宇多田ヒカル一時休止前ラスト公演で感涙&Ust新記録樹立

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12月8日と9日の両日、宇多田ヒカルがアーティスト活動休止前最後のコンサート「WILD LIFE」を神奈川・横浜アリーナで開催した。

終始あたたかい拍手や声援を送る観客に対し、「すごくみんなの愛を感じます。ここにいてすごく幸せ」と笑顔を見せた宇多田ヒカル。

終始あたたかい拍手や声援を送る観客に対し、「すごくみんなの愛を感じます。ここにいてすごく幸せ」と笑顔を見せた宇多田ヒカル。

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MCでは12年前と今と比較し、「デビューした頃は強がってて素の自分を見せられなかったりしたなぁと思う。素直になるっていうのは気持ちいいことだ!」と語った。

MCでは12年前と今と比較し、「デビューした頃は強がってて素の自分を見せられなかったりしたなぁと思う。素直になるっていうのは気持ちいいことだ!」と語った。

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コンサートの1日目・8日公演は、全国映画館でのライブビューイングとUstreamでの生配信を実施。前代未聞ともいえるアリーナコンサート中継は、Ustreamで総のべアクセス数92万5000を記録。同時間帯のUstream視聴者数で全世界No.1を獲得しただけなく、Ustream Asia設立以来、日本国内の事例として歴代1位のユニークユーザー数34.5万を叩きだした。

そんな全音楽ファンが注目した今回のライブは、客席がステージを囲むセンターステージセット。シンプルな黒い円形ステージには宇多田ヒカルを含めたバンドメンバー総勢16名が立ち、会場には2日ともそれぞれ1万4000人のファンが集結した。

コンサートは新作ベストアルバムに収録された新曲「Goodbye Happiness」から始まり、2曲目の「traveling」で宇多田ヒカルは「みんな! 行くぞっ!」と勢いをつけてステージの外周へ繰り出す。最初のMCでは「今日、実は私のデビュー12周年の記念日です。まさか今日こうしてステージに立ってみんなの前にいれるなんて思ってなかったし、本当に幸せ者です」と挨拶。そして「今日で最後っていうことで、もうやりたいようにやるから、みんなも好き勝手やっちゃって楽しんでね」とファンに笑いかけた。

その後は「テイク5」「Prisoner Of Love」「Letters」といった、シリアスかつ抒情的なナンバーを続けて披露。「COLORS」はバイオリン4台、ヴィオラ2台、チェロ2台のストリングスのみを伴奏につけ、クラシカルな雰囲気を演出した。また、ステージにグランドピアノが登場すると、宇多田ヒカルは「ペプシネックス」のCMでおなじみ「Hymne a l'amour ~愛のアンセム~」を熱唱。さらに自身のピアノ弾き語りで「SAKURAドロップス」をしっとりと歌い上げた。

主役が一旦去ったステージでは、2人のキーボーディスト、Pro Toolsオペレーター、マニピュレーターによるインストゥルメンタルが展開。「Eclipse(Interlude)」をダイナミックにアレンジしたフリープレイで、アルバム「ULTRA BLUE」の曲順同様、次の「Passion」へその世界観をつなげてみせた。

ライブはその後、しばらく続いていた緊張感を解き放った「BLUE」、鬼気迫るバンドサウンドが印象的なロックチューン「Show Me Love(Not A Dream)」と続き、MCへ突入。宇多田ヒカルはTwitterなどで頻繁に使っている「ぼんじゅーる!!」という挨拶を横浜アリーナで実践し、ファンも大きな声で「ぼんじゅーる!!」と返す、といった和やかなやりとりが行われた。

