NICO Touches the Walls、“勇気と愛”を届けた等身大のレコ発ツアー完結

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NICO Touches the Wallsの全国ツアー「NICO Touches the Walls TOUR 2016 “勇気も愛もないなんて”」の千秋楽が、4月23日に東京・Zepp DiverCity TOKYOにて開催された。

NICO Touches the Walls「NICO Touches the Walls TOUR 2016 “勇気も愛もないなんて”」東京・Zepp DiverCity TOKYO公演の様子。(撮影:上飯坂一)

NICO Touches the Walls「NICO Touches the Walls TOUR 2016 “勇気も愛もないなんて”」東京・Zepp DiverCity TOKYO公演の様子。(撮影:上飯坂一)

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3月にリリースした通算6枚目のアルバム「勇気も愛もないなんて」を携えて、3月4日より全国14会場を回ったNICO。彼らはツアーと並行して対バンツアー「ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ フェスト '16」を行い、競演バンドからの刺激を受けながら最新アルバムの楽曲をライブで磨き上げていった。

光村龍哉(Vo, G)(撮影:上飯坂一)

光村龍哉(Vo, G)(撮影:上飯坂一)[拡大]

ライブが始まり、スポットライトの下にスタンバイした4人は力強いハーモニーを響かせオープニングナンバー「フィロローグ」をパフォーマンス。曲の展開とともに光村龍哉(Vo, G)の声は伸びやかさを増し、オーディエンスを魅了していった。「最後まで楽しんでいこうぜ!」という彼の言葉に続き、陽気なラブソング「エーキューライセンス」がスタート。観客が拳を突き上げシンガロングする中で古村大介(G)はステージを縦横無尽に動き回り、サビでは光村とマイクを分け合うようにしながら熱唱する。また古村のプレイに感化されるように、坂倉心悟(B)はアグレッシブな演奏を展開していた。

古村大介(G)(撮影:上飯坂一)

古村大介(G)(撮影:上飯坂一)[拡大]

坂倉心悟(B)(撮影:上飯坂一)

坂倉心悟(B)(撮影:上飯坂一)[拡大]

イントロで歓声が沸いた「image training」、対馬祥太郎(Dr)が刻むタイトなビートがフロントの3人の演奏を支える「TOKYO Dreamer」を経て光村が改めて観客に挨拶する。彼は「全国各地でたくさんの人たちの勇気と愛を充電してきましたので、0%になるまで振り絞って楽しんでいきたいと思います。春といえばユーミン、マッキー、そして対馬さんの口笛でございます」と次の曲への布石を打った。そんな紹介から対馬の美しい口笛がイントロを彩る「口笛吹いて、こんにちは」が始まる。途中まで朗らかなムードが漂うも、「仕事サボった僕がいる もう全然大丈夫!」というワンフレーズを光村が歌い終えた瞬間に曲がストップ。会場がざわめく中、光村の「全然大丈夫じゃない人の歌やります!」という声から遅刻について歌ったユニークな「ブギウギルティ」がスタートした。この曲では観客のコーラスも手伝い、一体感が会場に作り出された。坂倉の骨太かつグルーヴィなベースがさく裂した「有言不実行成仏」、メンバーのソロプレイが光った「THE BUNGY」で場内の熱気はどんどん高まっていくが、「ウソツキ」で空気は一変。光村の切なく情感のこもった歌声に、会場は一瞬で静まり返る。その歌声に寄り添うように古村、坂倉、対馬の鳴らす音が重なり、4人が奏でる柔らかなサウンドに観客は聴き入った。

しかし4人は次の「ローハイド」でモードを変え、光村は汗を滴らせシャウトしながらアコースティックギターをかき鳴らし、ほかのメンバーも気迫のこもったパフォーマンスを繰り広げる。そのままキラーチューン「手をたたけ」を畳み掛けて中盤のブロックを締めくくった。

対馬祥太郎(Dr)(撮影:上飯坂一)

