12月8日、
通算18回目となる「さとがえるコンサート」の今回のテーマは、1994年に発表された18thアルバム「エレファント・ホテル」の全曲演奏。ステージにはサポートメンバーとして、ピアノとキーボードを担当でサウンドプロデューサーの松本淳一、テルミン奏者のトリ音、フランス生まれの電波楽器オンド・マルトノ奏者の久保智美によるユニットMATOKKUと、パーカッショニストの大石真理恵が参加した。矢野は強力な布陣に支えられつつ、グランドピアノでの弾き語りに加え、シンセサイザーを弾いたり、スタンドマイクの前に立ちボーカルに徹する曲も多くあった。
矢野は最初のMCで「どうも矢野顕子です! 今年も『さとがえるコンサート』お歳暮とともにやってまいりました。今年は『エレファント・ホテル』を全曲演奏するというコンセプトでして、それは私1人ではできません。MATOKKUの魔力があってこそ」とバンドを紹介。ライブの前半は、芸術性の高い「エレファント・ホテル」の楽曲をじっくりと聴かせる展開となった。
中盤の数曲には、事前にアナウンスされていた東京公演のみのゲスト・
民生との共演パートが終わってからは再び「エレファント・ホテル」の全曲演奏が続く。「サンバなのに3拍子」という不思議なリズムで熱を帯びていく「PIPOCA」、大貫妙子の代表曲「色彩都市」に新たな英語詞を付けた「OH DAD」、「ポンキッキーズ」の主題歌として人気を博したポップチューン「夢のヒヨコ」などを披露した。迎えた本編ラストはアルバムと同様、沖縄民謡の「てぃんさぐぬ花」。矢野はこの曲を歌う前、「この『さとがえるコンサート』に毎年のようにお越しくださる方がいるのも知っています。ただ、毎年やることが違うので『今年はいいけど次はどうかな』とか『去年のほうがよかった』とお思いの方がいるのも重々承知です。それでも今日の場所に集まってくださって、本当にどうもありがとう!」と観客に感謝を述べた。
アンコールで再登場した矢野は「数えてみました。ちゃんと『エレファント・ホテル』13曲演奏しました!」と安堵の表情を見せる。ここでは「リラックマのわたし」「ISETAN-TAN-TAN」といった2013年発表のナンバーをMATOKKUおよび大石とともに演奏し、来年春にニューアルバムをリリースすること、その楽曲のお披露目ライブを2月17日に東京・WWWで開催することを告知した。
そして「本当にいろんな曲をやりました。こんなにいっぱいあるんだから、もう書かなくていいんじゃないかとも思いますが、やっぱり書いてしまいます。最後にこの曲をMATOKKUとやれるのは本当にうれしいです」と前置きして最後に送ったのは、「中央線」。テルミンやオンド・マルトノの柔らかくも摩訶不思議な音色、ピアノや木琴の寄り添うように温かい伴奏に包まれながら、矢野は力強いロングトーンを響かせた。そのパフォーマンスに場内は圧倒され、しばらくの間盛大な拍手が止むことはなかった。
矢野顕子 さとがえるコンサート 2013
2013年12月8日 NHKホール セットリスト
01. 愛があれば?
02. ME AND MY SEA OTTER
03. ELEPHANT HOTEL
04. サヨナラ
05. 街
06. スタウダマイヤー
07. ラーメン食べたい
08. すばらしい日々
09. PIPOCA
10. FRIENDS AGAIN
11. OH DAD
12. STRING OF PEARLS
13. 夢のヒヨコ
14. にぎりめしとえりまき
15. てぃんさぐぬ花
<アンコール>
16. リラックマのわたし
17. ISETAN-TAN-TAN
18. 中央線
矢野顕子 Premium Live
2014年2月17日(月)東京都 WWW
リンク
- [Akiko Yano Official Website] 矢野顕子 オフィシャルサイト
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音楽ナタリー @natalie_mu
矢野顕子“さとがえる”で民生と名曲共演、最後は「中央線」 http://t.co/e4HwJWyQiS