6人組ボーイズグループ・世が世なら!!!が、2025年前半に発表した楽曲群と新曲を1枚に詰め込んだ2nd EP「2025!!!」をリリースした。
今年は朝活ライブに続くマンスリーイベント「真夜中ライブ - シンデレラもびっくり!!! 深夜テンション爆上げ!!! 25時に召集かけてごめんなさい-」の開催や、メンバー全員での大阪1カ月共同生活など、ほかでは類を見ないオリジナル企画にチャレンジしてきた世が世なら!!!。この特集ではそんな彼らの濃密な2025年の活動を振り返りつつ、「2025!!!」制作エピソードや裏話、ifif(世が世なら!!!ファンの呼称)との関係性、そして2026年2月に控える過去最大規模のワンマンライブに向けた意気込みなどをじっくりと語ってもらった。
取材・文 / 倉嶌孝彦撮影 / はぎひさこ
始発までファンと過ごす、真夜中ライブ
──新作のタイトルは「2025!!!(トゥエニートゥエニーファイブ!!!)」。まさに今年リリースした楽曲をまとめた作品なので、今回のインタビューでは世が世なら!!!の1年を楽曲と一緒に振り返れればと思います。1月はメンバーそれぞれの舞台出演が多かったこともあり、世が世として変わった仕掛けをし始めたのは2月から。2月は毎週末「真夜中ライブ」を開催していました。
大谷篤行 「真夜中ライブ」は25:30に開演して、始発まで特典会をするという変わったイベントだったんですが、どちらかと言えば世が世は夜行性の人間が多いので、すごく楽しんでやれました。
橋爪優真 むしろいつもよりテンションが上がったというか。
──昨年の夏は朝8時にライブハウスに集合するという“朝活ライブ”を開催してましたよね。朝と比べると……?
添田陵輔 断然夜! 朝はむくみが気になったり、体がまだ動かなかったりするし。
内藤五胤 朝8時半の開演だから、そこに向けての起床時間を考えるとほとんど寝れなかったからね。それと朝ライブしたあとにスケジュールが入ると大変だった(笑)。
大谷 僕は朝ライブのほうが好きだったかな。朝だと仕事前や学校前に来てくれる人が多くて、みんな健康そうな感じがよかったんですよね。それが夜のライブだと「仕事終わりに来て、ライブ後はそのまま仕事に行きます!」みたいな人もいて。もちろん、どっちもやってよかったけど、みんなの負担にならないところでライブができたほうがいいのかなって。
笠松正斗 でも横並びのアーティストがやってないことをやれてよかったと思ってます。こういう時間にライブをやってもいいんだって、僕らも勉強になりました。
撮影に24時間かかった“いい感じ”の曲
──4月に「心底 下剋上、はじめました。宣言」という声明を発表し、連続リリースや2025年の指針が発表されました。それと同時に配信されたのが「viva☆いー感じっ」という一風変わった楽曲ですね。
大谷 最初にデモを聴かせてもらったとき、これまでの世が世にない不思議な楽曲だなと思いました。
笠松 うん。めっちゃ耳に残る曲。
内藤 中毒性が高い曲だよね。
──歌詞は世の中にあるいろいろな“いい感じ”を羅列する、言ってみれば「あるある」がベースになった曲ですね。
添田 ミュージックビデオの撮影がめちゃくちゃ楽しかったです。歌詞に出てくるいろんなシチュエーションを再現するのが、大変だったけど面白かったな。
橋爪 とにかくカット割が多くて、いろんな衣装を着れたし。
添田 学ランとか、スーツとか。でも過去イチの長丁場の撮影でもあったよね。
──どれくらい時間がかかったのですか?
添田 現場入りから考えたら、20時間くらい?
内藤 家を出るところから考えたら丸1日かかった気がする。
橋爪 家に帰るまでがMV撮影だから、24時間ってことにしよう。
添田 途中でダンスの先生が終電の時間を迎えてしまい、見送りをしてね。
大谷 最後の撮影がダンスシーンなのにね(笑)。僕らに託して先生は帰っちゃいました。
中山清太郎 すべての撮影を終えて、覚醒状態でダンスプラクティス動画まで撮ってね。
添田 気合いで乗り切った撮影でした。
内藤 実は撮影場所がデビューシングルの「鼓動のFighters」のMVを撮った場所で。それも相まってがんばれたよね。
──先ほど「これまでの世が世にない不思議な曲」と話されていましたが、ライブではどのような位置付けの曲になっていますか?
添田 とにかくコール&レスポンスが楽しい曲になってますね。
橋爪 アドリブで“いい感じ”のことを言って、みんなで「viva☆いー感じっ」と声を合わせる、やってて楽しい曲だよね。
──歌詞の中に「ラスソンに美空ひばりん獲って 川の流れ超いい感じっ」とありますが、これって若い世代の皆さんにも実感があるんでしょうか?
大谷 あ、これだけはよくわからなかった“あるある”でした。
──カラオケの締めに美空ひばりの「川の流れのように」を歌うのが定番という時代があったんですよ。
大谷 知らなかった!
添田 それでか。8月に大阪でライブハウスの対バンイベントに出てたとき、ちょっと年上のバンドさんに「viva☆いー感じっ」がめっちゃ刺さってたんですよ。あのときはわかってなかったけど、そういうちょっと上の世代のあるあるが含まれていて、喜んでもらってたんですね! 今腑に落ちました。
正斗が涙した「小さな革命」
──5月には「小さな革命」がリリースされました。コミカルな楽曲が多い世が世にとっては珍しいアプローチの、ストレートにいい曲で驚きました。
大谷 確かに、この曲はふざけてない。
橋爪 正斗はこの曲で泣いてたからね。
笠松 ……。
橋爪 春のツアーで初披露だったんですけど、初日の埼玉公演でもう感極まってたよ。
添田 泣いてたね。
内藤 泣いてた。
笠松 自分が歌う歌詞に「かけがえのない相棒さ」という一節があって。ここをメンバーのことを思いながら歌ってたら、心にきちゃいました。
橋爪 そこの正斗の歌、マジで大好きなんだよな。
中山 正斗にしか歌えないところかもしれない。
大谷 僕らのライブは常に騒ぎ続けているから、こういう曲があると心を動かされるんですよね。セトリでもけっこう大事な位置に置かれる曲になりそうです。
次のページ »
曲はまともなのに、映像はハチャメチャ





