日仏独合作となる「光」は、視覚障害者の映画観賞用音声ガイドを制作する美佐子と、弱視の写真家・雅哉の交流を描く物語。雅哉を永瀬、美佐子を水崎が演じるほか、美佐子の上司・智子と劇中映画「その砂の行方」の女優役で神野三鈴、「その砂の行方」の主演と監督役で藤竜也が出演する。
河瀬は「明日起きたら、明後日起きたら、奈良にもう雅哉も美佐子もいないのだと思うと、なんだか身を裂かれるような思いがするのです」と述べ、河瀬とは「あん」以来2度目のタッグとなる永瀬は「ともに生きた河瀬直美監督、スタッフの皆さん、共演者の皆さんに心から感謝しています。やっぱり僕にとって河瀬組はスペシャルでした」と撮影の終了を惜しみながらコメントする。そして役作りのために撮影前から奈良で生活したという水崎は「役になりきるために、ものすごく苦しくて大変だったのですが、撮影が終わってしまうのが本当に寂しい……」と心境を語った。
「光」は2017年に全国でロードショー。
※河瀬直美の瀬は旧字体が正式表記
河瀬直美 コメント
明日起きたら、明後日起きたら、奈良にもう雅哉も美佐子もいないのだと思うと、なんだか身を裂かれるような思いがするのです。それほど登場人物たちと一緒に生きていたな、という気がします。
クランクインが満月で、とても重要な雅哉と美佐子のシーンを撮った日が新月で、そして今日、クランクアップの日がまた満月。光もすべて味方につけた、俳優たちこそが、スペシャルだと思っています!
永瀬正敏 コメント
終わったな……終わっちゃったなって感じです。なかなか言葉にするのが難しいのですが、魂よりももっと大きなものをフィルムに焼き付けられたらと思いながら日々過ごしていました。弱視から目が見えなくなっていく過程の苦しみや、実際に目の不自由な方々の苦しみを、極力嘘がないようにしたくても、実際の僕は目が見えています。でも少しでも近付きたいとできる範囲の最大限の事をやり、自分自身に足枷をはめ、視力を失ってからはほとんど食事を摂らず雅哉として生きてきました。実際に目の不自由な方々の気持ちを考えたら、僕らの小さな悩みや絶望というのは、大したものではない……そんなふうに世の中の見方がこの作品で変わるきっかけにもなったらと思っています。今はまだ客観視はとてもできないですが、1人でも多くの方にこの河瀬監督が伝えようとしている「光」が届くことを願っています。ともに生きた河瀬直美監督、スタッフの皆さん、共演者の皆さんに心から感謝しています。やっぱり僕にとって河瀬組はスペシャルでした。
水崎綾女 コメント
1カ月以上“美佐子”として暮らしていたので、先ほど監督に「水崎綾女!」と名前を呼ばれ、急に現実に戻された感じです。私だけ、最初の1週間は台本がないまま演じていて、やがて1日分の台本をいただくようになり、10日前にようやく台本を1冊もらって読ませていただきました。もう、8割、9割のところまで進んでいて、「あと数ページしかない!」という状況でしたが、そこから作品のヤマが続き、ようやく2日前頃(ゴールという)“光”が見えてきた感じがしました。明日も監督が「やっぱりリテイク(再撮影)したいです」って言ってくれないかなと、少し期待しています。役になりきるために、ものすごく苦しくて大変だったのですが、撮影が終わってしまうのが本当に寂しい……。まだ河瀬組に身を置いていたいし、美佐子でありたいという気持ちが今は強いです。
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- 「光」公式サイト
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森脇清隆 K_Moriwaki @mk_pai
河瀬直美監督の新作『光』の撮影に、当館フィルムシアターもロケ協力しました。永瀬正敏さんとは林海象監督『彌勒 MOROKU』の別館でのプレミア上映以来の再会でした。
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