所属第1弾シングル「人生なんにもわかんねえ!」を日本コロムビアから配信リリースした。2025年1月にメジャーデビュー5周年を記念したワンマンライブ「祝!メジャーデビュー5周年記念公演」を東京・下北沢ERAで開催。3月には2nd EP「モブなりのカンフー」を配信リリースする。5月からはライブハウスツアー「ゴーゴートーキーズ!2025 北上」の開催を控えている。

ネクライトーキー(撮影:古谷春)

ネクライトーキー(撮影:古谷春)

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札幌上陸「このライブハウスが一番アツい!」

ネクライトーキー(撮影:古谷春)

ネクライトーキー(撮影:古谷春)[拡大]

「ゴーゴートーキーズ!2025 北上」は、ネクライトーキーがメジャーデビュー5周年を記念して4月にリリースした2nd EP「モブなりのカンフー」を携え、熊本から北海道まで全国12カ所を南から北に“北上”したワンマンツアー。チケット完売で迎えたファイナルは疾走感のある最新ナンバー「モブなりのカンフー」で始まり、同曲のミュージックビデオと同じ赤いTシャツ姿のもっさ(Vo, G)がツアーファイナル開幕を高らかに宣言した。バンドは2020年1月発表のメジャーデビューアルバム「ZOO!!」のリードトラック「夢見るドブネズミ」や、2024年12月発表の4thアルバム「TORCH」から「bloom」「ふざけてないぜ」を畳みかけ、ライブ序盤から会場の熱気を一気に引き上げた。

もっさ(Vo, G)(撮影:古谷春)

もっさ(Vo, G)(撮影:古谷春)[拡大]

もっさは「私たちは別に北海道出身というわけではないし、“北上”と銘打って札幌でツアーファイナルができるかドキドキしてたんです。今日はソールドアウトということで、観に来てくれて本当にありがとうございます!」と来場者に感謝。朝日(G)が「このままで最後まで狂い切ろうと思いますので、皆さんもよろしくお願いします!」と熱気あふれるフロアを煽り、もっさが「アツすぎるよね? 北海道だから涼しいかなーなんて思ったけどそんなことなかった! このライブハウスが一番アツい!」と語る。そんな言葉のあと、バンドはサマーチューン「夏の暮れに」へとつなげた。続く「ボケナスのうた」でメンバー紹介を兼ねた各メンバーのグルーヴィなソロ回しが盛り込まれるなど、百戦錬磨のライブバンドならではの勢いとパッションに満ちたライブが展開された。

キメキメの演奏、ゆるゆるのトーク

朝日(G)(撮影:古谷春)

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ストレートなロックチューン「ちょうぐにゃぐにゃ」の演奏後、「ネクライトーキーを7年やってきて、まだまだ好きなところが見つかるんだなって、改めて思わされた曲です」というもっさの言葉のあと、最新EPに収録されているミディアムチューン「そういうものでしょう?」が披露された。藤田(B)が淡々とベースラインを奏で、カズマ・タケイ(Dr)の小気味よいリズムの上でもっさが気だるそうに歌う。激しさや勢いではないアプローチでネクライトーキー楽曲の素材そのものの魅力が光った。

藤田(B)(撮影:古谷春)

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キメの多い楽曲をバッチリと決め、タイトかつ力強い演奏を聴かせるネクライトーキーだったが、MCでは一転して和やかなトークを展開。「改めて好きだなと思ったこと」をテーマに、朝日は最近ハマっている「星のカービィ64」の魅力を熱く語った。一方、もっさはメジャーデビューアルバム「ZOO!!」を聴き直したというエピソードを披露。5年前の自分たちの演奏や歌に不思議な感覚を覚えつつも、その魅力に改めて気付いたという。コロナ禍でほぼ全公演がキャンセルとなった2020年の「ZOO!!」リリースツアーのリベンジとして、今回の北上ツアーでは「ZOO!!」の楽曲を多くセットリストに組み込んだことも明かした。

中村郁香(Key)(撮影:古谷春)

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ネクライトーキー(撮影:古谷春)

