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プロジェクターに映る「第1回VTuber楽曲大賞」ロゴ。

今年を代表する1曲は?「第1回VTuber楽曲大賞」結果発表

2000人以上が選んだ、VTuber楽曲の人気ランキング

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12月3日に東京・LOFT9 Shibuyaにて、トークイベント「第1回VTuber楽曲大賞」が開催された。

ハロー!プロジェクト関連楽曲を対象とした「ハロプロ楽曲大賞」や、そこから派生した「アイドル楽曲大賞」、ジャニーズ事務所所属アーティストが対象の「ジャニーズ楽曲大賞」など、ファン投票で人気曲の年間ランキングを決めるさまざまな“楽曲大賞”が以前からインターネットの有志の主催により非公式で行われてきたが、今年初めて開催されたこの「VTuber楽曲大賞」は、VTuberのオリジナル曲で人気投票を行うというもの。NHK総合の正月特番「NHKバーチャルのど自慢」で幕を開けた2019年、ブームの勃興期を終えて“歌うVTuber”が定着したこの1年間を、得票結果と共に振り返る企画だ。この記事では発表されたランキングと併せてイベント登壇者たちのコメントを紹介する。

取材・文 / 橋本尚平

VTuber楽曲大賞 MV部門

今回は、ミュージックビデオのクオリティから選ぶ「MV部門」と、曲のよさから選ぶ「楽曲部門」の2部門でインターネットによる投票を受付。初回にも関わらず2045票もの投票があったといい、またイベント開催中にはハッシュタグ「#VTuber楽曲大賞」がTwitterでトレンド入りするなど、このイベントのVTuberファンからの期待の高さを伺わせた。

イベントには、VTuber事務所ホロライブ内の音楽レーベル・イノナカミュージックを主宰するツラニミズ氏、VTuber音楽イベント「VIRTUAFREAK」を主催する飯寄雄麻氏、編集者でライターの森山ド・ロ氏、バーチャルトラックメイカー&ラッパーのワニのヤカという有識者たちが登壇。4人は選出された作品の魅力や、会場でしか聞けない裏話などを語りながらランキングを紹介し、またそれぞれの個人的なVTuber楽曲ランキングも発表した。

「MV部門」の1位から20位までのランキングは以下の通り。

  1. ヒトガタ / HIMEHINA(田中ヒメ、鈴木ヒナ)
  2. Virtual to LIVE / にじさんじ(月ノ美兎、静凛、樋口楓、える、剣持刀也、森中花咲、シスター・クレア、緑仙、ドーラ、本間ひまわり、鷹宮リオン、ジョー・力一)
  3. sheep in the light / Marpril
  4. ヒバリ / HIMEHINA(田中ヒメ、鈴木ヒナ)
  5. 千年愛 / MonsterZ MATE
  6. 過去を喰らう / 花譜
  7. AIAIAI(Prod. 中田ヤスタカ) / Kizuna AI(キズナアイ)
  8. うたかたよいかないで / HIMEHINA(田中ヒメ、鈴木ヒナ)
  9. PINGPONG QUEST / ピンキーポップヘップバーン
  10. Life is tasty! / 燦鳥ノム
  11. 叩ケ 叩ケ 手ェ叩ケ / SIRO(電脳少女シロ)
  12. Shiny Smily Story / hololive IDOL PROJECT
  13. VR - Virtual Reality / KMNZ
  14. Diver×Diver / MonsterZ MATE
  15. Enter the Avatar / MonsterZ MATE
  16. さなのおうた。 / 名取さな
  17. Sky High(Prod. Yunomi) / Kizuna AI(キズナアイ)
  18. MY ONLY GRADATION / 富士葵
  19. #しゅきしゅきぴっぴっぴ▽(▽はハートマーク) / 夜乃ネオン
  20. hero_ / MonsterZ MATE

11月20日にMVが公開されたばかりの富士葵「MY ONLY GRADATION」は、投票期間が11月27日までだったにも関わらず、わずか1週間で18位に食い込む強さを見せた。

13位にランクインした、神宿の一ノ瀬みかが出演したKMNZ「VR - Virtual Reality」のMVについては、KMNZがバーチャルから現実世界を見ているというラストシーンの描写を、登壇者たちは「ミュージックビデオという観点で見て、いい表現だった」と絶賛。