対馬祥太郎(Dr)(撮影:上飯坂一)[拡大]

光村龍哉(Vo, G)(撮影:上飯坂一)

光村龍哉(Vo, G)(撮影:上飯坂一)[拡大]

後半戦に入る前に行われたMCでは、古村が自動車の運転免許を取得したことを報告し、初心運転者標識を披露したり、エア運転を始めたりしてメンバーと観客をほのぼのとさせる。ほかのメンバーもそれぞれ免許取得に向けて動き出していることを明かし、光村は「次会うときは、車で会いに行くかもしれませんが」とファンを沸かせた。そして、後半戦は「渦と渦」で幕を開け、「妄想隊員A」になだれ込む激しい展開に。さらに光村は盛り上がりが足りないとばかりに「まだまだいけんだろ?」と煽り、「ニワカ雨ニモ負ケズ」を投下する。間奏で光村はギターを背中に回しハンドマイクで、古村と向き合いシャウト混じりのソウルフルなスキャットを聴かせたかと思えば、フロアに足を踏み入れ絶唱した。対馬が叩き出す高速のリズムに乗せて「まっすぐなうた」が始まると、フロントの3人はたかが外れたようにパフォーマンスを展開。途中で光村がマイクの前を離れると、フロアから大きなシンガロングが発生する。これが呼び水となったのか、彼はますますエネルギッシュなプレイを繰り広げ、曲の終盤では床に寝っ転がりながらギターをかき鳴らした。続く「天地ガエシ」では、古村が演出で登場した巨大バルーンを割り、その衝撃のためかギターのストラップが外れてしまうハプニングが発生する。しかし古村はギターを持たずに拳を突き上げながら、光村とともに熱唱。曲を中断させることなく、ラストまで走り抜けオーディエンスを盛り上げた。

「(『勇気も愛もないなんて』は)やっと本当の、等身大の俺たちになれたアルバムだと思う。勇気とか愛とかありふれた言葉だけど、日本で一番勇気と愛が似合うバンドになってやろうと思います。その日が来るまで追っかけててよ」という光村の言葉のあとに続いたのは「勇気も愛もないなんて」。4人は穏やかな表情を浮かべ、丁寧なアンサンブルを紡ぎながら、アルバムのラストを飾る1曲を演奏した。

アンコールの声に応え、Tシャツ姿で戻ってきた4人は光村の「今年最後のこの曲をやりたいと思います」という言葉から桜色に染まったステージで「April」をプレイ。さらに、さわやかな余韻が残る中で新曲を「ストラト」を披露してオーディエンスを酔わせた。その後、場内が暗転し、「1985」という生まれ年をプリントしたスウェットを着用した4人が並んで姿を見せる。光村は「男は30からって言いますからね」と笑い、「アルバムのツアーは今日でおしまいですが、新しい歴史というか新しいスタートだと思って。これからも目を離さないでくださいよ」と述べた。そして最後に届けられたのは「僕は30になるけれど」。4人の歌声に合わせて、朗々としたシンガロングと軽やかなクラップが響き、ハッピーな空気が会場を満たしていく。最後に光村がメンバーを代表するように「サンキュー!」と会場にいるファンへの感謝の思いを叫び、2カ月におよんだツアーに終わりを告げた。

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NICO Touches the Walls「NICO Touches the Walls TOUR 2016 “勇気も愛もないなんて”」
2016年4月23日 Zepp DiverCity TOKYO セットリスト

01. フィロローグ
02. エーキューライセンス
03. image training
04. TOKYO Dreamer
05. 口笛吹いて、こんにちは
06. ブギウギルティ
07. 有言不実行成仏
08. THE BUNGY
09. ウソツキ
10. ローハイド
11. 手をたたけ
12. 渦と渦
13. 妄想隊員A
14. ニワカ雨ニモ負ケズ
15. まっすぐなうた
16. 天地ガエシ
17. 勇気も愛もないなんて
<アンコール>
18. April
19. ストラト
20. 僕は30になるけれど

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