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Chimothy→「SUMMER DAYS」ジャケ写

Chimothy→ SUMMER DAYS

湿っぽい気持ちを吹き飛ばすゴキゲンなサウンドが夏を彩るアッパーチューン

文 / 蜂須賀ちなみ

murffin discsに今年新加入したスリーピースバンド・Chimothy→の新曲「SUMMER DAYS」は、夏の始まりを告げるアッパーチューンで、TBS系「王様のブランチ」7月度エンディングテーマに選ばれた。アレンジにはChimothy→初となるブラスサウンドが取り入れられており、イントロから超ゴキゲン。一方、歌詞に登場する恋する主人公は、なかなか相手を誘うことができず、「このままじゃダメだ」と思いながらも一歩踏み出せない自分に対し、卑屈な言葉が止まらない。そんな中、松尾あかり(G,Vo)の歌声やメロディ、泉遼馬(B)、木村花穂(Dr)とともに鳴らすサウンドは非常に明るく、エネルギーに満ちている。主人公の湿っぽい性格や、リスナーの心に浮かぶ雨雲を吹き飛ばしてしまいそうな勢いだ。

楽曲全体からは、多くの人に音楽を届けたいと願う彼らにとって避けられないハードル=シーズンソングに真正面から取り組もうという意識を感じた。転調やドラムのフィルインで開放感を最大限に演出しつつ、キャッチーなメロディに乗せて「SUN SUN SUN SUN SUMMER DAYS!!!」と歌うサビは、直球勝負という印象。アイス、サイダー、自転車など歌詞に登場するモチーフも王道のもので、シーンのド真ん中に躍り出ようという意欲が伝わってくる。

細部の工夫も秀逸で、「だんだん早くなるビート」という歌詞に合わせてドラムのビートが実際に速くなっていたり、妄想を描いたシーンでベースラインが踊るように動いたり、ギターのクロマチックランが夏の雰囲気を醸し出したりしている。3人のポップセンスが遺憾なく発揮された痛快な作品だ。

4月リリースのミニアルバム「mishmash」でさまざまな挑戦をした経験が、今回のさらなる挑戦を可能にしたのだろう。3人の描く音楽世界はここからますます広がり、さまざまなリスナーとの出会いにつながりそうな予感がする。この1曲から、バンドの明るい未来を想像することができた。

Chimothy→「SUMMER DAYS」ミュージックビデオ

Chimothy→「SUMMER DAYS」
2025年6月30日(月)配信開始 / murffin discs / murffin Lab.
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作詞・作曲:松尾あかり
編曲:Chimothy→

Chimothy→(チモシー)

Chimothy→

2017年に高知で結成されたスリーピースバンド。メンバーチェンジを経て、現在は松尾あかり(G, Vo)、泉遼馬(B)、木村花穂(Dr)の3人で活動している。結成から自主制作で音源リリースなどを行ってきたが、2025年1月にmurffin discsに所属。3月にKSB瀬戸内海放送「高知県馬路村観光CM」のCMソングに「エストレヤ」が選ばれる。4月にミニアルバム「mishmash」を発表し、6月に東名阪でリリースツアーを行った。6月30日にTBS系「王様のブランチ」7月度エンディングテーマの新曲「SUMMER DAYS」を配信リリース。2025年8月に開催される野外フェス「MONSTER baSH」への初出演を控えている。