7位のKizuna AI「AIAIAI(Prod. 中田ヤスタカ)」のMVについては、飯寄氏が「VTuberのMVは普段から何かが物足りないと感じていたが、『AIAIAI』だけはそれを感じなかった。たぶん理由は衣装だと思う。ほかのJ-POPのアーティストであれば1本のMVのためにスタイリストが付く。バーチャルだと曲ごとに衣装を変えるハードルが高いのは仕方ないと思うけど、この曲は世界観に合わせた衣装なのでMVとしての完成度も高い。その“いつもの衣装”を一歩踏み越えることができたら、本当に“音楽業界の中でも通用する作品”になるんじゃないかなと思う」と分析した。

また飯寄氏はVTuberのMVにおける映像表現について「若いクリエイターの間ではすでに『Unity』や『Cinema 4D』などを使って3D空間でモーショングラフィックスを作る人が増えていて、VTuberが映像業界の技術向上に貢献しているのを感じる。昔のCG映像は『After Effects』だけで制作する2D表現が多かったけど、今では『3D表現じゃないと映像作品として通用しない』と自然と感じるクリエイターが多く、それはVTuberの功績だと思う」と指摘。これを受けてツラニミズ氏は「そこがうまくクロスしていくといいですよね。もともとVTuberのMVを作っていた人がリアルなアーティストのMVを手がけたり、そういう世界になったらもっと面白くなるんだろうな」と語った。

2位のにじさんじ「Virtual to LIVE」と1位のHIMEHINA「ヒトガタ」は十数票の僅差だったとのこと。会場のプロジェクターで「Virtual to LIVE」のMVが上映されると、3:30頃からのシーンで会場は興奮の渦に。ツラニミズ氏は「このMVを観ながらみんなで盛り上がってるときに、どうしようもなく今を生きてるんだなって感じる」と感慨深げに語り、飯寄氏は「会場にいるみんなが映像を観て高まっているから、この作品がMV部門の2位になるべくしてなったんだな」と納得した。HIMEHINA「ヒトガタ」に関してはツラニミズ氏が「VTuberの曲はこれが基礎になっているところが絶対にある。これを観て『すげえ』となって始めた人もいる。そういう意味でも説得力のある順位」と話した。

VTuber楽曲大賞 楽曲部門

「楽曲部門」では1位から30位までのランキングが発表された。

  1. ヒトガタ / HIMEHINA(田中ヒメ、鈴木ヒナ)
  2. Virtual to LIVE / にじさんじ(月ノ美兎、静凛、樋口楓、える、剣持刀也、森中花咲、シスター・クレア、緑仙、ドーラ、本間ひまわり、鷹宮リオン、ジョー・力一)
  3. 不可解 / 花譜
  4. 過去を喰らう / 花譜
  5. ヒバリ / HIMEHINA(田中ヒメ、鈴木ヒナ)
  6. Life is tasty! / 燦鳥ノム
  7. うたかたよいかないで / HIMEHINA(田中ヒメ、鈴木ヒナ)
  8. 千年愛 / MonsterZ MATE
  9. ミライトミライ / ミライアカリ
  10. twinkle night feat. somunia / nyankobrq & yaca
  11. 天球、彗星は夜を跨いで / 星街すいせい
  12. hero_ / MonsterZ MATE
  13. sheep in the light / Marpril
  14. そして花になる / 花譜
  15. Augmentation(feat. Moe Shop) / KMNZ
  16. Diver×Diver / MonsterZ MATE
  17. AIAIAI(Prod. 中田ヤスタカ) / Kizuna AI(キズナアイ)
  18. アイシー / 卯月コウ
  19. 蒼い蝶 / 蒼月エリ
  20. NEW ERA / 輝夜月
  21. ルーティン / かしこまり
  22. 雛鳥 / 花譜
  23. Fam Fam Time! / ド葛本社
  24. Sky High(Prod. Yunomi) / Kizuna AI(キズナアイ)
  25. シンクロニシティ / おめがシスターズ×BACK-ON
  26. ネオンライト / 星宮とと×TEMPLIME
  27. 叩ケ 叩ケ 手ェ叩ケ / SIRO(電脳少女シロ)
  28. Enter the Avatar / MonsterZ MATE
  29. モッツァレラ▲トライ▼クッキング / 羽子田チカ
  30. DOGMA / シスター・クレア

