津波被害のTHE YOUTH中村が被災地から歌のメッセージ

仙台を拠点に活動しているロックバンド、THE YOUTHのボーカル・中村維俊が東日本大震災の被災地で新曲「アイ」を制作し、現地からのメッセージとともにYouTubeで公開した。

中村とドラム・相澤大樹の地元は今回の津波で多大な被害を受けた宮城県名取市閖上。相澤はSIONのライブをサポートするため地震があった当日は東京にいたが、深夜に機材車を走らせ仙台に帰ったところ、自宅と実家が津波により流されていた。中村は自宅はなんとか無事だったものの、実家は流されてしまったとのこと。ギターの三井律郎はサポートメンバーを務めるLOST IN TIMEのツアー先から秋田の実家に戻っていたが、明日仙台に向かうという。

そんな中、中村はほかのメンバーと連絡がつかないまま被災翌日に楽曲を制作。電気が通じるようになってから、自らが講師を務める専門学校で多くの人の協力を得てレコーディングを敢行し、できたての新曲をYouTubeにアップロードした。

中村維俊（THE YOUTH）コメント

東北関東大震災で被災された皆様
それを支えてくれている多くの皆様へ

僕も被災者の1人ではあるのだけど、
こうして生きていること。
もっともっと大変な地域や、もっともっと辛い毎日を送っている人達が沢山いる今、
やっぱり僕にできることは、歌を届けることぐらいしかなくて。

僕ひとりにできることなんて、たかが知れてるかもしれない。
でもそんな微力も、ひとりひとり合わせれば、きっと何かを変えられるし、
何かを動かすことができると信じてます。

被災にあった翌日、抱えていたギターをゴチャゴチャになった部屋で掻き鳴らしました。
今思えば、とても危険な行動だったけれど、僕の衝動です。
出来上がってすぐに録音に走りました。
多少ザツに聴こえるかもしれないけど、ストレートにシンプルに、
とにかく僕のできること、歌を届けたくて、こういうカタチをとらせてもらいました。

THE YOUTHのメンバーがまた揃って出来るようになったら、
今度は皆で、同じ被災にあった者として、僕らのできること、音楽を届けたいと思っています。
共に頑張りましょう。

■nakamura masatoshi「アイ」