山内総一郎の決意表明、ソロワンマンライブで新曲8曲披露「完全に光が見えました」

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山内総一郎が7月9日に東京・EX THEATER ROPPONGIにてワンマンライブ「The Hole In The Wall」を開催した。

山内総一郎(撮影:森好弘)

山内総一郎(撮影:森好弘)

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フジファブリックとしての活動が今年2月をもって休止に入った山内は、5月に公式ファンクラブ「Wedeln's Lodge」の開設と今回のライブ開催を発表。ソロアーティストとしての新たな一歩を踏み出す決意を満員のオーディエンスに対して示す一夜となった。

新曲8曲で表した「山内総一郎としてやっていく」思い

「The Hole In The Wall」という公演タイトルは山内曰く「心の中に空いた穴から見える光や景色をみんなと一緒に確かめて、そこからまた進んでいきたい」という思いから付けられたとのこと。その言葉の通り、今回のライブでは山内の前向きな思い、これまで出会い支えてくれた人々への感謝を示すようなメッセージを乗せた新曲が8曲も披露された。

山内総一郎(撮影:森好弘)

山内総一郎(撮影:森好弘)[拡大]

新曲各曲のメッセージ性には根底に通じるものがありつつ、サウンド面ではそれぞれまったく異なる特徴を見せた。ライブの1曲目でいきなり披露された「あやかし音頭」は不穏なアンサンブルと力強いビートが印象的な楽曲。この曲について山内は「『山内総一郎としてやっていく』という、渾身のダンスナンバーです」と語る。ほかにもシタールの音色が歌詞の世界を彩るサイケデリックな1曲「Jasmine Flower」、星空の映像をバックに壮大な音像が展開された「彗星たちのカンタータ」、“穴から這い出た自分の気持ち”を描いたというミディアムチューン「旅に出る」など多彩な楽曲に、オーディエンスは時にじっくりと、時に拳を上げながら聴き入った。

迷ったまま、閉ざしたままいこう

山内総一郎(撮影:森好弘)

山内総一郎(撮影:森好弘)[拡大]

MCで山内は「こうしてまたステージに戻ってこられて、溜め込んだ思いを1つひとつ曲にして歌えるのがうれしいです」と喜びを爆発させ、新曲ラッシュとなったセットリストについてファンに向け「集中力を使わせてしまってすみません(笑)。聴かせたかったんですよ……」と恐縮してみせる。「Jasmine Flower」について、自宅の観葉植物からヒントを得て“命のサイクル”を描いたと語った山内は「大丈夫ですかね、『あいつ命のサイクルとか言い出してるぞ?』とかなってないよね?(笑)」とユーモラスに語り、フロアの笑いを誘った。

「The Hole In The Wall」の様子。(撮影:森好弘)

「The Hole In The Wall」の様子。(撮影:森好弘)[拡大]

和やかな空気の中で、山内がソロアーティストとして再始動するまでの思いを真摯に語るひと幕も。人生で初めて購入したというギターに持ち替えた山内は、2月の活動休止以降「自分はどうやって生きていこう、音楽をやっていこう」と考え続けていたと語り「このギターを部屋でポロポロ弾きながら『このギターから自分は始まったんやな、最高の仲間やスタッフに支えられてきたんだな』と考えていたら、自分が大事にしてきた淡い部分が見えて。迷ったまま、閉ざしたままみんなを引き連れていこう、と思いました」と再始動までの道のりを明かし「山内総一郎としてやっていこうと思えた希望の曲です」という言葉を添え、新曲「海に来てしまった」を披露。穏やかなサウンドに乗せて淡くも前向きな思いを歌った山内だが、アウトロでは内面の熱い気持ちを表すようにエモーショナルなギターソロを響かせた。

