ぼくのりりっくのぼうよみ、「Noah's Ark」を完結させた新木場の夜

2

432

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 81 344
  • 7 シェア

ぼくのりりっくのぼうよみのワンマンツアー「ぼくのりりっくのぼうよみ TOUR 2017」が、5月21日の東京・新木場STUDIO COASTで終幕した。

ぼくのりりっくのぼうよみ「ぼくのりりっくのぼうよみ TOUR 2017」東京・新木場STUDIO COASTの様子。(撮影:平田浩基)

ぼくのりりっくのぼうよみ「ぼくのりりっくのぼうよみ TOUR 2017」東京・新木場STUDIO COASTの様子。(撮影:平田浩基)

大きなサイズで見る(全7件)

今年1月にリリースした最新アルバム「Noah's Ark」を携えて行われた今回のライブで、ぼくりりは自身の楽曲やカバーを織り交ぜた第1部と、「Noah's Ark」の収録曲を曲順通りパフォーマンスする第2部という2部構成のステージを展開。映像演出も交え、自身が生み出してきた楽曲の世界を表現していった。

場内が暗転し、穏やかなピアノの音色に導かれるようにぼくりりがステージへ。彼はマイクスタンドに手をかけながら「Black Bird」を静かに歌い、ライブの始まりを告げた。この日のライブにはキーボーディスト、DJ、ドラマー、パーカッショニストがサポートメンバーとして参加。曲ごとに表情を変えるぼくりりの歌を、ときに寄り添うような柔らかな音で、ときにダイナミックなアンサンブルで引き立てていく。

SOIL&"PIMP"SESSIONSのタブゾンビ(Tp)と秋田ゴールドマン(B)を交えてのセッションの様子。(撮影:平田浩基)

SOIL&"PIMP"SESSIONSのタブゾンビ(Tp)と秋田ゴールドマン(B)を交えてのセッションの様子。(撮影:平田浩基)[拡大]

ぼくりりは序盤で「CITI」や「sub/objective」など1stアルバム「hollow world」からの楽曲を続けて披露したあと、「カバーをやります」と述べ椎名林檎「本能」を歌唱。ジャジーなサウンドに艶のある声を絡ませ、大人の顔をチラリとのぞかせた。さらにSOIL & "PIMP" SESSIONSのタブゾンビ(Tp)と秋田ゴールドマン(B)を呼び込み、「間奏のトランペットのソロが超カッコいいから! 楽しみにしてて」という紹介に続きSOILの「Summer Love」を歌い、オーディエンスを惹き付けた。タブゾンビと秋田を送り出したあと、彼は「夏つながりってことで、夏っぽい曲を作ったんですよ」と「SKY's the limit」をパフォーマンスする。曲が始まると自然と手拍子が起き、軽やかなリズムに乗せてぼくりりは高く伸びやかな声を響かせた。さらに彼曰く「SKY's the limit」とは対極のぼくりりらしい曲という「つきとさなぎ」でシリアスな空気を紡いだあとは、1部を締めくくる「Sunrise(re-build)」に。観客が腕を挙げ揺らす中、ぼくりりは気持ちよさそうにハンドマイクで熱唱。「来てくれてホントにありがとうございます!」と述べ、一旦ステージをあとにした。

幕間には紗幕がステージを覆い、開いた本の絵が投影される。ぼくりりによる朗読を経て、アルバム「Noah's Ark」のオープニングナンバー「Be Noble」が始まった。紗幕にはノアの箱舟の世界を思わせるつがいの動物のシルエットが浮かび、その中心でぼくりりは張り詰めた声で言葉を噛みしめるように歌い上げた。彼はその後もモノローグを挟みつつ「Noah's Ark」の世界を再現していく。怒気をにじませた声で「在り処」を熱唱し観客を圧倒したかと思えば、シニカルな思いをつづった「予告編」でメロウな空気を生み出す。「対象a」では憂いを帯びた儚げな声でフロアを酔わせるなど、多彩な歌声を披露していった。

ぼくのりりっくのぼうよみ「ぼくのりりっくのぼうよみ TOUR 2017」東京・新木場STUDIO COASTの様子。(撮影:平田浩基)

ぼくのりりっくのぼうよみ「ぼくのりりっくのぼうよみ TOUR 2017」東京・新木場STUDIO COASTの様子。(撮影:平田浩基)[拡大]

なお「noiseful world」で歌詞が飛んでしまうハプニングがあったが、タケウチカズタケ(Key)のサポートを受け持ち直す場面も。直後の「liar」ではドラムとパーカッションのタイトでディープなリズムに、鬼気迫るような声色でリリックを重ねていった。タブゾンビがトランペットの音色で荘厳でシリアスな雰囲気に拍車をかけた「Noah's Ark」を経てライブは佳境へ。タケウチの奏でる弾むようなメロディから「after that」がスタートする。ここで秋田も合流しグルーヴのあるベースで、爽快なサウンドを支える。主役であるぼくりりはハンドマイクでステージを行き来し、オーディエンスとコミュニケーションを取りながらラストナンバーを熱演する。最後に晴れやかな表情で「Thank you for coming!」と謝辞を口にして、「ぼくのりりっくのぼうよみ TOUR 2017」に幕を下ろした。

終演後、スクリーンにはぼくりりからのメッセージが映し出され、そこには来場したファンへのお礼と共に「Noah's Ark」がこのライブをもって完結したことがつづられ「次回作にご期待ください」と今後への意欲に満ちた言葉が添えられていた。

この記事の画像(全7件)

ぼくのりりっくのぼうよみ「ぼくのりりっくのぼうよみ TOUR 2017」2017年5月21日 新木場STUDIO COAST セットリスト

01. Black Bird
02. CITI
03. sub/objective
04. Collapse
05. 本能
06. Summer Love
07. SKY's the limit
08. つきとさなぎ
09. Sunrise(re-build)
10. Be Noble
11. shadow
12. 在り処
13. 予告編
14. 対象a
15. Water boarding -Noah's Ark edition-
16. Newspeak
17. noiseful world
18. liar
19. Noah's Ark
20. after that

全文を表示

読者の反応

  • 2

ホタテ ギターズ @hotate_guitars

ぼくのりりっくのぼうよみ、「Noah's Ark」を完結させた新木場の夜 - 音楽ナタリー https://t.co/nLnmTQvUJs

コメントを読む(2件)

ぼくのりりっくのぼうよみの画像

関連商品

リンク

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 ぼくのりりっくのぼうよみ / SOIL&"PIMP"SESSIONS の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。