第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、エキュメニカル審査員賞を受賞した本作。視覚障害者の映画鑑賞用音声ガイドを制作する美佐子と、視力を失いゆくカメラマン・雅哉が惹かれ合っていくさまが描かれる。永瀬が雅哉を演じ、水崎綾女が美佐子役で共演した。
河瀬らとともに同映画祭に参加してきた永瀬は、「5月30日に帰ってきましたが、まだ時差ボケです(笑)。こんな声ですいません」と挨拶する。声の出演をした樹木希林からメッセージが届き、「河瀬監督の表現力は成熟していますね。今回の作品もそうですが、これからもいい映画を撮ってくれると思っています。私は離れたところで見守っています」と激励の言葉を贈られた河瀬。エキュメニカル審査員賞受賞理由の前半が好きだと明かし「『人間の精神的苦痛および弱点、そして可能性に焦点を当てた作品』という点が、まさに永瀬くんを通して表現したかったこと。希林さんの言葉は非常にありがたいです」と感無量の思いを口にした。
映画祭での公式上映時、男泣きを見せていた永瀬は「こんなに忙しいカンヌはなかったですね。僕は写真を撮るのでいつもブラブラするのですが、今回は街を歩くと人に呼び止められて、とても丁寧に作品の感想を伝えられたり」と振り返る。そして「河瀬監督は本当に現地でいろんな人に声をかけられていました。その中でもスペイン人記者が『この映画はすべての人に対してのラブレターですね』と言っていたのにちょっと感動しました」とエピソードを明かした。
ティーチインのコーナーでは、河瀬へ「(『あん』に続いて)永瀬さんを2回起用した理由を教えてください」と質問が。河瀬は「惚れたからです」と即答。「ご存知だと思いますが、抜き差しならぬ映画への愛がある方です」と付け加える。
またサプライズゲストとして、本作に出演した田中正子氏と、永瀬が雅哉を演じるにあたってアドバイスを受けた大谷重司氏が花束を持って登場。田中さんが「撮影している部屋の空気、映画への愛がよみがえってきて、3回目の鑑賞ですが涙がポロポロ出てきて大変でした。素晴らしい映画をありがとうございます」と述べると、河瀬は「実は正子さんのシーンにはもともとセリフがなかったので、映画の中で聞けるセリフはまさに正子さんご自身の言葉です。『想像力というのは大きな大きな世界なんだ。言葉でそれを小さくしないでほしい』と正子さんが言ってくれたことで、この映画が成立しました」と大きな感謝を伝えた。
「光」は全国の劇場で上映中。
※河瀬直美の瀬は旧字体が正式表記
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