東京女子流×フィロソフィーのダンス「東京のダンスIV」特集|シーン切り開く戦士たちのラストダンス

東京女子流とフィロソフィーのダンス。アイドルシーンにおいて、ソウル / ファンク / フュージョンなどのマナーを取り入れた高い音楽性で人気を誇る2組による対バン企画、その名も「東京のダンス」4回目の開催が決定した。

「東京のダンス」は2グループが先攻・後攻に分かれてそれぞれに1時間程度のパフォーマンスを行う標準的な対バンライブとは異なり、女子流とフィロのスが数曲おきに入れ替わり登場するスタイル。双方の音楽性に共通のイズムが流れる2組ならではのステージで、その相性のよさによりお互いの楽曲の持ち味も増幅する。もちろんツーマンならではのコラボレーションも期待でき、第2回、第3回と続いた新井ひとみ(東京女子流)と日向ハル(フィロソフィーのダンス)による恋の寸劇の行方も気になるところ。約1年半ぶりの開催とあり、その間に双方がリリースした新曲群も聴きどころだ。

東京女子流は今年の5月3日、デビュー15周年を記念したワンマンライブのステージ上で、2026年3月31日のライブをもってその活動に終止符を打つことを発表した。多くのファンが望んでいた「東京のダンス」もおそらく今回が最後。開催を前に2グループ9名に集まってもらい、“ラストダンス”の作戦会議を開いてもらった。

取材・文 / 臼杵成晃撮影 / 星野耕作

公演情報

東京のダンスIV ~東京女子流×フィロソフィーのダンス~ byライブナタリー

2025年9月29日(月)東京都 東京キネマ倶楽部
OPEN 18:30 / START 19:30

<出演者>
東京女子流(新井ひとみ / 山邊未夢 / 中江友梨 / 庄司芽生)
フィロソフィーのダンス(奥津マリリ / 佐藤まりあ / 日向ハル / 香山ななこ / 木葭のの)

<OPENING&CLOSING DJ>
新井俊也

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うれしいかにゃー

──前回の開催から1年半近く経ちましたが、SNSで「東京のダンス」検索をすると、けっこう定期的に次回開催を望む声を見かけるんですね。その声が今年の5月3日以降、ドッと増えていて……。

東京女子流 えー!

東京女子流

東京女子流

──女子流がワンマンライブで2026年3月の解散を発表した直後ですね(参照:東京女子流、15年間の“キセキ☆”凝縮したアニバーサリーライブで涙の決意表明)。真っ先に言うことではないだろうと思いましたけど、気持ちはわかります。当事者もおっしゃってましたが。

奥津マリリ(フィロソフィーのダンス) 発表で解散を知ったとき、まず最初に「『東京のダンス』をもう1回やっておきたい」と率直に思ったので。

──東京女子流が解散してしまうのは、フィロソフィーのダンスとしても寂しいですよね。

日向ハル(フィロソフィーのダンス) 同じ時代に同じような志を持った、先輩だけども同志、戦友みたいな気持ちがあったので、一緒にシーンを盛り上げる存在がいなくなるのは寂しいですけど、女子流のことを一番わかっているメンバーの皆さんが女子流のことを考えて出された結論なので、それを応援したいという気持ちです。まずはこの時代を一緒に生きられたことに感謝。生きていればいつかまたグループ単位でも個人単位でもどこかで交われると思うし、長生きしようね、という気持ちです。

フィロソフィーのダンス

フィロソフィーのダンス

中江友梨(東京女子流) 素晴らしい。健康は大事。

──確かに、個人単位の仲はその後もずっと続きそうですよね。

日向 仲よくなっちゃったんですよ~。ありがとうございます~。

庄司芽生(東京女子流) あははは。でもホント「東京のダンス」のおかげだよね。すごく距離が縮まりました。

庄司芽生(東京女子流)

庄司芽生(東京女子流)

──当然ライブナタリーも「東京のダンス」をやらねばとすぐに動きまして、無事に2組の調整がつき開催の運びとなりました。

新井ひとみ(東京女子流) うれしい限りです。回数を重ねるごとに、「東京のダンス」のファンが増えているなと感じていて。至るところで「『東京のダンス』からファンになりました」「次の『東京のダンス』、まだですか?」という声をいただくんですよ。

