BUCK-TICK、ツアーファイナルは愛に満ちた恒例武道館

BUCK-TICKが12月29日、全国ツアー「TOUR 2010 go on the "RAZZLE DAZZLE"」の追加公演を東京・日本武道館で行った。

10月にリリースされた最新アルバム「RAZZLE DAZZLE」を引っさげて、2カ月強にわたり行われてきた今回のツアー。毎年恒例の武道館公演が今ツアーのファイナルとなり、会場には大勢のファンが駆けつけた。

開演時間を10分ほど過ぎた頃に会場が暗転。アルバム「RAZZLE DAZZLE」のオープニングSE「RAZZLE DAZZLE FRAGILE」が流れ始めると、ステージを覆う幕に映像が映し出される。そして、幕の後ろにメンバー5人が揃ったところで、ステージの幕が上がり「RAZZLE DAZZLE」でライブがスタートした。黒いハットとコートをまとった櫻井敦司（Vo）がステージの中央でこの曲を歌い上げ、今井寿（G）と星野英彦（G）はそれぞれステージの下手と上手で激しいアクションを見せながらギターをプレイ。リズム隊の樋口豊（B）とヤガミ・トール（Dr）はステージ後方で、フロント3人を安定感ある演奏でサポートしていった。

バンドは2曲目に早くもヒットシングル「独壇場 Beauty」を演奏。ステージの天井からはいくつものミラーボールが吊され、ダンサブルなこの曲の世界観をきらびやかに演出した。櫻井はハットとコートを脱ぎ、タンバリンを持って激しくダンス。今井と星野はステージ両サイドの花道から、アリーナやスタンド席の観客を煽った。

最初のMCで、櫻井は「ウェルカム！ たくさん集まってくれて本当にありがとうございます。ツアーは今日で終わるので、噛みしめてやりたいと思います。さぁ、楽しもう！」と発言。その後もライブはアルバム「RAZZLE DAZZLE」の楽曲を中心に、熱く進行していった。

ライブ中盤では、「SANE」「唄」といった1990年代半ばのナンバーも披露。「SANE」では拡声器を持った櫻井が、無機質なサウンドの上に独特の世界観を作り上げていった。また、「唄」ではBUCK-TICK流ハードロックサウンドを展開。サビでは客席から大合唱が起こるなど、大きな盛り上がりをみせた。

その後も、今井のバイオリンギター奏法を導入した「VICTIMS OF LOVE 2010」、櫻井と今井のかけ合いが印象的な「TANGO Swanka」、四つ打ちビートが気持ちいい「くちづけ」「月下麗人」を立て続けに演奏。櫻井の「みなさん盛り上がって、今年あったいろいろなことを忘れちゃいましょう！」という煽りを経て、キャッチーな「夢幻」、感動的なバラード「Solaris」でライブ本編は終了した。

観客がアンコールを待つ間、ステージには再び幕が降りはじめた。そして、客席からのアンコールの声に応えるべく、BUCK-TICKが再びステージに登場。幕が降りたままの状態で、アルバム「RAZZLE DAZZLE」の収録曲「妖月 -ようげつの宴-」を演奏し始めた。この曲では幕に映し出された抽象的な映像と、その後ろで演奏するバンドとがシンクロし、ステージに唯一無二の世界が構築されていった。再び幕が上がると、彼らは「Goblin」「ICONOCLASM」を披露。熱のこもった歌と演奏で、観客を魅了した。

2度目のアンコールでは「Baby, I want you.」「夢魔 -The Nightmare」を立て続けにプレイ。そして、「ありがとう。みなさん、よいお年を。素晴らしい年になりますように」という櫻井の言葉に続いてラストナンバー「DIABOLO」が会場のファンにプレゼントされた。ピースフルな空気が会場を包んだところで、櫻井はファンに向けて「ハッピーニューイヤー！ おやすみなさい」という言葉を贈り、ステージを後に。続けてメンバー全員がステージを降りたところで、スクリーンには「This is THE END」「This is a DREAM」「This is a LOVE」「Thank you very very much」「See you soon」「Good-night with big kiss」というメッセージが表示され、BUCK-TICKからの愛に満ちあふれた、約2時間にわたる武道館ライブが終了した。

BUCK-TICK「TOUR 2010 go on the "RAZZLE DAZZLE"」追加公演
2010年12月29日 日本武道館 セットリスト

SE. RAZZLE DAZZLE FRAGILE
01. RAZZLE DAZZLE
02. 独壇場 Beauty
03. PIXY
04. 羽虫のように
05. BOLERO
06. Django!!! -眩惑のジャンゴ-
07. 狂気のデッドヒート
08. 錯乱Baby
09. SANE
10. 唄
11. VICTIMS OF LOVE 2010
12. TANGO Swanka
13. くちづけ
14. 月下麗人
15. 夢幻
16. Solaris

-ENCORE-

EN1. 妖月 -ようげつの宴-
EN2. Goblin
EN3. ICONOCLASM

EN4. Baby, I want you.
EN5. 夢魔 -The Nightmare
EN6. DIABOLO