BRAHMANが猛者を召集「Bowline」、新木場で終宴

4月11日に東京・新木場STUDIO COASTにてタワーレコード主催のライブイベント「Bowline 2015」の最終公演が開催された。

今回の「Bowline」はBRAHMANがキュレーターを務め、彼らは「第四世界」をテーマに、4人組かつピンボーカルであるバンドを各公演に召集した。岩手、福島、宮城公演に続くこの日、メインステージ「QUARTETTO」には岩手公演のゲスト・SiM、福島公演のゲスト・AA=、宮城公演のゲスト・怒髪天に加え、RADIOTS、FIGHT IT OUT、COKEHEAD HIPSTERS、SLANGが出演。弾き語りステージ「QUARTER」に登場した“レジェンド組”とともに、約8時間弱におよぶ熱演を繰り広げた。

「QUARTETTO」のトップバッターを務めるRADIOTSがパンキッシュなナンバーを畳み掛けて会場を一気にヒートアップさせ、続くハードコアバンド・FIGHT IT OUTはYANG（Vo）がフロアに下りて激しくパフォーマンスする。COKEHEAD HIPSTERSはトリッキーなショートチューンで場内を楽しげなムードで満たし、SLANGはメッセージ性の強いナンバーをひたすらに連投。前半から場内は熱気と轟音であふれ返った。

一方、弾き語りステージ「QUARTER」では日本のパンク・ハードコアの黎明期を牽引した“レジェンド”達による貫禄のあるパフォーマンスが繰り広げられる。赤いテレキャスターを手にした小河原良太（JIGHEAD / ex. THE POGO）はハスキーボイスを響かせ、伸びやかな歌声を聴かせた八田ケンヂ（KENZI & THE TRIPS、スマ・ロ子）は同ステージ出演者との再会をうれしそうに話すなどユルいトークでも観客を楽しませる。「レジェンドじゃなくて現役バリバリです」と言う桑名六道（a.k.a じゃじゃ岩城 from ザ・スカラベリーズ / ex. LIP CREAM）は、ブルースハープとアコースティックギターで心地よい空間を生み出した。GAUZEのフグとJABARA.のジャムによるユニット・フグ＆ジャムは2人ともステージにあぐらをかき、息の合ったハーモニーで熱いサウンドを届ける。同ステージのトリを務めたのは遠藤ミチロウ。観客がステージ後方のロビーまで詰めかける中、彼は「オデッセイ・2015・SEX・福島」を早口でまくしたてるように歌唱したかと思えば、優しい表情で「天国の扉」を歌い上げる。アンコールも発生し、「QUARTER」ステージはメインステージにも劣らない盛り上がりを見せた。

「QUARTETTO」ステージの後半はAA=からスタート。彼らは打ち込みを取り入れたデジタルハードコアサウンドで、場内のムードを変える。ゴキゲンな空気を会場に投入した怒髪天はスローチューン「ひともしごろ」を熱唱し観客を魅了。新曲「宜しく候」では坂詰克彦（Dr）がミニ銅鑼を鳴らしたり、増子直純（Vo）が車掌の帽子をかぶったりと見どころ満載のパフォーマンスで盛り上げた。 “若手代表”のSiMはダイナミックなプレイとレゲエを取り入れたミクスチャーサウンドで観客を踊らせていく。ラストナンバー「KiLLiNG ME」では序盤にMAH（Vo）が演奏を止め、オーディエンスを焚きつける一幕も。ファンを一層熱狂させBRAHMANへとバトンをつないだ。

ステージ後方のスクリーンにBRAHMANの歴史をたどる映像が投影され、最後に「Bowline」のロゴが映るとファンは歓声を上げる。SEに乗って登場したBRAHMANの4人は「初期衝動」でライブをスタートさせると、そこからMCを挟まずノンストップで新旧織り交ぜた楽曲を次々とドロップ。緩急付けた重厚感のある演奏に乗せ、TOSHI-LOWは胸を叩いたり、マイクスタンドを振りかざしたりと感情的に歌唱していく。彼が「霹靂」をフロアで歌唱し、ステージに戻ってくるとバンドはぴたりと音を止め、最後に「ARTMAN」をプレイ。約60分間を駆け抜け、熱狂のうちに「Bowline」を締めくくった。

※記事初出時、本文に事実と異なる記述がありました。訂正してお詫びいたします。