ONE N' ONLYが、11月26日にメジャー1stアルバム「AMAZONIA」をリリースした。
今年4月にユニバーサルミュージック/ Polydor Recordsとの全世界契約を発表し、6月にシングル「BLAST」でメジャーデビューを果たしたONE N' ONLY。メジャー第1弾のフルアルバムとなる今作には、リード曲「Gooey」、最新ツアー「LIVE TOUR 2025 『LUMINA』」のテーマ曲である「LUMINA」など、全12曲が収録される。
リリースに際し、音楽ナタリーはメンバーにインタビュー。「Gooey」「LUMINA」の話題を中心に、メジャーデビューから半年を経た今を語ってもらった。
取材・文 / 三橋あずみ撮影 / 映美
よりレベルアップしていこうという意識
──ONE N' ONLYは今年4月にユニバーサルミュージック/ Polydor Recordsとの全世界契約を発表し、6月にシングル「BLAST」でメジャーデビューを果たしました。新たな環境での活動がスタートしておよそ半年が経過しましたが、皆さんの中に変化の実感はありますか?
HAYATO 変わってないことのほうがパッと思い浮かぶかもしれないです。
NAOYA そうだね。
HAYATO そんな中で変化したことを探すと、自分たちが今までやってきたことをアップデートして拡大できているような感覚はあります。活動の規模感や濃度がパワーアップしているというか。ユニバーサルの皆さんとたくさん会話をしながら物事を決めたり進めたりできているので、すごくありがたい環境だなという実感があるのは確かですね。
──そうなんですね。
HAYATO 今回のアルバムは「AMAZONIA」というタイトルで、亜熱帯のアマゾンをイメージさせる、パワフルでちょっとミステリアスな熱気みたいなムードをコンセプトに置いたんですが、そういったテーマの設定や解釈の部分もユニバーサルの皆さんが一緒になってすごく追求してくださったんです。メジャーデビューシングルの「BLAST」もそうですが、僕らの中に確かに漂っているけど明確に言語化できていなかった空気感みたいなものをどんどん形にできている実感があるし、アートワークのディテールの細かさやMVのクオリティを取っても、かなり進化したんじゃないかなって。
TETTA あと、アルバムを制作するうえでメンバー全員が楽曲の選考にも参加したんです。いつもはHAYATOが中心になってやってくれていたので、全員で立ち会うのは今回が初めてで。
REI 初めてだったね。
HAYATO 今回の収録曲に関しては、もうずっと相談しながらみんなで一緒に決めていく感じだったので、メンバーの意思もかなり楽曲に反映できていると思います。
TETTA リード曲の候補に関しては何十曲も聴かせてもらったんですけど、その中で全員一致で「いいね」となったのが「Gooey」でした。サウンドが面白くて、パフォーマンスするときはいったい一体どうなるんだろう?という楽しみがあるねって。あと「LUMINA」では本当に0から100まで、メンバーだけで作詞をしたんですが、これも今回が初めてで。そうやってクリエイティブ面での新たな一歩もメンバー全員で踏み出せたし、「今後はもっと楽曲制作に携わっていきたい」という思いも強まったので、そういう意味でも変化があるように感じますね。
REI あとは、ありがたいことに音楽番組への出演が増えました。僕らの名前がいろんな方の目に触れるだけでも違うと思うので、そこはすごく感謝しているのと……メジャーデビューしてから、楽曲のバリエーションも増えました。
EIKU 確かに。
REI アプローチの仕方が多様化した、というのが正しい表現なのかな。例えば、ざっくり“いかつい曲”と言っても、その中にはいろんな表現の種類があるじゃないですか。そういう細かい部分での引き出しが増えたと思っていて、それはすごくよかったなと思います。
HAYATO 音楽番組に出させてもらったり、ONE N' ONLYとしてのメディア露出はあったりしたけど、今年の夏はライブの回数が普段よりもグッと少なくて、SWAG(ONE N' ONLYファンの呼称)に会えてない期間が長かったんですよね。振り返ると、今回のツアー(「LUMINA」)に向けての準備やアルバムの制作に時間を費やしていた感じで。
NAOYA そうだね。
HAYATO 春に行ったツアーや、その最終公演だった日本武道館でのライブの熱量や気持ちの高まりがすごく大きいものになったので、それを超えるためにはどうしたらいいか?ということを1つ課題として掲げて過ごしてきた半年間だったと思います。みんなで改めてダンスレッスンを受けたり、ボイストレーニングをやったり、下地作りからもう一度やり直して。そういう意味では濃い準備期間だったのかな。俳優業でのお仕事もそれぞれいただけるようになってきているというのもあって、メンバー全員でという時間はちょっと減ったんですけど、個々の仕事の合間を縫って、音楽面でよりレベルアップしていこうという意識がみんなの中にあったと思います。
現段階での自分たちを定義する言葉
──では、ここからは「AMAZONIA」の話を聞かせてもらえたら。今作のテーマにも色濃く反映されている南米的なエッセンスというのは、元をたどればONE N' ONLYのTikTokの南米地域でのバズがきっかけであって。そこからグループの音楽性にラテン的なエネルギーやポジティビティが加わっていったことは、すごく興味深い進化だと思うんです。今改めて、この“出会い”とこれまでの過程を振り返ってみると、どんな思いがありますか?