庄司 「東京のダンス」のグッズTシャツを愛用してくださっている方もたくさんいますね。女子流のワンマンにも着て来てくれたり。あとこの前、大阪で私たちがリリースイベントをやったとき、フィロソフィーのダンスさんも大阪でライブをやられていて……。

日向 そうそう。私たちは大阪で定期公演をやっていて。

庄司 その日はハシゴしている人もたくさんいたみたいで、「東京のダンス」Tシャツの方もいました。

奥津 どちらのファンにとっても大切なイベントになっていると思うので、ホントにホントに、毎回言ってますけど、伝説の1日にしたいなと思ってます。

奥津マリリ(フィロソフィーのダンス)

奥津マリリ(フィロソフィーのダンス)

──もともと音楽的に相性のいい2組なのでこの顔合わせは間違いない、という気持ちはありましたけど、本当に「東京のダンス」という2組の集合体として、それぞれが好きという気持ちとは別腹で愛されている印象があります。それは皆さん自身にとってはどういう気持ちですか?

日向 うーん、うれしいかにゃー。

一同 あはははは。

東京女子流

東京女子流

フィロソフィーのダンス

フィロソフィーのダンス

ハルおじさんの三角関係

新井 「東京のダンス」では曲を交互にやるじゃないですか。それが違和感なくハマってたという声を1回目のときにたくさんいただけて。それは「東京のダンス」でしか観られないし、両方の曲のよいところがさらに際立つ感じがあるんですよね。それもファンの方たちが楽しみにしてくださっている要素の1つなんだと思います。

新井ひとみ(東京女子流)

新井ひとみ(東京女子流)

──前半後半で1組ずつパフォーマンスして、最後に2組でコラボして、というよくあるツーマンライブの座組ではなく、数曲おき、場合によっては1曲ずつ交互に出てくるという「東京のダンス」のスタイルは、観ている分にはすごく楽しいんですよ。ただ、演者側はむちゃくちゃ大変だろうなと……。

奥津 やっているほうは全体の流れがどうなっているか、正直そこまでわからないんですよ。曲のつながりがいいなあとバトンタッチを受けるときに感じるところはありますけど、通しで観るとそのよさがあるんだろうなって。

──そうですよね。一旦ハケて、数分後には次の曲のスタンバイをして……とバタバタですもんね。

日向 私たちも観る側に回りたいです(笑)。

奥津 「FNS歌謡祭」みたいにしましょうよ。

佐藤まりあ(フィロソフィーのダンス) 歌ったらすぐ席に移動して観る(笑)。

中江 あー、楽しそう。

──中身はこれから考えていくことになりますが、どうしましょうかね。どんな見どころを作っていきますか?

日向 俺とひとみのラブラブ生活を始めてしまったので、その行く末を皆さんにお見せしたいなと思います。

日向ハル(フィロソフィーのダンス)

日向ハル(フィロソフィーのダンス)

──(笑)。2回目から日向さん新井さんによる謎のラブストーリーが展開されていますけど、そこはマストで回収しておきたいですね。

日向 その後、円満に過ごしていけているのか? はたまた……。

庄司 そういう曲ありますか? 円満みたいな。

日向 「誓い合ったんだってね、LOVE」がそういう曲だけど、この曲でストーリー始めちゃったから、どうしようかと思ってます。ほかに円満の曲もないですし、離婚の曲もないですし。

新井 一緒に暮らしちゃってるから、私たちがどうやって過ごしてるのか……。

──ライバルが現れる展開はないんですかね?

新井 (真顔で)それは面白いかもしれない。

一同 あははははは!

新井 ほら、ハルちゃんが私に言い寄ってくれてるけど、この2人(日向と庄司)で一緒に遊んでたりするじゃない?

日向 あ、私が奪われるほうなの?

奥津 ハルおじさんを巡って?

山邊未夢(東京女子流) おじさんの奪い合い(笑)。