ピアノゾンビ「ひいてるぜ」ワンマンで大暴れ

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ピアノゾンビが10月12日に東京・TSUTAYA O-EASTにてワンマンライブ「骨殺しナイト」を行った。

ピアノゾンビ「骨殺しナイト」東京・TSUTAYA O-EAST公演の様子。

ピアノゾンビ「骨殺しナイト」東京・TSUTAYA O-EAST公演の様子。

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今回の単独公演は約3年ぶりの新作にあたる4thアルバム「ひいてるぜ」のリリースを記念したもの。彼らは約2時間40分にわたり、見どころ満載の破天荒なステージを繰り広げた。

ひいてるぜ

ピアノゾンビ「ひいてるぜ」
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ホネヌキマン

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開演前にはスクリーンにてピアノゾンビの軌跡やメンバー1人ひとりのプロフィールが紹介され、フロア中に笑いが起こる。そんな和やかな雰囲気を打ち破るかのように雷鳴の音が轟くと、鐘を鳴らしながら歩く下僕を先頭に棺桶を運ぶメンバーたちが客席後方から現れた。一同がステージにたどり着き、アキパンマン(Vo, G)が棺桶を開けると中からホネヌキマン(大王)が登場。彼は荘厳なパイプオルガンをBGMにゆっくりと中央の踏み台に立つ。そしてスポットライトを浴びながら、バンドが演奏する「HOLD ME DIE」にあわせてしなやかに踊り出した。一連のオープニングで会場が静まり返ったのも束の間、直後の「Hey You!!」でオーディエンスは待ってましたと言わんばかりの激しいヘッドバンギングを始め、フロアはあっという間に狂騒状態へと変化する。花道に飛び出したり下僕とアジテートしたりとエンジンのかかったホネヌキマンを筆頭に、アキパンマン、中島マン(G)、北松戸マン(B, Cho)、ヘルプマン(Dr)も熱量の高いプレイで観客をヒートアップさせる。

1本分のワインを一気飲みするホネヌキマン。

1本分のワインを一気飲みするホネヌキマン。[拡大]

最初のMCではアキパンマンが「皆さまこんばんは。我々が……」と言いかけ、ホネヌキマンがヘリウムガスを吸った声で「ピアノゾンビだ」と挨拶。「私が会いに行ける大王、ホネヌキマンだよろしくー!!」とテンション高く叫び、独擅場とも言えるトークを繰り広げる。さらに下僕にワインを持ってこさせ、1本分まるごと注げるほどの大きなワイングラスで一気飲みしてみせると、つらそうに顔を歪めながらもすぐさま「おいしーい!」と声を上げて歓声を受けた。

ピアノソロを弾くホネヌキマン。

ピアノソロを弾くホネヌキマン。[拡大]

ライブは「ひいてるぜ」の収録曲を中心に、過去作「弾けなくて…」「まだ弾けなくて」「そりゃ弾けなくて」の楽曲を要所に盛り込んだ形で展開していく。ホネヌキマンのピアノソロからスタートする「さくらの歌」では、しくじりながらも懸命にピアノを弾く彼の姿にフロアから「がんばれー!」という応援の言葉が飛んだ。ヘビーな高速チューン「敬礼」ではアキパンマンのシャウトや、のたうち回りながら絶叫するホネヌキマンのアクションが観客の興奮をいっそう加速させる。立ち込めた熱気は続くミドルナンバー「人間の歌」によって鎮められ、会場にはたちまち切ないムードが広がった。

ホネヌキマンがヒップホップのトラックに乗せてラップを披露し、「新しい夢を一緒に探そうぜー!」とメッセージを送ってから届けられた「dream tablet」でO-EASTはハッピーな空間に一変。そこに和太鼓が運び込まれ、雄々しい音色とともに「ゾンビの祭り」が始まると、法被を着たホネヌキマンは簡易的な神輿に乗り込み、ファンに支えられながら客席を一周する。無事にステージへと戻ってくると「大盤振る舞いじゃ!」と言いながら小判型の紙を投げ込んでお祭り騒ぎを演出した。

寸劇の様子。

寸劇の様子。[拡大]