新曲以外にも、今回のライブでは山内が2022年にリリースしたソロアルバム「歌者 -utamono-」の収録曲、サントリーノンアルコール飲料のWeb動画のために昨年書き下ろした楽曲「GOOD FELLOWS」、さらに星街すいせい「先駆者」、SUPER EIGHT「群青の風」、20th Century「あなたと」と、山内が提供した楽曲のセルフカバーも披露。山内はこれらの曲について「『なんだ、人にいい曲書いてるじゃないか』と(笑)。手前味噌ですけど」と紹介し、オーディエンスから賛同の拍手を浴びた。

曲作りは伊藤大地の誘いで始まり「すぐ飲みに行った」

山内総一郎(撮影:森好弘)

山内総一郎(撮影:森好弘)[拡大]

今回のステージにはバックバンドとして大樋祐大(Key / SANABAGUN.)、砂山淳一(B)、伊藤大地(Dr)が参加した。MCで山内と同じ大阪出身の大樋が「大阪出身ということでやらせてもらってますわ」ととぼけると、山内は「キーボードはキャラが濃い人が多いなあ(笑)」と大ウケ。中学生の頃からの付き合いという砂山が、高校1年生のときに山内が初めて作った曲のタイトル「君を連れて」を出すと山内は「高1の行動力と財力で、誰が連れていけんねん!(笑)」と自らツッコミを入れた。

一方、フジファブリックのサポートドラマーとしても長年活動をともにしてきた伊藤について山内は「まだライブをやることも想定していないときに『スタジオ入ろうよ』って言ってくれて……」と振り返り、伊藤の声がけで砂山を加えた3人でスタジオに赴き「海に来てしまった」の原型を生んだことを明かす。伊藤がそのときのことを「ちょっとできたから『おっ、いい感じじゃん!』ってすぐ飲みに行ったんだよね(笑)」と話すと、山内は「支えてくれてるんですよ。大地くんのおかげです」と感謝を述べる。そんな山内に伊藤は「やり続けようぜ!」と笑顔で声をかけた。

ソロデビュー、シングルリリース、誕生日ライブも発表

「The Hole In The Wall」終演後のステージ。(撮影:森好弘)

「The Hole In The Wall」終演後のステージ。(撮影:森好弘)[拡大]

アンコールで山内はエイベックス内のレーベルcutting edgeからのソロデビューが決定したこと、自身の2面性を表現した作品をリリースするプロジェクト「A-UN」の始動、7月16日からのライブのショートムービー公開とSNSでの生配信の8週にわたる実施、10月22日に今回披露した「GOOD FELLOWS」を含めたデジタルシングルをリリースすること、さらに自身の誕生日である10月25日に東京・昭和女子大学人見記念講堂でライブ「OCTOBER SONGS」を開催することを一挙に発表。デジタルシングルにはこの日演奏された新曲から“評判のよかった曲”が収録されるとのことで、山内は「よかったやつの……何かを押してくれ!(笑)」とファンのリアクションを求めた。

多数の新曲について「あなたに聴いてもらいたくて作りました、聴いてもらえてよかった。また皆さんに聴いてもらえるようにがんばります」と語った山内は、最後に8曲目の新曲となる軽快なポップナンバー「人間だし」を披露。「完全に光が見えました。一緒に旅を続けていきましょう!」と充実した表情で叫んだ。

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セットリスト

山内総一郎ファーストライブ「The Hole In The Wall」2025年7月9日 EX THEATER ROPPONGI

01. あやかし音頭
02. 先駆者
03. 風を切る
04. ソラネコ
05. Jasmine Flower
06. 地下鉄のフリージア
07. GOOD FELLOWS
08. 大人になっていくのだろう
09. 海に来てしまった
10. スロウダンス
11. 群青の風
12. 最愛の生業
13. 彗星たちのカンタータ
14. 旅に出る
<アンコール>
15. あなたと
16. 人間だし

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🐶あやねまる🍞総くんと一緒に @Ayanemaru_S016

ナタリーのレポ!!

ありがとうございます!!☺️☺️ https://t.co/Glr6iLszpo

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