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次のブロックでバンドは「ZOO!!」からキュートでプログレッシブな展開が魅力の「ぽんぽこ節」を披露。続けて、ギターとベースの歪んだ轟音が響き合う「渋谷ハチ公口前もふもふ動物大行進」、中村郁香(Key)のピアノ演奏ともっさの物悲しくも優しい歌声が肝となるバラード「深夜とコンビニ」を届け、ネクライトーキーの多彩な魅力を存分に見せつけた。もっさが「盛り上げたいから藤田も歌ってくれる?」と呼びかけると、藤田が「歌わせていただきます」と応じ、2人の掛け合いが楽しい「壊れぬハートが欲しいのだ」へ突入。続く「怠惰でいいナ」では会場全体が一体となり、この日一番の盛大なシンガロングが巻き起こった。コミカルなライブ定番曲「許せ!服部」では、もっさが掲げる「CD」「ライブ」のパネルに合わせて、バンドが緩急自在にアレンジを切り替え、CDバージョンの軽快さとライブバージョンの激しさを巧みに表現。メンバーそれぞれのソロや、観客の「ワン・ツー・スリー・フォー」のかけ声に呼応する展開をメンバー、観客がともに楽しんだ。

カズマ・タケイ(Dr)(撮影:古谷春)

カズマ・タケイ(Dr)(撮影:古谷春)[拡大]

朝日(G)(撮影:古谷春)

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ライブ後半に語られたバンド結成のルーツ

ライブ後半には朝日がバンド結成のルーツを語る場面も。「メジャーデビュー前の曲や、デビュー時の思い出のアルバムの曲を今日はたくさん演奏してますけど」と切り出し、楽曲をライブハウスで鳴らし、観客と共有できる喜びを噛みしめた。ボカロP・石風呂として活動していた若き日の朝日が、自身の楽曲に“肉体”を与える場を求めていたことが、ネクライトーキー結成のきっかけだったと振り返る。「ソールドアウトのライブハウスで、こんなにたくさんの人が笑顔になってくれるのを見たら、20代前半の朝日少年も喜んでくれるんじゃないかな。本当に今日はありがとう」と感謝を伝え、2012年に石風呂として発表した「夕暮れ先生」を披露。会場は温かな喝采に包まれた。ネクライトーキーは、1stアルバム「ONE!」収録の「こんがらがった!」で会場の熱気をさらに高め、うねるベースとキャッチーなギターリフが絡み合う「北上のススメ」へとなだれ込む。ラストは最新EPの収録曲「人生なんにもわかんねえ!」で、ネクライトーキーのこれまでのキャリアを凝縮した怒涛のライブを展開し、観客を熱狂の渦に巻き込んでステージを去った。

北上ツアーの締めくくりに主催フェス開催を発表

ネクライトーキー(撮影:古谷春)

ネクライトーキー(撮影:古谷春)[拡大]

鳴り止まないアンコールの声に応えてステージに再登場したネクライトーキーは、11月16日に東京・豊洲PITで初の主催フェス「オーキートーキーフェスティバル2025」を開催すると発表。人見知りながらもこれまで仲間を増やしてきたバンドの歩みを振り返り、総勢10組の豪華ゲストを迎えたフェスを行うことを説明し、会場を沸かせた。その後、5人は代表曲「オシャレ大作戦」と「遠吠えのサンセット」を披露。メジャーデビュー5年間の軌跡を詰め込んだ“北上ツアー”は大団円を迎えた。

今回の発表にあった「オーキートーキーフェスティバル2025」や、メジャーデビュー5周年イヤーを締めくくる東阪ワンマンライブ「〆」のチケット情報は、バンドのオフィシャルサイトやSNSで確認しよう。

セットリスト

ネクライトーキー「ゴーゴートーキーズ!2025 北上」2025年7月6日 北海道・SPiCE

ネクライトーキー(撮影:古谷春)

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01. モブなりのカンフー
02. 夢見るドブネズミ
03. bloom
04. ふざけてないぜ
05. 夏の暮れに
06. ボケナスのうた
07. ちょうぐにゃぐにゃ
09. そういうものでしょう?
10. ぽんぽこ節
11. 渋谷ハチ公口前もふもふ動物大行進
12. 深夜とコンビニ
13. 壊れぬハートが欲しいのだ
14. 怠惰でいいナ
15. 許せ!服部
16. 夕暮れ先生
17. こんがらがった
18. 北上のススメ
19. 人生なんにもわかんねえ!
<アンコール>
20. オシャレ大作戦
21. 遠吠えのサンセット

公演情報

「オーキートーキーフェスティバル2025」

2025年11月16日(日)東京都 豊洲PIT
OPNE 12:00 / START 13:00
<出演者>
ネクライトーキー / and more

ネクライトーキーメジャーデビュー5周年単独記念公演「〆」

2026年1月24日(土)大阪府 GORILLA HALL
2026年1月27日(火)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)

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りく @SpicyFlowers

ほくじょう!! https://t.co/2he8Q3wW13

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