緞帳が開くと同時にステージで待ち構えていた村上啓太(B)、仰木亮彦(G)、永田真毅(Dr)、後関好宏(Sax)、ジェントル久保田(Tb)、村上基(Tp)が「大イントロ」を鳴らし、アルバムと同じオープニングを飾ると下手から浜野謙太(Vo)が登場し深々と一礼。彼は台車の上に立ちスタッフによってセンターまで運ばれると、マイクスタンドを勢いよくつかんで「百年」を歌い出した。マイクスタンドを自在に操りながら機敏に踊り、シャウトを響かせるハマケンは初めから絶好調の様子。演奏陣6人も強固かつグルーヴィなアンサンブルでオーディエンスの腰を刺激する。
バンドは「メッセージ性みたいなの全部忘れて、踊って帰ってください!」というハマケンの呼びかけから続々とアルバム収録曲を演奏していく。「場」ではハマケンが観客にキレのある「場」コールを求め、歌いながら煽って“場”を掌握する。終盤では突如苦しそうに倒れこみ、腕の力だけで舞台上を這いずり回ったあと「笑ってんじゃねえ!」と観客に噛み付いた。MCでは10月初旬から始まったツアーを振り返り、弁当の購入費をケチって自炊し始めたメンバーが現れたことを明かす。さらに彼らは秋田で新米15kgを譲り受けた話、村上基が納豆を客席に投げ入れた話など、食に関わるトークをユルい雰囲気で繰り広げた。
その後ハマケンが「すいませんほんと。こんな家族的な話をして……不甲斐ない」と言ったことを契機に「不甲斐ない」へとつなげ、メロウなソウルナンバーで落ち着いた空間を作り出す7人。哀愁漂うギターの音色が残した余韻を引きずったまま「嘘」をプレイし、在日ファンクのディープサイドを披露した。続く「京都」では一転、仰木主導の“京都&レスポンス”が場内を盛り上げる。在日ファンクのPodcast番組「オオギナステーション」の宣伝やジェントル久保田による軽妙な物販セールストークを挟んでからは、ラストスパートをかけるように「ダンボール肉まん」「きず」「根にもってます」と畳み掛け、フロアを大きく沸かせて緞帳の奥へと消えた。
アンコール前には「オオギナステーション」の特別版を放送するという、観客を喜ばせる演出も。ダブルアンコールではハマケンがバンドを代表して「本当にみんなありがとう。みんなの顔忘れない。次(ライブに)来なかったら根に持つ!」と話し、観客へ感謝の意を表した。そして「パラシュート」まで全16曲を終えた彼らは、一列に並び手をつないで挨拶し、ツアーの幕を下ろした。
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在日ファンク「笑うな」発売記念ツアー
2014年11月16日 EX THEATER ROPPONGI セットリスト
01. 大イントロ
02. 百年
03. ちっちゃい
04. マルマルファンク
05. 産むマシーン
06. 笑うな
07. 場
08. 不甲斐ない
09. 嘘
10. 京都
11. ダンボール肉まん~きず
12. 断固すいません
13. 根にもってます
<アンコール>
14. 恥ずかしい
15. 爆弾こわい
<ダブルアンコール>
16. パラシュート
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- 在日ファンク
- 在日ファンク、メジャーデビューアルバム『笑うな』2014年9月3日発売|日本コロムビア
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