「楽曲部門」も1位は「ヒトガタ」、2位は「Virtual to LIVE」と、「MV部門」とまったく同じく結果に。2019年の楽曲大賞はHIMEHINAが2冠を獲得した。ツラニミズ氏は26位の星宮とと×TEMPLIME「ネオンライト」について、「普段、VTuberの楽曲についてのお客の反応はクラブで見ることが多いんですが、もしクラブならこの曲が1位だったはず」と自身の経験からコメント。今回の楽曲大賞が偏ったファン層によって投票されたものでないことを実感したと述べた。

花譜の楽曲は3位と4位に連続でランクインした。8月1日に東京・LIQUIDROOMで開催された花譜のワンマンライブで映画館のライブビューイングやYouTube Liveの映像配信を担当していたという飯寄氏は、楽曲部門で4位に入った「過去を喰らう」で、その日もっともフロアが熱狂していたと振り返り、「それはなぜかと考えると、既存曲のオケに合わせて歌唱するのではなく、バンドアレンジだったからだと思う。バンドアレンジで、ライブでしか得られない体験ができる楽曲というのはとても偉大だと思う」と説明。この件については森山氏も、登壇者選曲のベスト5を発表するコーナーで雨ニマケテモ「日青〈ハレ〉」を取り上げて、「今のV界隈にはこういうバンドミュージックがほとんどない」と意見していた。

また花譜「不可解」については、飯寄氏は「これは曲を作っているカンザキイオリさんと花譜ちゃんがわかりあえてきたタイミングの曲だったんじゃないかな?と感じる。VTuberはどうしても楽曲を提供してもらうスタンスであることが多いけど、カンザキさんは花譜ちゃんと楽曲を通して向き合っている。こうやって作家と共に作品を作る手法をとっているKAMITSUBAKI STUDIOはとても面白く、今後も注目していきたい」とコメント。さらに、にじさんじ「Virtual to LIVE」についても「花譜ちゃんに対するカンザキさんのように、kzさんの根っからのにじさんじ好きがしっかりと表されている楽曲だと思った」と話した。

ツラニミズ氏は総評として「これが2019年のすべてというわけではないけども、みんなが選んだ意見としてこうだった、というのはあと3年くらい続けたら意味が強くなる気がする」とイベントを回想。さらにNHKの番組の企画で誕生した“AI美空ひばり”に触れて「やってることはボカロとVTuberを足して2で割ったようなものだけど、そういうカルチャーに触れていないおばあちゃんたちがバキバキに泣いてるんですよ。結局、音楽を通して伝わるものは世代やカルチャーは関係ない。そう考えると“アバターをまとって音楽で人を感動させる”という手法にはまだまだ可能性があると思う」と述べ、イベントを締めくくった。

終演後、楽屋で登壇者たちにイベントを振り返っての感想を聞いた。

ツラニミズ コメント

ここまでまで盛り上がるとは正直思ってませんでした。「こんなにVTuberの楽曲に注目してくれる方が多くいたんだ」というのをすごく感じられたので、来年はもっと大きくできればなと思いました。

森山ド・ロ コメント

こんなイベントができるくらい、今年はVTuberの曲がいっぱい出ていることに驚きましたし、それについてみんなで語り合うのはすごく楽しいんだなと思いました。僕自身ライターなので、もっとたくさんの曲を聴いて、来年も選べたらなと思います。

ワニのヤカ コメント

僕は今回、作り手としての意見を言おうと思って参加させていただいたんですが、今日のことは自分のクリエイトにもかなり影響がありそうだなと思いました。今回のランキングは、タレントとしての人気の票と、楽曲としてちゃんと聴いてくれていそうな票が入り混じっていたのが、個人的にはメチャクチャうれしかったです。

飯寄雄麻 コメント

自分でもイベントのオーガナイザー視点で5曲を選ばせていただいたんですけど、今回のランキングは知名度のある曲が上位に選ばれたなと思っております。来年もさらにVTuberの楽曲がたくさんリリースされるといいなという願いも込めつつ、「VTuber楽曲大賞」ももう少し箔が付くものになっていったらさらに面白くなるなと思ってますので、皆さん、ぜひ今後もバーチャルシーンを注目してください。

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