次なるセクションでは、再びグランドピアノを弾きながらの「Stay Gold」、歌詞をステージ上部のモニタに映してファンと合唱した「ぼくはくま」、そして誰もが知っている代表曲「Automatic」「First Love」「Flavor Of Life -Ballad version-」を披露。1998年12月9日にリリースされたデビュー曲「Automatic」について、本人は「この曲が出たのが12年前だなんて変な感じだね。1周だもんね、干支で。なんかひと区切りって感じだよね」としみじみ語った。そしてショッキングピンクのスポットライトが走り、珠玉のバラードからガラリと雰囲気を変えたのは「Beautiful World」。心地良いアップビートで観客を踊らせつつ、アウトロでは「Yeah~!」「Oh~!」のコール&レスポンスを何度も繰り返し、コンサートならではの興奮を煽った。

そしていよいよ本編も終盤。「光」では客電が点いてハート型の紙吹雪が撒かれる。会場いっぱいにピースフルなムードが満ちたところで、宇多田ヒカルはこの2日間で感じた思いを率直に述べた。「昨日が初日で、上手くいくのかわかんなかった割には結構できたんだけど、今日は何をどう言ったらよくわかんないときがあって……」と言葉を詰まらせる宇多田ヒカルに、「ヒッキー!!」「大好きだよー!!」と呼びかけるファン。「別に引退するわけじゃないんだよ。でもちょっとの間お休みするから、しばらくライブできないかなと思うと……」と彼女は目を潤ませる。そんな姿に会場は励ましの拍手や「待ってるよー!!」という歓声がこだまし、宇多田ヒカルも「うん、信じる。信じてる」と大きくうなずいた。

本編最後の曲として彼女が選んだのは「有名なヒットシングルでもないんだけど、すごく好きな曲」だという「虹色バス」。普遍的な幸せを歌った軽快なミドルチューンで場内はより一体感を増した。

アンコールは、コンサートグッズの黒いTシャツにジーンズというラフな格好で、アコースティックギターを抱えて登場した宇多田ヒカル。ここでは、12月8日がジョン・レノンの命日であることにちなんでTHE BEATLES「Across the Universe」をカバーしたほか、新曲「Can't Wait 'Til Christmas」を披露。その後バンドメンバーの紹介を挟んで、宇多田ヒカルは来年からアーティスト活動を一時休止し“人間活動”に励むことについて話を切り出した。「何をしたいっていうわけでもなくて、ちょっと自分を見失いかけてた時期が長かったなぁ、自分を大切にできてなかったなぁと思うのね。自分を大切にできないのに他の人を大切にしようとしても、ただの依存だなぁと思って」という言葉で、彼女は直接ファンに気持ちを打ち明ける。

そしてコンサートは、宇多田ヒカルが15歳のときに発表した初期のナンバー「time will tell」で大団円。心を込めて2時間半歌いきった彼女は、全方位に何度も「ありがとう」とお辞儀を繰り返し、ステージを去るギリギリまで客席に手を振っていた。また、彼女を最後まで見届けた終演後の場内にも、活動休止の寂しさではなくベストなステージを堪能できた多幸感が漂っていた。

なお、このコンサートの模様は2011年1月22日(土)19:00からスカパー!で、2011年2月にスペースシャワーTVで放送されることが決定している。

宇多田ヒカル “WILD LIFE”
2010年12月8月・9日 横浜アリーナ セットリスト

01. Goodbye Happiness
02. traveling
03. テイク5
04. Prisoner Of Love
05. COLORS
06. Letters
07. Hymne a l'amour ~愛のアンセム~
08. SAKURAドロップス
09. Eclipse(Interlude)
10. Passion
11. BLUE
12. Show Me Love(Not A Dream)
13. Stay Gold
14. ぼくはくま
15. Automatic
16. First Love
17. Flavor Of Life -Ballad version-
18. Beautiful World
19. 光
20. 虹色バス
<アンコール>
21. Across the Universe(オリジナル:THE BEATLES)
22. Can't Wait 'Til Christmas
23. time will tell

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宇多田ヒカル一時休止前ラスト公演で感涙&Ust新記録樹立 http://natalie.mu/music/news/41982

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