「Vtuber楽曲大賞2021」の会場の様子。

投票総数1万4600人、「Vtuber楽曲大賞」で振り返る2021年のバーチャルシーン

今年も大手が上位独占、その一方で「Vtuberという垣根はこれからなくなっていくかもしれない」と期待も

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Vtuberによるオリジナル曲の年間ランキングを一般投票で決めるファンイベント「Vtuber楽曲大賞」の結果が発表された。2019年に初めて行われ3回目を迎えた今年は、2020年11月28日から2021年11月27日までに発表された曲が対象。これまでと同様に、曲のよさから選ぶ「楽曲部門」と、ミュージックビデオのクオリティから選ぶ「MV部門」の2部門で投票を受け付けた。

集計結果の発表イベントは昨年までと場所を変え、今年は12月3日に東京・ageHaで開催されたバーチャルシーンの音楽の祭典「VIRTUAFREAK」内で実施。「Vtuber楽曲大賞」主催のキャン氏とふじき氏、「VIRTUAFREAK」主催の飯寄雄麻氏、音楽ライターの森山ド・ロ氏、グラフィックデザイナー / VJのclocknote.、DJ WILDPARTY、東京・秋葉原エンタスの責任者であるTAKUYA the bringerが登壇し、開票結果についてトークを繰り広げつつ、それぞれの5選も発表した。この記事では、2021年のランキングとともにイベント登壇者たちのコメントを紹介する。

取材・/ 橋本尚平

Vtuber楽曲大賞 楽曲部門

「Vtuber楽曲大賞2021」の会場の様子。

「Vtuber楽曲大賞2021」の会場の様子。

今年の総投票数は、前回の約4倍である1万4642票。投票者が大幅に増したことが結果にどのように反映されたのか。「楽曲部門」の1位から30位までのランキングは以下の通り。

  1. コントレイル / 葛葉
  2. Geminids / ChroNoiR
  3. GHOST / 星街すいせい
  4. 全力ブーメラン / こじらせハラスメント
  5. Stellar Stellar / 星街すいせい
  6. ラストソング / 不破湊
  7. はんぶんこ / 三枝明那
  8. エンターテイナー / Rain Drops
  9. オリジナリティ欠乏症 / 夢追翔
  10. マグマグラグラ / ChroNoiR
  11. インターネットは最悪 / こじらせハラスメント
  12. Viking / le jouet
  13. 藍ヨリ青ク / 緑仙
  14. 駆けろ / 星街すいせい
  15. トレモロムーン / 加賀美ハヤト feat. buzzG
  16. PIERCE / 加賀美ハヤト
  17. ウラノミト / 月ノ美兎
  18. Bluerose / 星街すいせい
  19. 自分勝手Dazzling / 星街すいせい
  20. みとらじギャラクティカ / 月ノ美兎
  21. Wonder NeverLand / にじさんじ
  22. 6月のプレリュード / 町田ちま
  23. Red / 森カリオペ
  24. Unison / Yunomi×宝鐘マリン
  25. Palette / 常闇トワ
  26. Starry Jet / 星街すいせい
  27. Andromeda / 星街すいせい
  28. キセキ結び / ホロライブ4期生(天音かなた、桐生ココ、角巻わため、常闇トワ、姫森ルーナ)
  29. 初恋 / 戌亥とこ
  30. 君になりたいから / 緑仙
  31. REFLECT / がうる・ぐら
  32. ブギーマン / Raindrops
  33. 絶滅危惧 / 天開司
  34. end of a life / 森カリオペ
  35. 特者生存ワンダラダー!! / 天音かなた
  36. 死にたくないから生きている / 夢追翔
  37. 浮遊感UFO / 月ノ美兎
  38. Beast / 天開司
  39. 八月の蛍 / HACHI
  40. シリウスの心臓 / ヰ世界情緒
  41. 3時12分 / TAKU INOUE & 星街すいせい
  42. Rainy proof / HACHI
  43. Roulette! / MonsterZ MATE
  44. バイバイレイニー / 星街すいせい
  45. メイジ・オブ・ヴァイオレット / 紫咲シオン
  46. Everlasting Soul / 角巻わため
  47. 光る地図 / 月ノ美兎
  48. TENPAI / 天開司
  49. Diamond City Lights / LazuLight
  50. 20 / HACHI

1位になったのは葛葉の初のソロオリジナル曲「コントレイル」で、以降もChroNoiR(叶、葛葉)、こじらせハラスメント(相羽ういは、緑仙、弦月藤士郎)、不破湊、三枝明那、Rain Drops(緑仙、三枝明那、童田明治、鈴木勝、える、ジョー・力一)、夢追翔、le jouet(緑仙、夢追翔、加賀美ハヤト)、緑仙、加賀美ハヤト、月ノ美兎など、上位はにじさんじ所属ライバーによる独占状態。ホロライブ所属の星街すいせいは、3位の「GHOST」、5位の「Stellar Stellar」など7曲ものオリジナル曲を30位以内にランクインさせている。2020年の前回に引き続き、2大事務所の人気の高さを見せつける結果となった。

「コントレイル」についてキャン氏は、11月に東京・Zepp Haneda(TOKYO)で行われた初ライブを称賛。AR、3D空間、生カメラを組み合わせた映像表現について「あれはやろうと思ってもできないんですよ。それをマジでやってるのがすごい」と語り、「総合的に今年ど真ん中にいたという意味で、この順位にも納得感はある」と所感を述べた。

11位のこじらせハラスメント「インターネットは最悪」は、DJ WILDPARTYとキャン氏もそれぞれの5選にセレクト。DJ WILDPARTYは「こじハラは過去にアイドルソングを意識した曲を出していたので、この曲名から電波ソングっぽいものになるのかと思ったら、すごく渋いいい曲だったので、ギャップも含めてよかった」と話し、登壇者たちもサウンドプロデューサーを務めたVtuberの弦月藤士郎について「メロの作り方が天才」と評価していた。またキャン氏は「それが悪いという話ではないけど、企業発信を感じる曲が多い中で、これは本人たちが楽しくて作った曲だというのがわかる。変な話、『インターネットは最悪』は複雑な構成ではないけれど、むしろそこによさがある。時代が時代ならネットレーベルから出ていた曲だろうな、と思いを馳せてしまう」とコメント。その話を受けてclocknote.は「このランキングの並びの中に、商業的なかっちりした音楽とインディー的な自由な音楽の両方のタイプがあるのはいい状態」と話していた。

飯寄氏も5選に選んでいる24位のYunomi×宝鐘マリン「Unison」については、登壇者たちは「ちゃんといい感じに聞こえる、でも耳が痛くならない丸いキックって、作るのがめちゃくちゃ難しい」「デカい音で聴いたらすごく映える」と、キックの絶妙な音作りについて絶賛。また飯寄氏は「Yunomiマジックのすごさもあるんですけど、マリンさんのよさが生きる歌詞になってるのもすごい。ファンの喜ぶワードセンスに、耳に心地いい韻の踏み方とか、中毒性がある曲は歌詞がとても面白い」と指摘した。

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Vtuber楽曲大賞 MV部門と、登壇者による5選

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