ゴールデンウィーク最後の祝日となったこの日は連日の温かな気候から一変、最高気温13度の曇天という好条件とは言えない天候。しかしオープニングSEが流れ始めると、客席からは大歓声が沸き起こりSuG初の野音ワンマンを盛り上げた。武瑠(Vo)を除くSuGの4人はSEに合わせて客席下手から、フラッグを掲げたダンサーとともに入場。メンバーはそれぞれ「B」「A」「B」「Y」をかたどったオブジェを持っており、ステージに到着するとそのオブジェを宙に掲げてからステージ前方に置く。続いてステージ袖から登場した武瑠が加わり、いよいよライブは「小悪魔Sparkring」から勢いよくスタートした。ダンサー2人を交えてダンサブルなステージを展開するSuGは、そのまま「Block Party MonstAr」「Fast Food Hunters」を立て続けにプレイ。3曲終えると、武瑠は「ただいま東京! 今度の『ただいま』は去年の代々木とは意味が違って、ツアーから戻っての『ただいま』です」と挨拶。続けて「この公演『B.A.B.Y.』はツアーのファイナルではなく新しいSuGの初日だと思ってます。そんな日にふさわしい、雲ひとつない晴天です!」と話すと、すかさずyuji(G)から「寒いよ! なんて日だ!」と返される。そして武瑠は「今年一番寒い野音を、今年一番熱い野音にしようぜ!」と叫び、「LOVE SCREAM PARTY」「不完全Beautyfool Days」などアッパーチューンを連発した。
ライブ中盤では「昔の曲を今のSuGがよりカッコよくやっていきたい。今日は野外にピッタリなこの曲を、ひさしぶりにやりたいと思います」という武瑠の言葉に続いて「夏音-kanon-」が演奏されると、客席からは声にならないため息が響きわたる。続く「無条件幸福論」でもエモーショナルな歌を聴かせた武瑠が一度ステージを離れると、yuji、masato(G)、Chiyu(B)、shinpei(Dr)によるバンドセッションに突入。ここで客席後方から突如現れたBMXライダー2人がステージ上でアクロバティックな演技を披露する。そしてステージ後方に設置された白黒の星条旗をモチーフにしたツナギを着た武瑠が再登場し、7月23日リリースの新曲「B.A.B.Y」を初披露する。ダンサーやBMXライダーも加わったこの曲は、エレクトロサウンドとパンキッシュなバンドサウンドが融合したキャッチーなナンバーに仕上がっており、武瑠は「これが最新版のSuGだ!」と宣言した。続く「NO OUT NO LIFE」では曲の中盤で、メンバー1人ひとりがバットを使ってカラーボールを客席に打ち込む。気候と反比例するようにライブの熱気が加速する中、武瑠は「実はSuG、めちゃめちゃ野音に苦手イメージがあって。前に出たときにボロボロだったんです。でも今日はメチャメチャ楽しいね!」と今の心境を告白。さらにこの日のライブ直前に、シーケンストラックのデータが壊れてしまうアクシデントが発生したことも明かし、「SuGって逆境を楽しむバンドなんです。データが飛んだとき、ドキドキワクワクしました(笑)」とうれしそうに語った。
ライブもいよいよ終盤戦に突入すると、SuGは攻撃的なナンバーを連発。「☆ギミギミ☆」では客席後方から巨大なバルーンが投げ込まれ、割れると中から紫とオレンジの小さな風船が飛び散る。武瑠は何度も「最高の景色を作ろうぜ!」と叫び、観客が熱い盛り上がりを見せると笑顔で「昔の映像と比べようもないくらい、いい顔してるぜ、みんな!」と叫んだ。そして「39GalaxyZ」ではメンバーと観客が一体となるような大合唱も発生し、「本当に本当に美しいです。ありがとう!」とファンに感謝の言葉を述べた。