「ベイビーベイビー」演奏後に全員がステージを去ると、メンバー手作りの映像の上映を挟んで、悪役のアキパンマン、北松戸マン、下僕と正義の味方に扮したホネヌキマンとの抗争を描いた寸劇が繰り広げられる。舞台上に女装したヘルプマン、素知らぬ顔でギターのセッティングをする中島マンも加わりますますカオスな状況になる中、北海道小樽市の非公認キャラクター・ゾンベアーが登場した。愛らしい動作をするゾンベアーとともに「ホネヌキマンのテーマ」「USA」を送るメンバー。アキパンマンのズボンが裂け、ガムテープで補修するという想定外の事態も乗り越えたのちは、中島マン以外の5人が「ワインのしらべ」に乗せてダンスを披露した。その間、中島マンは小さな二輪車を高速でこぎながらステージを横断していた。

アキパンマン(Vo, G)

アキパンマン(Vo, G)[拡大]

ホネヌキマンと下僕がはけ、アキパンマン、中島マン、北松戸マン、ヘルプマンの4人になったバンドは、先ほどまでの騒々しさとは打って変わって「未来ノ歌」で優しいアンサンブルを響かせる。曲の終盤ではホネヌキマンと下僕が熱い抱擁を交わす場面もあった。彼らはさらに「Talk back」「世界平和ロックンロール」と疾走感あふれるナンバーを続け、オーディエンスの身体を揺らした。

バラを配る下僕。

バラを配る下僕。[拡大]

「おまえらのおかげで楽しかったぜ、ありがとう!」と集まった観客へ感謝したホネヌキマンは、「最後にとっておきのバラード用意したから」と「ウサギのうた」のイントロを弾き出す。アキパンマンは「知ってる人は一緒に歌ってください」と語りかけ、同曲をエモーショナルに熱唱して本編を締めくくった。アンコールではホネヌキマンのピアノをバックに、アキパンマンがファンへの思いを丁寧に語る。そして奏でられた「ゾンビの光」では下僕がオーディエンスに赤いバラを配り、フロアは華やかに彩られた。

ピアノゾンビ「骨殺しナイト」東京・TSUTAYA O-EAST公演の様子。

ピアノゾンビ「骨殺しナイト」東京・TSUTAYA O-EAST公演の様子。[拡大]

初めに入ってきた棺桶にホネヌキマンが戻ったことで終演を予感させたが、客席からの拍手は鳴り止まない。すると棺桶に入っていると思われたホネヌキマンがフロア後方から再登場して観客をどよめかせ、ほかのメンバーも下手から次々とステージに姿を見せた。「大王ロケンロー」で再び活気付いた彼らは、渾身の力を込めるようにラストナンバー「ゾンビのうた」を投下。終始観客から顔を背ける形で演奏していた中島マンも、花道へと突き進んで煽るようにギターを掻き鳴らす。各々の気迫に満ちたプレイにファンもヘッドバンギングで応え、この日一番の盛り上がりの中でライブは終了した。

なおピアノゾンビは12月6日に大阪・梅田CLUB QUATTROにてワンマンライブを実施。オフィシャルサイトでは10月19日までチケットの先行予約を受け付けている。

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ピアノゾンビ「骨殺しナイト」
2014年10月12日 TSUTAYA O-EAST セットリスト

01. HOLD ME DIE
02. Hey You!!
03. ゾンビのダンス
04. キラキラの世界
05. 夕暮れ沈む繰り返し
06. ミュージックさん
07. さくらの歌
08. 夢みたいなうた
09. DDD
10. 敬礼
11. 人間の歌
12. dream tablet
13. ゾンビの祭り
14. ベイビーベイビー
15. ホネヌキマンのテーマ
16. USA
17. ワインのしらべ
18. 未来ノ歌
19. Talk back
20. 世界平和ロックンロール
21. ウサギのうた
<アンコール>
22. ゾンビの光
<ダブルアンコール>
23. 大王ロケンロー
24. ゾンビのうた

ピアノゾンビワンマン「骨殺しナイト」~大阪編~ supported by 音エモン

2014年12月6日(土)大阪府 梅田CLUB QUATTRO

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我妻修平 @azumaon

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