SEKAI NO OWARI、星空に包まれた初武道館ライブ

1

866

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 230 230
  • 31 シェア

SEKAI NO OWARIが11月22日にバンド史上初めてとなる日本武道館公演「SEKAI NO OWARI at 武道館」を開催。満員の観客を前に、約2時間のファンタジックなショーを繰り広げた。

「SEKAI NO OWARI at 武道館」の模様。

「SEKAI NO OWARI at 武道館」の模様。

大きなサイズで見る(全2件)

「SEKAI NO OWARI at 武道館」の模様。

「SEKAI NO OWARI at 武道館」の模様。

大きなサイズで見る(全2件)

映画「スター・ウォーズ」のR2-D2にも似た、「OMC-1」という名前のファニーな“ロボット”による口上が終わると、ステージ後方に用意された豆球が灯り、星空のような空間が作り出される。観客が感嘆の声を上げるとともにメンバーがステージに登場し、1曲目としてニューシングル「スターライトパレード」を歌い始めた。暗いままの場内に、深瀬慧(Vo, G)の透明な歌声が響く。そして頭サビが終わると舞台照明が一斉に点灯する、というドラマチックな展開で、早くもオーディエンスの心をわしづかみにした。

初めての大舞台にもバンドは緊張した様子を見せず、深瀬や中島真一(G, Sound Produce)は左右に伸びた花道まで走っていって楽しそうに演奏する。またこの日の総合演出は藤崎彩織(Piano)によるもので、「虹色の戦争」ではバックスクリーンの映像がVJミックスのような様相を見せたり、「天使と悪魔」では特効のシャボン玉が吹き出して会場を幻想的な雰囲気で包んだりと、凝った演出で観客を魅了した。

最初のMCは、LOVE(DJ)が担当。これまでライブで口を開くことがなかった彼がMCをするとあり、ファンは驚きの声を上げる。そしてLOVEによる「ひとつお願いがあるんですけど『アリーナー!』ってやつやってもいいですか!」と初めての武道館ライブを楽しんでる様子のMCを挟み、「死の魔法」へ。さらにバックスクリーンに、フロイト、シェイクスピア、スティーブ・ジョブズ、村上春樹、北野武、甲本ヒロトといった著名人による、生と死に関する格言が映し出され、「不死鳥」の演奏へと続く。切ない世界観を情感たっぷりに表現するメンバーを、会場中が息をのんでみつめるひとときとなった。

またこの日は、いくつかの新曲が披露された。中島の「この武道館ライブのために歌を作ってきました」というMCから演奏されたのは、まだタイトルもついていないナンバー。中島曰く「初めて人生で作詞をして、人前で歌うのも初めてなんですけど、今この瞬間を想像して作りました」という曲で、柔らかなギターの音色と、中島のあたたかい歌声が印象的な楽曲だった。なおこの曲では、バックスクリーンに中島の手書きによる歌詞が投影され、観客はその内容を味わいながら“できたてほやほや”の新曲を楽しんだ。

ライブ後半に入ると、藤崎のしっとりとしたピアノが印象的な「白昼の夢」でいったんオーディエンスをクールダウンさせるも、続く「世界平和」では楽曲の持つダークな雰囲気を後押しするように緑色のレーザー光線が飛び交い、会場をシリアスな空気で満たす。さらに、深瀬が「ベートーベンの『月光』からリフのイメージが湧いてできた曲」と説明して披露した新曲の「Love the warz」では、ラップのような韻を踏んだ深瀬のボーカルと、中島のスパニッシュギターを思わせるプレイで、バンドの新境地を覗かせた。

「なんとですね、あと2曲です」と深瀬が告げると、観客からは一斉に「やだー!」と声が飛ぶ。それを聞いて深瀬はうれしそうな表情を見せつつ「いや思ったよりやってますよ?」とおどける。さらに「みんなにすごく歌ってもらおうかと思うんですができますか? 僕の声を超えるぐらい歌えますか?」と煽ると、怒号のような歓声が響き渡る。そして演奏された「ファンタジー」ではコール&レスポンスで一体感が生み出され、最後の「青い太陽」では会場のあちこちから合唱の声が響き、観客の誰もがこの“架空のフェスティバル”の終わりを惜しむような空気が満ちあふれた。

鳴り止まないアンコールの声に応え、メンバー4人がステージに再登場すると、大きな拍手と指笛が武道館を包む。それを聞いた深瀬は「それ(指笛)好き! 僕できないんだけど」と無邪気な笑顔を見せる。また中島は「俺たちこんな長いライブやったことないですよ実際」と感慨深げに語るとともに、この日の総合演出を務めた藤崎をねぎらう言葉を口にする。さらに、ライブ開始前に登場した“ロボット”のセリフを考えるため藤崎が夜な夜な壁に向かって話しかけていた、というエピソードを暴露すると、観客から爆笑が起こった。

そしてアンコールで演奏されたのは、いまだ音源化されていない「眠り姫」と、ライブの定番曲「インスタントラジオ」。「インスタントラジオ」では、オーディエンスから自然とクラップや合唱が起こる中、中島はアウトロでステージの下に飛び下りて最前列のファンとハイタッチを繰り広げ、LOVEはDJブースを離れて花道まで駆けていく。深瀬も藤崎も、満面の笑顔をたたえつつプレイ。初めての武道館ライブを、最後まで全力で楽しもう、というメンバーの姿勢が感じられる瞬間となった。

SEKAI NO OWARIはこのあと11月28日より全国ツアー「SEKAI NO OWARI TOUR 2011」に乗り出す。また年末には「RADIO CRAZY」「COUNTDOWN JAPAN 2011」といったフェスにも出演する。さらにこのライブの模様が2012年1月29日(日)24:00よりWOWOWでオンエアされることも決定した。視聴環境のあるファンは、録画予約をお忘れなく。

SEKAI NO OWARI at 武道館
2011年11月22日@東京・日本武道館

01. スターライトパレード
02. 虹色の戦争
03. 天使と悪魔
04. Never Ending World
05. 死の魔法
06. 不死鳥
07. yume
08. 新曲 / タイトル未定(中島ソロ)
09. 白昼の夢
10. 世界平和
11. Love the warz(新曲)
12. 花鳥風月
13. 幻の命
14. ファンタジー
15. 青い太陽
<ENCORE>
16. 眠り姫(新曲)
17. インスタントラジオ

この記事の画像(全2件)

読者の反応

  • 1

音楽ナタリー @natalie_mu

SEKAI NO OWARI、星空に包まれた初武道館ライブ http://t.co/W2IgPZwz

コメントを読む(1件)

関連商品

リンク

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 SEKAI NO OWARI の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。