HAYATO 僕らって、歩んできたストーリーをけっこうダイレクトに音楽表現に反映しているグループだなというのはすごく思っていて。“南米以前”にも、そのときどきの活動背景が楽曲に現れていた部分が大きかった気がするんです。
REI そうね。
HAYATO 僕たちONE N' ONLYはずっと“唯一無二であること”を追い求めているけれど、そんな中で……偶然的な出会いによって獲得できた南米とのつながりに関しては、自分たちの中でもフィット感のあるものに巡り会えた感覚がかなりあります。世の中の激しい流れに適応しつつ自分たちの色を確立させるのはかなり大変で、手探りな部分も少なからずあった中、この個性にはすごく助けられましたし。そういう意味でも、運命的な何かがあったのかなと思えるんですよね。
──そうなんですね。
HAYATO なので、南米の皆さんに僕らのことを広く知ってもらったという事実は今の自分たちにすごく生きていると思います。で、そこからさらに……今回の「AMAZONIA」では、そういった僕らのアイデンティティをいい意味で抽象的に、広い視野で捉えてみたんです。国や地域、特定の文化に縛られないような形で。そんなテーマ性を表す具体的なワードを探したときにフィットしたのが「AMAZONIA」だったんですよね。なので、「AMAZONIA」は現段階での自分たちを定義するような言葉でもあるという解釈です。
“ウェイとキャー”がある曲を
──リード曲の「Gooey」は皆さんが何十曲もの候補から選んだとのことですが、具体的にどんなところが琴線に触れて表題曲に決まったのでしょう?
NAOYA リード曲を選ぶにあたって、「パフォーマンスするときに“ウェイとキャー”がある曲を選ぼう」という判断基準を設けていたんです。
HAYATO そのワードをこんなに引っ張られると思わなかった(笑)。
──“ウェイとキャー”というのは……?
HAYATO SWAGがウェイウェイ盛り上がれる要素と「キャー!」とときめくような要素、どっちも持っている曲がいいよねと。
──なるほど。
HAYATO 「BOOM BASH」(シングル「BLAST」収録)が自分たちの中ですごくハマっている感覚があるんですが、この曲ってSWAGのみんなが「キャー」となるような要素がしっかりと入っているんですよ。
EIKU 確かにね。
HAYATO そこに「BLAST」のようなパーティ感を加えた、“ウェイとキャー”を兼ね備えた曲が欲しいなと思って「Gooey」に決めた感じです。
「Gooey」で輝くそれぞれの魅力
HAYATO そうやって選んだ曲ですが、実際完成してみるとメンバーそれぞれの魅力が輝く曲になったなという実感があって。メジャーデビューするにあたって楽曲面で明確に変わったと個人的に思っているのはパートの振り分けなんですけど、「Gooey」に関してもその側面がすごく表れているんですよ。5色だけじゃない、もっといろんなバリエーションを感じてもらえると思う。自分がめっちゃいいなと思ってるのはなおくん(NAOYA)とれいちゃん(REI)が対になって歌うパート。高音域のかわいらしいキャッチーな声から最後はめっちゃ低いところまで行く、声のバリエーションというか行き来の仕方が2人ともすごくよくて。これ聞きたかったんだけど、あれはどんなふうに歌ってるの?
REI 僕は、ドープな声が出やすいレンジがローのほうなんですね。高音域に関しては、TETTAもよく言ってくれるけど明るめのポップスやちょっと癖のある曲にハマる。そういう特徴があるので、みんなが作り上げていく世界観に面白いスパイスを入れていくようなイメージを常に持っているかもしれないです。
HAYATO 素晴らしい。
REI HAYATOが言ってくれたパートもまさにそうで、ちょっと転換を入れるじゃないですけど。特に、TETTAとEIKUのボーカルとの差別化を図れるように意識して作っていますね。2人とは違うよさを出せるように、というか。
TETTA これを食べ物で言うと。例えば炒め物をしたときに、味の素がないと味が締まらないじゃないですか。REIはその味の素です! ん? だしの素……?
HAYATO 味の素で合ってるけど、その表現が合ってるかはわからない(笑)。REIは味の素ってこと?
TETTA とにかく、いないとダメってこと!(笑)
HAYATO 万能調味料ってことね。味の素でありコンソメであり、ほんだしでもある。
TETTA そう、ほんだし。ほんだしくん!
EIKU ほんだしくん!(笑)
──言わんとしていることは伝わりました(笑)。NAOYAさんはどうですか?
NAOYA 僕は「AMAZONIA」のレコーディングを通して、自分の声は中音域が強いことを発見した手応えがあって。なので、中音域の幅の中でどれだけ動けるかということを意識して歌っていました。
TETTA 自分のキーを見つけた感じがあるんだね。
HAYATO わかるわかる。ボランチみたいな感じですね、サッカーで言うと。
NAOYA おっ。めっちゃいいたとえ!(笑)
REI ……(不満げな表情)。
HAYATO ディフェンスもオフェンスもするし、パスも回せるしという。実際NAOYAのボーカルがどんどん特徴的になってるというか、味付けが濃くなってきてて。今回のアルバムでは彼の“おいしいパート”がめっちゃ多いです。聴いてて楽しい。
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EIKUの“お調子者感”、 “架け橋”のTETTA





