日仏独合作となる「光」は、視覚障害者の映画観賞用音声ガイドを制作する美佐子と、弱視の写真家・雅哉の交流を描く物語。雅哉を永瀬、美佐子を水崎が演じるほか、美佐子の上司・智子と劇中映画「その砂の行方」の女優役で
永瀬は「撮影の20日前には奈良に入り、実際の雅哉のマンションで暮らし始めました。スタッフの方と雅哉の部屋を作るのに1週間の時間を費やし、部屋の写真は全て自分が撮りだめてきた未発表のものを使用しました」と明かす。また水崎は「撮影が始まっても、私だけ脚本をもらえていないのですが、24時間美佐子として生活することで、不思議とすんなりセリフが出てくるのです」とコメントを寄せた。
「光」の撮影は奈良、大阪などで行われ、11月中旬にクランクアップ予定。2017年に全国で公開される。
※河瀬直美の瀬は旧字体が正式表記
永瀬正敏 コメント
どのように役作りをしたか
撮影の20日前には奈良に入り、実際の雅哉のマンションで暮らし始めました。スタッフの方と雅哉の部屋を作るのに1週間の時間を費やし、部屋の写真は全て自分が撮りだめてきた未発表のものを使用しました。視覚障碍を持つ4~5人の方とお会いしその生活を拝見させていただいたり、自分自身でできることとしては、決められたコースを目をつぶって歩くことを繰り返したりしながら、準備をしました。
今回の撮影ならではのエピソード
雅哉の部屋を含めて、他のロケセットでも光の入る時間や光の向きが計算されつくしていると思います。自然光の時間に合わせて、撮影をしていると言っても過言ではなく、この映画ならではのシーンになっているはずです。
水崎綾女 コメント
脚本を読んでどう思ったか
実はオーディションのとき、台本を2ページしか読ませてもらえなかったのですが、自分の好きなタイプの作品だと確信しました。撮影が始まっても、私だけ脚本をもらえていないのですが、24時間美佐子として生活することで、不思議とすんなりセリフが出てくるのです。ストーリーの先が分からない分、予想がつかないけれど、順撮りをしているので、美佐子の気持ちがどんどん積み重なっていくという初めての経験をしています。
美佐子を演じるために、どんな準備をしたか
この役をいただくまで、ディスクライバー(映画の音声ガイドの原稿制作者)という仕事があることも知りませんでした。撮影に入る前、「あん」の音声ガイドを自分で作り、実際に視覚障碍者の方々の前で発表したときに、全く情景が伝わらないとボロクソに言われ、心から悔しい思いをしました。実際の撮影で使う音声ガイドの原稿も、自分で書かなければならないので、撮影が始まった今も毎日、美佐子の苦労と喜びをリアルに感じています。
河瀬直美 コメント
物語の着想はどこから得たか
「あん」で初めて音声ガイドをつくったときに原稿確認をしたのですが、音声ガイドそのものが、表現として素晴らしいものだと思いました。原稿を作られた方が、監督以上に作品の事を考えてくれる、同志のように感じられたのです。昨年のカンヌの頃から、音声ガイドの製作をする方を主人公にした作品を作りたい、と考えるようになりました。
主人公である弱視のカメラマンは、当初から永瀬をイメージして書いたのか
そうです。永瀬さんとは「あん」でカンヌへ行ったときから、また一緒に映画を作りたいですね、と話していました。実際に、永瀬さんのカメラマンとしての活躍ぶりを見てきたので、今回の役柄は彼しかいないと思っていました。
ヒロインに水崎を選んだ理由
何人も何度もオーディションをして水崎さんに決定しました。感情をそのまま素直に出すところが、美佐子の役柄に合っていると感じたのです。
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