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本作は、視覚障害者の映画観賞用音声ガイドを制作する美佐子と、視力を失いゆくカメラマンの雅哉が惹かれ合っていくさまを描いたラブストーリー。
第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門への出品が決定した本作。このイベントには、同映画祭へ参加するメンバー5人が集まった。カンヌへの出品は8度目となる河瀬は、出品決定の電話を受けたときのことを「日本は明け方でした。その瞬間に太陽が昇ってきて、光が差しました。それを見て、『光』が世界を巡るんだという感覚になって号泣しました」と回想する。
同映画祭へ日本人で初めて3年連続での参加を果たす永瀬は、河瀬からの電話で本作の出品を知ったそう。「監督がずっと号泣されていて、僕は『ありがとうございます、おめでとうございます』しか言えなかったんですけど、電話を切ったあとに僕も号泣しました」と振り返る。水崎は「撮影中は孤独な役ということもあって、ひとりぼっちなことが多かったんです。でも監督を筆頭にそれぞれが愛を注いでいたんだなと思うと……」と感極まって声を震わせた。
これまで3度カンヌに参加経験がある藤。「今年もまた生き永らえて、出演作が1本増えることとなりました」という挨拶で笑いを起こし、渡仏については「もう、そういう旅行はないだろうと確信していたら、予想が外れましたね。長生きするもんです」とコメントする。そんな藤は本作でベッドシーンがあることから、河瀬が「『愛のコリーダ』に劣らない現役感が……(ありました)!」と発言すると、相手役を務めた神野も「夢のような時間でございました」と照れながら述べた。
1983年の「ションベン・ライダー」で、映画初出演だった永瀬と現場をともにした藤。今の永瀬に対して一言を求められ「あの頃は学校の夏休みを利用して撮影なさってたよね。……育つもんですよね。一生懸命努力したんだと思います。おめでとう!」と言葉をかける。それを受け永瀬は、感動から言葉も出ない様子だった。
またこのイベントでは、本作のテーマでもある視覚障害者用の映画音声ガイドを来場者が体験することに。まずは映画の特報映像を通常バージョンで上映したのち、観客がアイマスクを着けた状態で音声ガイド付きバージョンがスクリーンにかけられた。
最後に永瀬が「お世話になった視覚障害者の皆さんの思いも含めて、すべてを『光』という映画の中に置いてきました」と観客へアピール。そして河瀬が「映画監督・河瀬直美のすべてを注ぎました。世界で一番素晴らしい作品です。どうぞ観てください!」と語りかけ、イベントは終了した。
「光」は、東京・新宿バルト9ほか全国で5月27日よりロードショー。
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- 「光」公式サイト
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春槙たわし @tawashi_honu
河瀬直美監督作「光」のカンヌ出品を受け、藤竜也「長生きするもんです」 - 映画ナタリー https://t.co/UBwzmEOUUp