日本語ラップ最前線レポート (2026年3月号) [バックナンバー]
セルフプロデュースアーティストksr:3 / 人間味あふれるkillwiz / 予想外の動きで魅せたlymph / 謎の才能octopus nakamura / スキルフルな新世代younyamahashi
EBISU BATICAスタッフが語る今月のラッパーの“カマし”
2026年4月11日 12:00 1
今、最もホットなラッパーが集まる東京の現場と言えば、東京・恵比寿に2011年にオープンし、今年15周年を迎えるEBISU BATICA。ヒップホップフェス「POP YOURS 2026」でニューカマーとして登場したAOTO、
取材・
セルフプロデュースアーティストksr:3
3月22日にKoGlow(コジロウ)くんの企画「ECHO_vol.1」があって、この日はすごく楽しかったですね。KoGlowくん自身も器用にいろいろできて、ライブがうまいラッパーだし、ブッキングの幅の持たせ方が面白いイベントだったんですけど、その中で僕が一番食らっちゃったのがksr:3(キサリ)さん。昔からビートメイカー / ラッパーとして活動しているセルフプロデュースのアーティストで、EASTBRO STUDIOというスタジオでマイクパフォーマンス企画・Wednesday Serviceの主催もしている方です。
ksr:3|Wednesday Service
僕がksr:3さんを知ったのは最近リリースされたラッパーのLeloleloとの共作EP「so」で、ライブを観たのはこの日が初めてだったんですけど、めちゃめちゃカッコよかったですね。いろいろなジャンルを経ているタイプの方で、エレクトロミュージックのニュアンスがありつつ、ちゃんと押さえるところを押さえたラップをしている。メロディがすごく不思議な感じなんですけど、ポップに仕上げていて、バランス感覚がある人なんだと感じました。
予想外の動きで魅せたlymph
ksr:3さんのライブにはフィーチャリングゲストでlymph(リンパ)くんとsafmusicくんも遊びに来ていましたね。lymphくんは最近リリースした自分のアルバム「Yes no Yes」の曲も披露していて、これもめっちゃカッコよかった。
Maybe Not
BATICAには2階後方にバースペースがあって。そこはだいたいのパーティでは使ってない場所なんですけど、lymphくんはマイクを持って、後ろに来たと思ったら、そのバーの机の上に乗って歌ってました。僕は立場的にダメだよって怒らなきゃいけないんですけど、すごくいい演出だったから言えなくて……っていう。そのくらいカッコよかったですね。
lymphくんはもともと名古屋を拠点に活動してて、おそらくここ1年くらいで上京してきたんですけど、以前から交流があって。けっこう天才肌というか、ヒップホップという枠よりも広い部分で注目されるアーティストだと思います。
ライブでしか味わえないICHIRO、igaのよさ
ICHIROくん、igaくんのライブも改めてよかったです。ICHIROくんは昔からBATICAでずっとやってて、最近「ラップスタア」もあって大きくなってますけど、ライブで生の声とスピーカーを通したサウンドを聴かないとわからないようなよさがあります。彼のライブはみんなやり切ったあとの朝方だったんですけど、最後の最後にみんなで暴れて終わる感じでした。
ICHIRO - 突き動かした地球 (offial video)
igaくんのライブは人間味があるというか、その日のマインドだったり、その日のパーティの内容だったりで全然違う感じがあるんですよね。生感があります。
iga - 東京 (Official Music Video)
igaくんの客演で、みんなが大好きな神戸のPu$h!さんも来ていて。Pu$h!さんは自分でも音楽をやりつつ、神戸で「RINKAITEN」とかいろんな企画を開催して、オルタナティブな音楽シーンを作ってる人です。東京のアーティストでも、BATICAには出たことないけど、神戸でPu$h!さんのイベントには出たことがあるってアーティストもいっぱいいるくらいの有名人ですね。やっぱりブッカー同士で話すと、なんか安心するというか。この日は音が止まったあとも、ずっとみんなで話していて楽しかったです。
killwizは会話に近いライブをしてくれる
3月21日にkillwiz(キルウィズ)さんのEP「GEN0ME」のリリースライブを軸とした「mid pioints」がありました。個人的にkillwizさんはすごく好きで、e5、嚩ᴴᴬᴷᵁとのユニットDr. Anonでponikaとして活動していた頃から知ってますけど、2年前にkillwizになってからはリリースも増えて、いい調子なんですよ。それで今回の EP「GEN0ME」はエレクトロとかデジコアっぽいニュアンスから少し変わって、jerkっぽいサウンドを取り入れていたり、ラップのアプローチも、より僕の好みに近いものになっていた。このEPは全曲のビートを同じプロデューサーが手がけているから、全部通しで聴けるようにつながっていて、全体のミュージックビデオも出したりしてますね。そういう試みも面白い。
killwiz - GEN0ME EP【Full Music Video】
収録曲の「YMGMFXXK」は実父へのディス曲らしいですね。そんな話題性もありつつ、それも彼女のアーティストとしての軸から外れてない感じで。killwizさんもライブがいいんですよ。ポジティブというのではないんですけど、すごく目の前のお客さんを考えてくれてるというか、会話に近いようなライブをしてくれるんです。MCの内容も共感できる部分があるし、すごく人間味がある人だと思ってますね。音楽がなかったら出会わなそうな人ではあるんですが、そういう壁を感じさせない懐の広さを感じる。単に僕が大ファンなだけかもしれないですけど(笑)、これからもっと大きくなったとき、どういうライブするのかすごく楽しみです。
謎の才能・octopus nakamura
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音楽ナタリー @natalie_mu
【連載】
#日本語ラップ最前線 レポート
3月にBATICAでカマしたラッパーを紹介
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