次がラストナンバーというタイミングで、武瑠は「本当に本当に、待っていてくれてありがとう。ツアーでいろんな場所に行って、みんなから勇気や自信をたくさんもらった。いつも『dot.0』で感動して涙するけど、今日は今までで一番前向きな気持ちで歌えそうです」と話し、本編ラストの「dot.0」を笑顔で熱唱。曲中で「でっかい声を聞かせてくれ!」と叫ぶと客席からは大合唱が起こり、武瑠は「このみんなの顔が、俺たちに勇気と自信をくれました。ありがとう!」と再び感謝の言葉を寄せる。そして「最高の景色をありがとう。この景色、みんな目に焼き付けて帰ってください」と呼びかけて、最高の盛り上がりの中ライブ本編は終了した。
アンコールは「MISSING」から勢いよく開始。ステージ上に灯された炎が、すでに日が落ち暗くなった会場をダーク&ゴシック調に演出し、客席は高速チューンのリズムに合わせてヘッドバンギングを繰り返す。その後メンバーがツアーの感想を述べていき、最後に武瑠が「ヴィジュアル系だろうがロック、J-POP、韓流……韓流は違うか(笑)……ジャンルは何でもいいんです。今、バンドが世界的に終わりかけてるけど、俺たちSuGはバンドです。2014年はSuGイヤーにしていきます!」と力強く宣言。ここで8月にジャンルの異なるアーティストとの競演イベント「SuG LIVE BATTLE 2014」、10月にコンセプトの異なる2DAYSワンマンライブ「VersuS 極彩SuG VS 極悪SuG」を開催することを発表し、ファンを喜ばせた。中でも「VersuS 極彩SuG VS 極悪SuG」は初日が「黒で攻め攻めの極悪SuG」、2日目が「ポップでメチャメチャ弾ける極彩SuG」とコンセプトを変え、どちらのライブが観客の声援が大きいかでライブDVD / Blu-ray化される公演が決定するという。武瑠は「本当にこんなに楽しくてドキドキすることを発表できるのは、みんなのおかげ。これからも俺たちに付いてきてください。黙って付いてこいというのはSuGらしくないので……SuGらしく『騒いではしゃいで笑って付いてこい』! 俺たちはこのままカッコよくなります!」と今後の抱負を口にして、メジャーデビュー曲「gr8 story」や「heavy+electro+dance+punk」、そして「ときどきすてきなこのせかい」でこの日一番の盛り上がりを見せて約2時間半にわたる初の野音ワンマンライブを大成功のうちに終了させた。武瑠は「こんな時代にバンドが大好きで、こんなワガママなバンドSuGを愛してくれるみんな、ありがとうございました!」「どうだ、去年の代々木よりカッコいいだろ! お前らも去年よりカッコいいぞ!」と何度も笑顔を見せ、最後にメンバーと観客が一緒にジャンプをしてからステージを降りた。
SuG OnemanShow 2014 "B.A.B.Y."
2014年5月6日 日比谷野外大音楽堂 セットリスト
01. 小悪魔Sparkling
02. Block Party MonstAr
03. Fast Food Hunters
04. LOVE SCREAM PARTY
05. Boom Boom Neat
06. 不完全Beatyfool Days
07. 夏音-kanon-
08. 無条件幸福論
09. B.A.B.Y.
10. NO OUT NO LIFE
11. ☆ギミギミ☆
12. 俺式Continue
13. Crazy Bunny Coaster
14. Toy Soldier
15. 39GalaxyZ
16. dot.0
<アンコール>
17. MISSING
18. gr8 story
19. heavy+electro+dance+punk
20. ときどきすてきなこのせかい
SuG LIVE BATTLE 2014
2014年8月19日(火)東京都 TSUTAYA O-EAST
2014年8月20日(水)東京都 TSUTAYA O-EAST
2014年8月21日(木)東京都 TSUTAYA O-EAST
VersuS 極彩SuG VS 極悪SuG
極悪SuG
2014年10月4日(土)千葉県 舞浜アンフィシアター
極彩SuG
2014年10月5日(日)千葉県 舞浜アンフィシアター
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